膝枕で耳かきを「なんだこれは」
夜遅くに仕事から帰ってきたウォロが、満面の笑顔でシマボシの目の前に出してきた物。それは──…。
「耳かきです!」
「知っている」
竹で出来ていて白い梵天のついている、ヘラ型のオーソドックスな耳かきだった。
「シマボシさんに、耳掃除してほしくて!」
ウォロはふわふわの白い梵天を指でそっとなでながら、購入した理由を教えてくれる。
「……唐突だな。自分でやらない理由は?」
「好きな人の膝枕で耳かきをしてもらう……男のロマンですよ‼」
たまたまそのネタを知ったのか、虎視眈々と狙っていたのかは不明だが、膝枕で耳かきというシチュエーションを体験してみたいという好奇心が原動力なのはよく分かった。
「耳の健康を考えると、むしろ耳かきはしないほうが良いのだが」
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