帝国ケモ 悲劇と逆転の日「ロスト・エンド」から二年。「彼ら」の襲撃は目に見えて激減し、適合者が戦いに赴くこともだいぶ減ってきた。勿論すべてが無くなったわけではない。クラス4、5レベルの襲撃こそないものの、クラス1、2程度の「彼ら」は度々テールに向かってやってくる。東を守護する第三艦隊に配属されオペレーターを務めている剣介は、今日もまたモニターを見つつ彼らの襲撃を警戒する日々を送っている、のだけれど。
「暇!」
「暇なのはいいことだよ、ケン」
「いやそうなんだけどさ~、こうもなんもないと……頭がだめになりそうっていうか」
なぁ龍さん、と自身の腕に絡みつく自分の青龍に話かければ、彼は同意するかのように「ぴぃ!」と勢いよく鳴いた。剣介によく似て元気な龍さんも暇を持て余しているらしい。剣介から離れた彼は、書類整理をしていたはずの衛の元へ飛んでいくとその首にぎゅうと巻き付いた。
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