アンコール 陽が傾いた夕方、司はフェニックスワンダーランドの近くに建つコンビニに向かった。悠々とした足取りで自動ドアを潜り、菓子コーナーで目的のものを見つけて少し悩んだ後、しっかりと手に取ってレジへと進む。カウンターにしっかりと置いたのはプラスチックケースに入ったラムネだ。司はそれを自分用ではなく、ユニットメンバーへ渡すためのプレゼントとして選んでいる。
『ワンダーランズ×ショウタイム』が結成されてから数日。司は座長としてメンバーの特徴を把握しようと自己紹介を提案した。名前はもちろん、通っている学校や好物、苦手なものといった少々深い内容まで披露するそれは、乗り気でない寧々を除き賛成された。
司の大声から始まり、えむの快活な紹介、寧々のシンプルな回答、類の芝居じみた語りと、実に個性的な自己紹介がなされた。そうして仲間のことを詳しく知った司は、さらに親交を深める方法としてそれぞれの好物を渡すことを思いついた。
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