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    Umiland_1

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    Umiland_1

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    前に言うてた空組と陸空の日本ホラー的な妄想の完結で

    仄暗い水の底の呪われし血まみれの日本ホラーチック陸空③タイトル怖くしようとしたけど、欲張りすぎると住所みたいになってきた。仄暗い水の底県、呪われ市、血まみれ区。みたいな

    これで終わりですわよ。やっと終わったぁ、長かった
    考えながら書くので最後まで書き出さないと話分からないし、あとで書き終わったらこの行の下に足しに行くね。


    全部書いた後の感想:
    結構意外な展開で終わった。



    前回までのあらすじ〜
    呪いから逃げて定期的に座敷牢で過ごしてた空。ある夜、呪いから助けてくれた狼の正体が友達の陸だと知り、怪我をした狼の陸を座敷牢に匿うも色々良くなかったのだった。


    座敷牢での夜を迎え、簡単に食事を摂った後に「今夜は一人になりたいんだ」って弁たちに伝えて座敷牢で一人になる空。
    その間に怪我を手当して匿ってた陸を撫でて話しかけてる。「昔、小さい頃に陸と出会ってた気がする」って。空は幼過ぎて交流を持った神様のことうっすらとしか覚えてないのだ。

    怪我を手当てされてから、ふらふら起き上がって座敷牢の入口を前足で引っ掻く陸。何か言いたげに空を振り返るけど空は

    「黒い犬がまだ近くに居るかも。危ないからここにいて」って陸を抱き締めながら言うし、空も陸がそばにいないと不安なんや。
    夜中、月明かりの下で寝そべってる陸を抱き上げて布団に潜り込む空。小さく唸る陸の背中を撫でてたけど、檻の軋む音に気付いて慌てて起き上がる。

    何かが木の格子に体当たりしているような音に、焦った空が陸を庇うように抱き締めてるし、黒い犬また襲いに来たんだって思ってたけど、見回した格子の軋みが、何故か空達のいる座敷牢の内側から聞こえてくるのにやっと気付いた空。陸が布団を押し上げてうめきながら

    「檻から出て、走レ。はヤく、俺からにげロ。そら」
    苦しげな陸の白い毛皮が段々端から黒ずんでいくのに目を見張る空。黒い犬と陸が、実は陸の身体を共有して存在してることに気付く。


    これは日本神話サムシングなあれでいうと
    日本の神様は二面性を持ち、その性質は「荒御魂(あらみたま)」と「和御魂(にぎみたま)」に分かれる的なやつ。もっというと四つの性質に分かれるらしいけど、運と知恵と愛と勇気と友情、みたいな。
    例を挙げると、海は荒れて船や人を飲み込む(荒御魂)が、日々の恵みをもたらしてくれる(和御魂)よ!的なやつ。
    ちょっと違うけど当社はその辺のルールを採用しております。


    そもそもどうして本来空への呪いが陸に取り憑いていたのかって、過去の経緯から説明すると

    幼い空がいつものように花を摘んで寝殿まで山道通ってたらなんか黒い犬が道通せんぼしてるし、空は陸だと思って「毛が真っ黒だよ、泥遊びしてたの?」って笑いながら手を差し出す。

    直後、山に響いた悲鳴を聞いた陸が山道の中程へ駆けつけた時には空はすでに倒れてたし、抱き上げると苦しんでる空の胸の辺りが黒ずんでるんじゃ。これは呪いの力ですね。

    陸と空が出会ったキッカケの、空が死にかけた時の呪いはまだ生きとったらしくて
    犬系は獲物をどこまでも追い立てるので呪いも相当執念深い。

    真神の陸だったらかなり強力な犬神の呪い如き指一本で吹っ飛ばせるけど、空と最初に出会った時とは違い、問題の呪いは空の内側に完全に入り込んでるし
    しかも無理矢理入り込んだわけではなく、呪いの犬と特殊効果エンカウントした空が陸だと勘違いして無防備に手を差し出してしまったので、空から空の身体に招かれた形なんじゃよね。大変だ。

    守ること。あと壊すことに特化した陸の力では、力を奮えば呪いを空という器ごと壊す。って分かってしまってから、陸は空を連れ帰ってどうにか空を生かしたまま呪いが解けないかと考える。
    神様なので陸の縄張りに招かれると呪いの進行は遅くなるけど、幼い空の体力では3日も持たない。

