なんか 今日は珍しくカーヴェは、宅飲みをしていた。理由は明白、日頃のストレスからの逃げである。そこに、仕事を終えたアルハイゼンが帰宅する。
「……はぁ」
カーヴェの目の前の光景に、アルハイゼンは思わずため息を漏らす。そんなアルハイゼンに気づいたカーヴェは、舌っ足らずになりながらアルハイゼンに言う。
「んっ?あるはぁいぜん?帰ってきてたのか!」
カーヴェは酒が入っているのか、ご機嫌でそう言いながらアルハイゼンの方へ駆け寄ると、そのまま抱きついた。
「なんだよぉ〜!帰ってきたなら言えよな〜」
酔っているせいかいつもよりスキンシップが激しくなっているカーヴェを見て、アルハイゼンは再びため息をつく。そして、抱きついてきたカーヴェを引き剥がすと、カーヴェの頭を軽く叩いた。
「いてぇ!?何すんだ!」
「お前こそ何をしているんだ……」
呆れたように呟くアルハイゼンに対して、カーヴェは不貞腐れながら言う。
「別にいいじゃねぇか!……あーあ、つまんねー奴だな!」
アルハイゼンはその言葉を聞いて再びため息をつくと、キッチンへ向かい水を持ってくる。そしてそれをテーブルに置くと、コップの中に水を注ぎ、それを飲み干した。
「これで満足だろう?」
「ちぇっ、可愛げのない奴め……」
不貞腐れながらも、カーヴェも水を飲み干し、少し酔いが覚めたようだ。しかし、まだ完全には目が覚めてないのか、眠そうな目をしながら、ソファに横になる。
「おい、ここで寝るな」
「うるさい……俺は疲れてんだよ……」
アルハイゼンの言葉を無視して、そのまま眠りにつくカーヴェ。その姿を見て、再びため息をつくと、毛布を取り出しそれをかけてやった。
(全く……)
そう思いつつも、どこか嬉しそうな表情を浮かべているアルハイゼンであった。
「ふぅ……」
*****
夜勤明けの朝、アルハイゼンは大きく伸びをする。今日は特に予定もなく、家でゆっくりしようと決めていた。
とりあえずシャワーを浴びると、リビングにある椅子に腰掛ける。すると、急に強い睡魔に襲われた。どうやら夜勤による疲労感からか、体が睡眠を求めているらしい。それに抗うことができず、アルハイゼンはそのまま目を閉じた。
どれくらい時間が経っただろうか。しばらくして、玄関の鍵を開ける音が聞こえてくる。そして、ドアを開く音と共に声が響いた。
「ただいま〜……ってあれ?いるじゃん」
帰ってきたのは、仕事に出かけていたカーヴェだった。リビングまで来ると、そこには椅子に座って眠っているアルハイゼンの姿があった。
「なんだ、帰ってたのかよ……」
カーヴェは小さく呟きながら、アルハイゼンの隣に座った。そして、まじまじとその顔を見つめる。
(こうして見ると、結構イケメンだよなぁ……)
そんなことを思っているうちに、無意識のうちにカーヴェの手はアルハイゼンの顔へと向かっていた。そして頬をツンツンしたり引っ張ったりし始める。しばらく遊んでいると、突然アルハイゼンの目が開かれる。そして、自分の顔を触っているカーヴェの腕を掴むと、そのまま床に押し倒した。
「いっ……たぁ……」
背中を強く打ったようで、痛みを訴えるカーヴェだったが、それよりもこの状況の方が気になっているようだった。
「あの〜……アルさん?これは一体どういう状況で……?」
「それはこっちのセリフだ」
そう言って、アルハイゼンはカーヴェの首筋に噛み付いた。
「ちょっ……痛いって!」
抵抗しようとするが、力が入らないのかカーヴェは全く動けずにいた。その間も、アルハイゼンは無言のままカーヴェ