少し静養を取った方が良い、と。
突然あらわれたチェズレイに、ほとんど着の身着のまま攫われたのは、職場から休暇を取るように言われた翌日のことだ。
たまりにたまった代休を消化するといっても、特にすることもなくてどうしようかなと考えていたところへ、不意を突くようにチェズレイが突然現れた。
当たり前のように帰宅したら家にいたのは、正直なところどうかと思う。アーロンといい、チェズレイといい、せめて玄関から入ってきてほしい。言ってくれれば鍵を渡すのに、と溜息を吐くのはいつものことだ。
連れてこられた先は、ログハウスのような場所だった。チェズレイのチョイスにしてはなんだか不思議なくらい素朴な場所だ。それが顔に出ていたのか、このこじんまりした木目調の空間を選んだのはモクマさんだと種明かしを受ける。けれど、当の本人は邪魔をしたくないからね、と来ないらしい。
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