一千年後 君と幽明 相隔つ虎杖悠仁。その体は平成という時代に羂索によって作られた、宿儺の器となる為の肉体である。只人では受肉させる事すら出来ない呪いの王、ただその存在の為だけに調整されて作られた一級品。であれば当然その肉体の強度は只人よりも優れており、耐久性もある。
とはいえあくまでも人間として、ではある。人間が人間である以上、人間として作られた以上、その器は人間以上にはなれやしない。当然である。それより先は神の域、人間が踏み込める領域ではない。
だがいつの日にか宿儺に心を返す。その一心で千年を過ごしたイタドリの体は既に擦り切れており、精霊としてももう永くは持たない。千年以上咲き続けた本体のイタドリももう新しい芽を出す事は殆どなく、枯れ果てるのも時間の問題である。
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