クリスマスが終わるまであと少しツンと肌を刺すような寒い日々が続く12月の末。
街中はいたる所にイルミネーションが煌めきクリスマスムードでいっぱいだった。
「はあ〜、やっと一息って感じ…。零くんおつかれさま」
「薫くんもおつかれさま。さすがに我輩もちょっと疲れたぞい…」
夢ノ咲学院を卒業し、新人アイドルとして芸能界で活躍する毎日。ありがたいことに連日引っ張りだこで朝早くから夜遅くまで仕事に明け暮れていた。
世間はみなクリスマスに浮かれてパーティやらなんやらとはしゃいでいるけれど、自分たちには全く関係なく、プライベートでクリスマスらしいことは何一つとせずに本日25日を終えようとしている。
最後の仕事を行ったビルを後にし、あとは寮に帰るだけというところで薫がふと口を開いた。
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