3人の秘密はあったかい場所で「翼さん、緑茶でいいですか?」
「…っ、うん…大丈夫、片付けありがとうね恭二くん」
「俺が誘ったんで、お客さんはゆっくりして下さい。木村寝ました?」
「あー…えーと、そうだね結構酔ってたから」
こたつを挟んで向こう側。夕御飯を食べ終え、お皿を洗ってくれている恭二くんの横顔を眺める。
視線を落とした先では、肩から下をこたつに隠した龍くんがオレの性器を舐めている。声を出すわけにもいかず『恭二くんが怒るよ』と目で訴えてみたが、龍くんは楽しそうな顔で血管の浮き出た竿に舌を這わせた。
音を立てないように、三分の二ほど咥えたまま頬の内側で擦ってくれる。おでこの生え際を撫でてあげると気持ち良さそうな顔で口の中を見せてくれた。やらしく唾液が糸を引く。
きゅっと蛇口が閉められる音がすると、途端に部屋が静かになった。普段から三人でセックスしているわけだし、よく考えればバレても然程問題ないのだが…その時はやけに心臓が煩かった。恭二くんはふきんを手に取って皿を拭き始めた。
龍くんは残りの竿の部分まで飲み込むと、目に涙を溜めた。喉奥に達しているのが分かり、小さく腰を動かしてしまった。思わず出そうになって龍くんの肩を押したが、逆に強く吸われて口内に吐精した。
「りゅ、く…ぁっ、…っ」
「…――っ、ふ、ん」
瞼を開けると赤い舌を出した龍くんが悪戯に笑った。ねっとりとした白濁液を見せつけてくる姿に性器がぴくりと跳ねた。
「木村」
不意に影が掛かったかと思うと、湯飲みを二つ持った恭二くんが隣に立っていた。眉を吊り上げながら溜め息をつくと、机を叩くようにお茶を置いた。
股の間から龍くんが抜け出すと、恭二くんに向かって両手を合わせた。
「待ってくれるって約束だったろ」
「ん」
龍くんは恭二くんの頬を掴んでキスをした、というより口に含んでいた精液を渡した。二人の喉仏が何度か動くのを黙って見つめていた。
「じゃんけんする、って…」
「ごめんって」
十数秒のキスで恭二くんの瞳はふわふわと甘くなった。龍くんはそのまま恭二くんのTシャツを脱がせ、自分も上を全部脱いだ。肌同士を密着させながら再び口付ける。
「まだ、翼さんの味する…」
「うん…あーちんこ痛い…鷹城触って」
「俺も後ろ…指欲しい」
下もすべて脱ぎ捨てて、膝を立てながら互いの急所を触る。「どちらが先にするか」と言いながらも始まると二人で仲良くなって放置されるのはオレの方だった。ケンカされるよりはいいけど…。
「鷹城先にいいよ」
「ん…俺も舐めたいから木村の…」
「へへ、ありがと」
さっきのやらしいキスとは打って変わって、小動物がじゃれるような軽い口付けを目の前で交わされる。さっき出したばかりの自分の性器が一層大きくなった。
「翼さん乗っていいか?」
「うん、大丈夫」
座っていた場所はそのままに、こたつと自分の間に今度は恭二くんが来てくれた。腰をゆっくり降ろしながらカリまで飲み込むと、恭二くんは満足気に息を吐いた。
「鷹城お尻気持ちいい?」
「ん…うん、…っ」
「まだ先っぽだけだよ」
「うぁ…奥、ゆっくり、…」
恭二くんはオレの肩に手をつくとまた腰を降ろし始めた。根元まで粘膜に包まれると小さく喘いでしまった。
「はっぁ…恭二くん、ナカとろとろだね…」
「あっ、あ…、ッ、……ンン!」
「鷹城、これ舐めて」
「んぁ…は、…う、ン」
目の前で恭二くんが龍くんの性器に口をつけた。構わずに腰を動かすとすぐに口が離れ喘ぎ声が上がる。
恭二くんの腰を固定して最奥押すようにすると喉を反らせた。ぎゅっとナカが締まって気持ちがいい。
「…っあ! はぁ、は、当たる…あたってる」
先走りが垂れる龍くんの性器で恭二くんの頬を撫でられる。端なく舌先を出してタマを舐めた。
「うぁ…翼さ…んっ、も、…もう…っ」
「後ろだけでイける?」
「んぅ、ン…ふ、だめ、イく…、――っ!」
「あっ…っ、」
恭二くんが全身を痙攣させると、龍くんは腰を引いた。口端から唾液を溢れさせながら、余韻の中にでまた甘く達した。
「あっぶなー…出るとこだった」
「ごめん…口…外れた…」
「んーん、鷹城の口気持ちいい」
恭二くんは力の入らなくなった体を龍くんに預けた。そのまま二人で床に寝転ぶと、また軽いキス音が部屋に響いた。
上に乗った龍くんがお尻を持ち上げて、視線を後ろに投げてきた。
「翼さん、俺もケツ入れて…」
ヒクつく後孔に切っ先を宛がうと、誘うように龍くんから飲み込んでくれる。
「あー…入ってる、でか…っ、い」
最初から強めに腰を打ち付けると龍くんが大きく喘ぐ。自分の性器を手早く扱きながら、イイ場所に当たるようにお尻を揺らした。
「龍くん…もっと強い方がいい?」
「もっと、ガンガン突いて…いっ、…あぁ…っ!」
「木村かわいい」
「ァ、っ…! 出そう、でる…ぅ」
恭二くんが龍くんの耳をやわく噛むと、目の前の肩が大きく震えた。汗ばんだ二人の体と吐息が重なる。
オレまだ達していない自身を左手で扱きながら、どこに出そうかと考えていた。
「翼さん…俺も口ほしい、っす」
「俺も…もっかい」
蕩けた二組の瞳に捕らえられると、ぞくぞくと脊髄が沸騰しそうになった。見上げてくる顎を順番に撫でると、小さく溜め息が零れた。
「二人とも口の中触られるの好きだもんね…」
恋人二人の唇が性器を這う。贅沢な状況をなるべく長く堪能したくて、射精を我慢するのに必死になっていた。
ーEnd.