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    秀二🐻‍❄️

    ヘキの墓場🪦
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    秀二🐻‍❄️

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    新しいスマホが届いたと同時に、壊れたスマホが自然に直りました。しゅん。
    でも新しいスマホは今のよりカメラ性能がいいのでのる鯉月をたくさん撮ります。前向き。

    しょげてるDK鯉登さんと珍しく前向きな月島さん(二十歳まで色々お預け済み)

    若い旦那さん堪らん(大ヘキ)「月島ぁん」

     鯉登さんが俺をこう呼ぶ時は、だいたい甘えたな時だ。この声でねだられると弱い。それを知っていてこんな声を出すのだから悪いひとだ。あるいは今日のように弱っている時にもこの呼び方をする。
     鯉登さんは今も昔も芯の通った性格は変わらず、どんな時も俺を引っ張っていく。しかし彼も人間。特に今は未成年の子供だ。いくら前世の記憶があろうと、心が揺れ動くこともあれば不安を抱えることもある。思春期であれば尚のこと感情も動くというものだろう。

     酒のように林檎ジュースをあおった鯉登さんはかたんと音を立ててグラスを置いた。普段きっちりと着こなしているブレザーは傍に脱ぎ捨てられている。実際に酔っ払っているわけでないが、ワイシャツを捲り上げて項垂れる様子は酔っ払いに見えた。

    「どうして今世でもお前はうんと歳上なんだぁ」
    「でも十歳差に縮まったでしょう」
    「まだまだ、差があるだろう……」

     十三歳差が十歳差に縮まったのだ、十分ではないか。俺はそう思っていた。歳上だからどうというよりは、このひとと過ごすことができる時間の長さが気にかかっていた。人生何が起こるかは分からないが、年齢差が小さければ共に過ごせる時間も長くなるだろう。しかし鯉登さんはそうでないらしい。彼からすれば十歳という年齢差は未だ大きいものだと。

    「生まれる時期を決めることができたなら、貴方と同時に生まれてみたかったですよ」
    「ん」

     艶のある髪をすいてやると、鯉登さんはゆるりとまぶたを閉じた。どこか優雅なその様は上等な猫のように見えた。

    「貴方と一緒に学校に行ったり部活したり、そんなのも楽しそうですね」
    「……うん」
    「それができない俺は、おきらいですか」
    「っ、そんなわけなか!」

     分かっている。けれど、その口から否定して欲しくもなる。俺の我儘だ。
     萎れていた鯉登さんは勢いよく跳ね起き俺の両肩を掴む。形のいい唇は固く引き結ばれている。

    「……私の勝手な我儘だ。お前のことを近くで支えてやりたいが、子供にはそれができん。私はまだ社会的に何の力も持っていない。もちろん家族のことは大切だが、早く……お前と一緒になりたい」
    「その気持ちだけで十分です」
    「私が、それでは足りないんだ」

     そうだろう。貴方の考えていることは大抵分かる。

    「俺はこの年齢差も悪くないと思っています」
    「なぜ」
    「貴方の成長を見守ることができますので」
    「……子供扱い」
    「まさか」

     顎の下を指でくすぐってやると、視線がこちらに戻ってきた。面白くなさそうにしていた目に小さく火が灯っている。

    「ご家族に負けないくらい、貴方の成長を大切に見守りたいんです。それに何歳だって俺の伴侶ということに変わりはないでしょう?ゆっくり待ってますよ、閣下」

     お前、本当にずるい男だ。耳まで真っ赤にした鯉登さんは俺の両手を握り、頬擦りした。肌も吐息も何もかもが驚くほど熱かった。
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