無題:プロット、メモ1
かくして戦士は次の戦場へと向かった。
ミクトランパに誂えたこの場所――家のようなもの――もテスカトリポカの一動作で全て煙となる。それを行わずにただテスカトリポカはリビングのソファで[[rb:空 > くう]]を見つめていた。
以前人間の前に現れたのはいつだっただろうか。2本の矢で射抜かれた時だったか。
立ち上がり、[[rb:空 > から]]になった家の中を意味もなく歩く。寝室の広い寝台へと腰をかけた。ベッドのサイドチェストの引き出しが少し空いている。コトリと開けてみると白い長方形のカードの上に2本の煙草が置かれていた。手に取り、カードを裏返す。
『D to T』
力強い筆跡を見たテスカトリポカは鳩尾に力を入れた。そうしないと意味もなく声が漏れてしまいそうだった。
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