『ふぅ。また大変な事になりましたね…』
目の前に現れた複数のボタンの前で首を傾げそれを見つめる長身の女性、祷はため息交じりにそう呟く。
前回の判子の事を思い出しながら警戒は強めにしておこうとスイッチは押さずにまた一人口を開く。
『一度は亜空間への移動は成功しましたが次も成功するとは限りませんしもっと情報が欲しいところですね』
そう言うと暗い廊下へと懐中電灯の灯りを頼りに足を進める。
暫く壁や教室などを探索して再び廊下へ出ると足元からカサッと紙を踏んだ音が聞こえ足元へと懐中電灯を向け紙を拾い上げる。
『これは…地学の資料でしょうか…なぜこんな廊下に…?』
そう疑問に思い廊下を照らすように懐中電灯を向ける。
照らした先に男性の足が視界に入り思わず心臓が飛び跳ねる。
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