    苦しそうな空を見て、額についた汗を拭い神通力も使うけど3日と経たずに段々衰弱していく空。助けてからずっと意識はなく、肌は青みがかって呼吸は浅いし、いつ息が止まってもおかしくないところまで呪いが進行してしまう。

    陸は今にも死にそうな空を抱き上げて、空の乾いた唇にそっと口を重ねる。
    最後の手段は、陸の体内へ空の命を蝕む呪いを吸い取ることだったし
    でもそんなことすると、陸の持つ神様としての性質が変わり、さらに神格に呪いが上書きされて何が起こるか分からないし
    穢れるだけじゃなく神様としての格の高さも相俟って、呪いの力が増す可能性が非常に高い。

    でも死にかけてる空を助けるにはこの方法しかなかったし、呪いを全部身体に取り込んでから空を探しに来た兎ちゃんと六に、呪いを吸い取られて健やかに眠ってる空を託して
    「もう二度とここに来てはいけない」と忠告する。

    「村人には山からできるだけ離れるよう伝えろ。お前たちは空を連れて、できるだけ遠くまで逃げてくれ」
    とも言われて、当時中学生だった兎ちゃんが何か言おうとしても、神様のうっすら黒ずみ始めて侵食されていく身体を見て何も言えなくなるし、兎ちゃんはとても察しが良い。

    ただ頷いて、心配したのか神様の身体に触れようとしてた幼い六の手を引いて、空を抱いたまま急いで山を駆け降りる兎ちゃん。
    六は空と一緒に神様と友達だったのでずっと後ろ振り向いてるし、兎ちゃんに「神様苦しそうだったのに置いてっちゃうの?」って話しかけてる。


    兎ちゃんは山を降りながら弁に空と六を連れて駅まで向かうことを連絡して、荷物を纏めてから家督に
    「山からよくないものが降りてくる。村人を連れてできるだけ遠くへ避難しろ」とだけ託けて、三人だけで電車で新幹線の通る駅まで電車で向かうことになる。

    その日、夜のうちに山でよくないことが起こってからに、家督に言われて避難してた村人は皆奇跡的に無事だったけど、無惨に潰れた家や土地を捨てて離れることになる。


    兎ちゃんたちは新幹線の駅でお祖父ちゃんの車に乗せられて祖父の実家に転がり込むことになるし
    目覚めた空が泣きながら話したことと、兎ちゃんから神様の姿を聞いた祖父が「真神は空を蝕んだ犬神の呪いを取り込んだのかもしれん」って顎撫でてる。お祖父ちゃんの憶測だいたいあってる。

    犬神の呪いはそれでも執拗なので、実家から離れても夜のうちは幼い空のいる部屋にお札とか貼ってたけど、空が成長するとだんだん隠しきれなくなるらしいので、座敷牢みたいな堅牢な場所で空を隠すより他に手が無かったし

    最初こそ夜眠る時だけ座敷牢を使ってたらしいけど、六がある日反抗して空を連れて夜に逃げようとしてしまったために、呪いを取り込んだ陸を乗っ取ろうとしてた犬神の呪いに空が見つかってしまう。

    陸の力が込められた真神の御守りを持たせたところで気休めでしかないので、13歳くらいの時から夜だけじゃなく昼間も含めて、一週間ほど座敷牢の中で隠されるようになった空。

    どのくらいの頻度かはまちまちで、月の満ち欠けとか星の巡りに関係するらしい。なんか陰陽師っぽいな。
    呪いに見つかった時点でもう空から離れてる意味がなくなるので、リスクは高いけど近くで空を守ろうと決めた陸が山を降り、空の暮らしてた小さな村まで来てからに、一個年上の人間の学生として過ごし始めたのも多分この辺り。

    人間に擬態しながら犬神の呪いを体内で抑え込んでるし、空を見るたびに空への言い知れない衝動に抗い続ける陸。
    大切な友達なので何があっても空を守り抜こうと決意するし、いずれ呪いに取り込まれて空を襲う前に自ら消滅する道選びそう。夜明けへの道選んでほしい。

    なので怪我をした日の夜、空と二人きりになる前に焦って座敷牢から出ようとしてた陸。人の姿になって最初から敬意を説明できたらよかったけど、陸も呪いと戦った時のダメージで上手く言葉が話せなかった。
    しかも空が外に出るのを止めてしまったので夜時間にえらいことになってしまったし、膨れ上がる黒い呪いの塊を前に、急いで弁から渡されてた鍵で内側から戸を開けて、必死に逃げる空とそれを追おうとする自分を抑え込む陸。

