炬燵はないけど甚爾はよくミコトの事を仔猫と評している。幼児の頃から知っているからってのもあるだろーし、まぁ確かにミコトは例えるなら猫か犬かどっちか、と言われればなんとなく猫か、とは思う。
「ははっ。かーぁい。」
けど、多頭飼いの崩壊現場で、低級呪霊の残穢にあてられて中身だけ猫になり、現在陽当たり抜群の医務室のベッドで丸くなりながら傍らに膝立ちになってる硝子に顎をかりかりされてごろごろ喉をならしてるのを見ると、天与呪縛の勘やべぇなと思った。違和感仕事しろ。
ちなみにだけど、俺の目にはうっすらと焦げ茶色の猫耳と尻尾も見えてる。
「明日には戻りそーなんだろ?」
「そ。雑魚猫呪霊だったみたいだしな。」
六眼で見てもそれほど深刻な感じじゃない。
それも伝えてあるから、硝子も遠慮なくミコトを猫扱いしてるんだけど。
「五条が猫化しなくてよかったよ。」
「はぁ?俺が低級呪霊なんぞの残穢に当てられるかよ。」
「そーだろーけど。基本的におだやかーな気性のミコトだからこんなにのーんびり日向ぼっこしながらごろごろされる猫になったんだろ。お前だったら速攻脱走して高専中荒らし回って破壊して夜蛾センの胃が死ぬ。」
「前から思ってたけど硝子オマエ俺の事なんだと思ってンの?」