紅に染めて染め上げて 「一号、貴方と一緒に出かけられる日ってないかしら?」
「何かあったのか?」
ようやく心身共にある程度調子が戻ってきたので、少しずつ動き始めることにした。
「そろそろ社会復帰に向けて少しずつ動き出そうかと思って。必要なものを買ったり、いらないものを処分したり…まずは簡単なところから、ね?」
「そういうことであればヘド博士にお伺いして近日中に行けるように調整しよう。荷物持ちは任せてくれ」
いつもの生真面目な顔でそう言うものだから、今日も私は笑ってしまう。
「理由があってのお出かけなのは確かだけれど、そこでデートみたいって発想に行かないあたりまだまだばぶちゃんね」
せっかくなので丁寧に説明してあげれば、見慣れた赤が一瞬で彼の顔面を支配した。
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