ドライフラワーいつもの通りやつの部屋でゲームをしたり、DVDを見たり、俺たちは大学生らしく有り余った時間を過ごしていた。
しとしとと降る雨の音を聞きながら、もうやることもなくなって手持ちぶさたになった俺は、やつのベッドの上で天井をじっと見ていた。タバコのにおいが充満する部屋の中で、すーっと深呼吸をする。
「くせえ」
「なら息すんじゃないよ」
無理難題を押し付けられたのは無視して、ベッドの脇に座り込んでタバコをぷかぷかしているやつを見つめる。こんな臭い煙を吸って吐いて何が楽しいのか。一度そう聞いたらボケてんの?と真面目に聞き返されてしまったので、今はもう何も言うまい。
「吸ってみれば?人生変わるよ」
「どんな風に?」
532