    長い間、呪いに蝕まれた身体ではもう空への自制がきかないと悟ってから、物音を聞きつけて物置部屋まで走ってきた弁と六に自分を殺すように頼む。

    「空を殺すまエに、頼ム。オれを殺してクれ……」って呻く、苦しげな白黒混じりの大きな狼を前にして
    物置部屋の古い刀を引き抜いた弁が「え?オレがやるの?」って焦ってるし、六を振り返りながら腕わなわな震わせてる。

    鉄の重さで刀を持ってられない弁を見兼ねた六が弁から刀を奪い取って陸に翳すし、でも生き物に刀を刺すなんてできっこないので躊躇する六。
    それでもなんとか陸へ刀を振り下ろそうとした時に、陸の体から湧き出た黒い瘴気が刀の先端を掴んですごい力で捻じ曲げる。

    瘴気に触れて一瞬で錆びついた刀を見て、弁がすぐに六の腕を引っ張ってから、駆けつけた兎ちゃんに「すぐにここから離れろ!」って叫んで走り出す。弁の的確な判断のおかげで瘴気から逃れてみんな無事。

    辺りは呪いのせいで霧のような黒い瘴気に覆われてるし、瘴気に触れた植物が命を奪われて次々枯れていく。
    弁も兎ちゃんも、早く車の方まで逃げるように言うけど、六があちこち見回して「空!空が居ないぞ?!」って叫んでる。

    空は陸を放っておけなくて、座敷牢のある物置部屋のところまで一人走って戻って来てたし
    自死したくとも呪いに蝕まれてうまく身体を動かせなくなってた陸の傍まで辿り着いてた。

    瘴気に触れたせいで鋭い痛みの走る身体を、陸の白黒混じりの毛並みに寄り添わせる空。

    それに気付いて、自分の意思でもう動けなくなってた陸が
    「……にゲろ、俺、モう、そら。まもレなイ」って空に呻いても、瘴気に身体を蝕まれても空は狼の陸を抱き締めてる。

    「陸が元に戻るなら、オレを殺して」
    って空は陸を蝕んでた呪いに話しかけるし、それを聞いた陸が怒って毛を逆立てても空の方は困り顔で

    「オレ、何の力もないから、こんなことしか出来ないんだ。陸はオレのためにずっと一人で頑張ってくれてたのに……ごめんな」って陸に謝ってる。

    空の言葉を聞いて、取り憑いてた陸の身体から陸を蝕んでた呪いの残滓が少しずつ剥がれるし
    黒い大きな犬の姿をした呪いが空の頭上で首をもたげてて、空が手を伸ばしたらそっと鼻先を擦り寄せてる。
    「おいで」って空から優しく呼ばれ、空の胸に入り込む呪いと、なんとか止めようとしたけど間に合わなかった陸。

    地面に倒れて眠るように目を閉じて、みるみるうちに呪いに侵食されて黒くなっていく空の身体を抱き締めて「空から離れろ!!俺を殺せ!!殺せよっ!!」って呪いに向かって陸が必死に叫んでも、空に入り込んだ呪いの核は空から離れない。


    空は空で、夢の世界で呪いの犬と対峙するけど、受け入れた空からずっと距離を取ったまま離れている犬の様子を見て少し変だと気づく。


    実は犬神の呪いの作り方って結構えぐくて禁術なんだと思うけど、要は素材になる生きた犬を餓死寸前まで追いつめて殺す。
    みたいな愛犬家が聞いたら下唇噛みちぎりそうなやり方なので、素材になった犬もまた被害者、被害犬…

    10年ほど前に呪いの素材にされ、残酷な方法で殺された犬が、術者の命令で空の実家まで空の家のものを呪いに行ったけど
    幼稚園生の空が呪い犬を見つけた時に、肋骨浮いてた骨と皮だけの呪いの犬にパンをちぎって与えたので、犬がパンと空の優しさにお礼を言おうとして空に鼻先で触れたら強制的に呪いが発動し空一人がなぜか強烈に呪われた。
    そして陸ミーツ空。陸に呪いを弾かれたせいで術者とその家の人たち呪い返しで死ぬ。

    みたいな特殊効果エンカウント玉突き事故を起こしてしまったので色々勘違いされたまま、呪いの残滓がまだ残ってたので復活し
    陸と仲良くなった後の空と二度目のエンカウントで、手を差し伸べてくれた空に擦り寄ろうとしたら再度強制的に発動した呪いにより空を殺しかけてしまい、そのまま呪いを内包した陸の体内に封印されてた犬。

