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    Na0

    雑文をポイっとしにきます🕊

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    Na0

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    ロダンテさんとロレルさんの出合いを考えてみた。覚書。

    ロダロレ 海はあまり好きになれそうになかった。
    認めたくはないが、山育ちなもんで恐怖すら感じる。
    波にさらわれて、何か大切な物を失いそうだったし、べっとりまとわりつく風も、においも、慣れなくて不快だった。
     今思えば、地面に足の付いてない自分の自信のなさからくる物だったろうし、正直、旅に疲れていたんだろう。
    この国を左回りに巡る旅も終盤なのに、何も見いだせない自分への苛立ちと絶望だった。
     しかし、それは眼を射す波間の煌めきの様だった。
    何気なく道を訪ねた彼女が振り向いた。
    「なんね〜」
     聞き慣れない訛。
    それすらも軽んじていたのに、声が女神の琴音の様に耳に響く。
    小麦色の肌と黒髪の艶やかさ。
    他所人と分かると、少しだけ距離をとって、それでも細められた瞳。
    「何か困った事でもあったかいね、旅の人」
     尋ねられて、何も答えられない。
    自分から声をかけたのに、少し前に頭に浮かんでいた疑問は、潮風に運ばれて、もうどこか彼方へと吹き飛んでいた。
    「大変。具合でもわるいさね」
     乾いた口がヒリヒリとして、舌がから回る。なんとか言葉を探す。
    「ぼくはロダンテ。……ハテノから来た。君の名前を、聞いてもいいだろうか?」
     駆け引き?そんなもの知らない。
    ただ彼女が本当に存在するのなら、何か。何でもいいから確かめたかった。
    「わたし?……旅の人、そんな事知ってどうするさ」
    「……わからない。でも君の事が……知りたいらしい」
    「おかしな人さね」
     ふふふ。と彼女ははにかんで笑った。
    周囲を見渡して、からそっと小さな声で応えてくれた。
    「あたしは、ロレル。はじめましてさ〜。ロダンテ」
     それが、未来の妻になるロレルが、ぼくの名前を初めて呼んだ瞬間だった。
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    Na0

    DOODLEゼルダが戻った砦が大騒ぎになって、全種族揃って宴会する話。
    4種族そろうのってなかなかないと思う。ゾーラなんて特に清水がないと駄目だし。そんな中でうまれた料理に、自分の成した事を見出してほろりとする事があっていいなぁと…思ったらくがき。
    ゼルダが戻った砦が大騒ぎになって、全種族揃って宴会する話 その日、ゼルダの帰還に砦は歓喜に沸いた。
    鳴り止まぬ彼女を称える声が鳴り止まない。
    リンクは集まる人々からゼルダを守りつつ、自らももみくちゃにされ、多くの物が彼の腕を、その背中を叩いた。
    「よくやった!」と、そう誰かが言った。リンクの胸が熱くなる。
     リンクとゼルダがようやく中央まで進むと、「どいてっ!ちょっとどいてよっ」と、突然プルアが人垣を押しのけて現れゼルダに抱きついた。
    涙を浮かべるプルアにゼルダは、感謝を口にしてその体を抱きしめかえした。
     その光景に、地下の梯子によじ登り氷柱に顔を出した者達も腕を振り上げる。
    「ゼルダ様、万歳!」
    「ハイラルに安寧を!」
     皆が口々に叫ぶ。
    この数ヶ月、誰もが不安の中、できる限りの務めを果たした。ここに──この世界にいる誰しもがそうだった。そこにゼルダは、百年前と変わらぬ命の輝きを見た気がした。
    1808

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