夢のような日々「 千空ちゃん、おっ早〜!!!起きて起きて!今日はせっかくのお休みなんだから!」
……久しぶりの休日。
雨だというのに、朝からゲンは上機嫌だ。それもそうか。
最近、なかなか予定が合わなくてゆっくり出来なかったから。
いつになくはしゃいでいるゲンに、ふ、と笑みがこぼれた。
「 ……コーヒー、今朝はブラックでいいか?杠からいい豆貰ったからたまにはインスタントじゃねぇやつ」
「 えっ豆から挽いてくれんのごいすー!」
顔を輝かせるゲンに、ククク、と低く笑う。
……おかわいいこった。
「 此間作ったエスプレッソマシンの出力も試してみてぇしな」
「 作ったの!?」
「 おう」
頷くと、コーヒー豆の封を切った。
ふわりと漂う苦味のある芳香が鼻腔をくすぐる。量を測ってミルにセットすると、力の加減と速度が一定になるようにハンドルを回して豆を挽き始めた。
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