    予想外なことに呪いの力に、陸の神格が混ざったおかげで犬の意思で呪いの力を少しコントロールできるようになり、今度こそ空にお礼を言いたくて遠いところまで匂いを辿って探しにきたけど
    なぜか空を再び傷つけてしまった上に、自分そのものが呪いという本質にされていたのだと犬ここでようやく気付く。

    なので空の中に潜り込んでから、夢の世界では空を傷つけないよう、空に触れずに尻尾少し振ってから


    「きずつけてごめんなさい、そら。おなかたくさんへってた、たべものありがとう」

    って空にお礼だけ伝えて、自ら呪いとして空を傷つけないよう消滅する道を選ぶ犬と、それを止めようと手を伸ばす空。
    だけど間に合わなかったし、殺されて呪いの核にされた犬の最期の意識が、空の夢の中でチリになって消えていくのに泣く空。


    陸の方はなんとか外側から空の意識を現実世界まで引き摺り出そうとして、呪いやら怪我やらで今まで身体を蝕まれ、失いつつあった神様としての最期の力を振り絞って空を迎えにいく。
    夢の中で空から、呪いの犬が自ら消えたことを聞き、陸もこれで、空と会えるのは最後だって教える。
    既に陸の神様としての力はこの時もう殆んど残ってなかった。

    「俺のことは忘れてくれ、空。……どうか幸せに生きてほしい」
    って最後に空をぎゅっと抱き締めてから、空の意識を現実世界まで連れて行く陸。
    空が最後に「嫌だ、陸!」って叫ぶけど、陸の手が夢の中で離れた途端、意識が戻って弁や兎ちゃんが覗き込んでるのが見えるし
    夜明け前の薄明に、六が「空が起きた!」って喜びながら叫んでる。みんなに抱き締められて叱られながら、声上げて泣く空。


    その後、座敷牢は使われることもないまま無事に一年近く時間が経つし、呪いの犬も陸の姿もどこにもなく、黒い犬もおらず白い犬が学校帰りに着いてくることもない。
    ぼんやり一人で物思いに耽り、惚けてることが多くなった空の隣に腰掛ける六。
    空に「もう平気か?」って話しかけてるし「うん、もうすっかり元気」って頷く空を見て、余計に表情を曇らせる六。ただのカラ元気ですわ。

    空の思い悩む姿を見てた六が最後に悩んだ様子で
    「……空が会いたいんならさ、別に我慢することはないと思うんだ」って話し始める。
    「会いに行こう、あの山まで」って六がそっと空を抱き締めるのに、泣きそうな顔で抱き返す空。


    数日後、夏休みの初めくらいにテントやらタープやらバーベキューセットの荷物を車にたくさん詰め込んだ弁が

    「もう何もないけど、実家のあった土地の様子でも見に行こうか」って計画立てて出発するし、四人兄弟で車に乗って実家があった土地に着く。
    崩れた土に潰された土地と、少し崩れた山肌の方に陸のいた社の跡を見つけた六が山の方に向かうのに、三人も続く。


    山の中ほどまで登った時に、空が何かに気付いて、振り返って宙を見上げてる。空を振り返って立ち止まるほかの三人と、空は宙を見上げたまま嬉しそうに微笑む。
    顔を綻ばした空の頬を伝う涙を見て、空が誰を見てるのか見えないけど悟る兄弟三人。
    空は宙に向かって「忘れるように言われたのに、約束破ってごめん」って謝ってる。でもどうしても陸に会いたかったことと、あの夜の後の話も少しだけする。

    陸があの日居なくなって、その不在が何よりも空にとって悲しかったことを伝えて、それから何か話を聞いた様子で、ハッとした表情で兄弟達を振り返ってる。六が率先して
    「行けよ、空」
    って頷いて言ったら、空はじわじわ涙を落とす目を擦りながら何度も頷いてる。

    このまま陸と一緒に行ったら、多分もう二度とみんなと会えないかもしれない。って言うて兄弟たちとたくさん別れの挨拶をしてから、最後に兄弟たちを何度も振り返り、宙に浮かぶ誰かの手をそっと取る空。


    その瞬間だけ、呪いのせいで力を失ってた真神の姿が弁たちにも少しだけ見えるし
    幸せそうな空に優しく微笑みかける陸の横顔が光の中に一瞬だけ見えて、瞬きの間に宙に溶けるように消える空。

    空が去った後声あげて男泣きしてる六と、あんな前向きな神隠し初めて見たな。って兎ちゃんが兄弟との別れの悲しみに一人鼻を啜ってるし、弁がポツリと
    「……学校になんて説明したら良いんだろう、あと空の戸籍どうしよう」ってちょっと焦ってる。

    その辺は弁の職場の先輩であり、実家が大きめの寺生まれのT( E R A)さんがおるので理解があって色々と協力してもらえる。破ぁッ!



    ここからは後日譚で

    さらに空が陸と一緒に去ってから一年弱後、弁と兎ちゃんが実家の土地まで定期的に様子を見に行ってるところから始まる。

    山の中ほどに新しく建てた塚に手を合わせる弁と兎ちゃん、呪いの素材にされた犬の御霊を祀ってるらしい。
    「空が陸と一緒になって、神隠しにあってからもう1年経つのか」って感慨深く話してる。いつものように塚と社に挨拶だけして車の方に向かう二人の後ろから、何かが音もなくヒタヒタ着いてきてる気配がある。

    弁が振り返ったら白い矢羽を抱えた空が立ってるし「久しぶり、二人とも」って嬉しそうに挨拶する、あんまり変わってない様子の空を見て、驚きながら再会の喜びに空を抱き締める弁と兎ちゃん。
    なお空の抱えていた矢羽には見慣れた手紙が括り付けられており

    手紙には「空を無闇に家族から引き離すのは良くなかった」って陸の反省の旨と「時々でいいから、空を里帰りさせてあげたい」ってことが書かれてあった。
    手紙の内容に面食らう兄弟たち。
    空が何か真神の陸に粗相したせいで兄弟全員臓物引き摺り出されて食われるかと思ってた弁もおった。

    手紙の最後に「空の安全のために供をつけた」って書かれてあって
    オトモって?猫?って尋ねた弁の車のボンネットの上に黒い大きな犬が飛び乗ったのを見て
    弁も兎ちゃんも悲鳴上げながら同時に車のドア開いて地面に転がり落ちる。

    「いいい犬だっ!!!」
    「俺の日産がっ!!!」
    って叫んで空を抱き締めながら、犬が飛び乗ってる車から距離を取る弁と兎ちゃん。

    空はビビり散らしてる二人の腕から抜け出して犬の方に手を伸ばすし、空にルンルンの足取りで近づき人懐っこく擦り寄る黒い犬。
    ご飯たくさん食べさせてもらってるのか、フォルムが前より随分丸い。

    呪いの犬は、一度は空の中で消滅したけど残滓が陸の中に残っていたおかげで魂は復活できたらしく、さらに呪いから転じて、陸の神としての性質に触れたのと弁たちが建てた塚のおかげで祀られて、陸の社の摂社みたいな扱いで神使みたいな存在になってたし
    陸の力を少し与えられ、陸と繋がっているので目を通して空の無事が陸にも確認できるようになってる。

    人懐っこい犬にベチャベチャに顔面舐め回されながら経緯を説明する空と、犬の姿にまだビクビクしてる弁と兎ちゃん。

    犬ごと空を連れ帰って、対面した六が泣いて喜んでるのと犬見て空を庇いながら悲鳴あげてるのを見て二人でニヤついてる。


    黒い犬は兎ちゃん辺りに「クロ」って勝手に呼ばれてご飯たくさん食べさせてもらってるし、ご飯食べた後一匹でどっかにルンルンと出掛けるので後を追ったら悪の店の裏手で悪からもたくさんご飯もらってた。
    悪は店の前に大きいドッグランを作る計画をしていて、カフェで犬向けの新メニュー考案中やったらしい。

    さらにその後には寺さんの実家でもご飯たくさんもらってたし、水姉さんの家の方にまで足を伸ばしてデザートもらいに行ってた。


    夜は空と一緒にお風呂に入る犬と、風呂に浸かりながら犬に向かって「覗いてるだろ!!陸!!」って空が毎晩怒ってる。

    夜は久々に四人兄弟並んでお布団敷いて、空と一緒のお布団で犬も寝かせてもらってるし
    空が陸の元に戻る時には犬さらに肥えてて
    「犬。というよりはだんだん形がゴムボールみたいになっていくな」って空抱き締めながらお土産たくさんもらってる陸から叱言言われてる。


    みたいなエンドになったけど、このオチはさすがに予測できなかった。
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