-バイカラーサファイアの行く先へ-奏薫一注意書き一
※センチネルバースパロディ
※薫→ガイド/奏汰→センチネル
※奏汰、薫共に痛い思いをする描写あり
※薫の御家族の想像設定あり。
※奏汰に対して酷い事をするモブが出ます。
※軽微な体調不良表現があります。
*目次*
—注意書き、目次、用語説明—
夢ノ咲編
—Kの独白—
—ぷろろーぐ—
—みせるということは—
—自分勝手な気持ち—
—Kの独唱—
—なみがながれるように—
—親愛なるMへ—
—Kの独白—
ES編
—夢みたいな時間—
—混じる色、黄色と青の—
—Kの独唱—
—消えた温かさ—
—守るために—
—バイカラーサファイアの行く先へ—
—たったひとりを見つけたKのモノローグ—
—えぴろーぐ—
↓独自設定もありますが知らない人もいるかもなので一応こんなものだよーという用語載せておきます〇(本文にもあります)
用語説明
※独自の設定を混ぜている部分も説明してます。
*センチネル
主に五感(視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚)が全てが優れた人間の事。その中からも一人一人特に優れた力がある。
*パーシャル
センチネルと違い五感のうちの1つから複数の力が優れた人間の事。夢ノ咲にはパーシャルの人間が多数いる。
*ガイド
センチネルやパーシャルを導く存在。彼らが日常を生きるためにサポートを行える。
主な役割は力の沈静化とシールドの修復。メンタルケアの役割を担っている。
*シールド
ガイド、センチネル・パーシャル共に心の中に盾のようなもの。シールドがある事で力を使っても力を制御出来、しんどくならないように日々生活を送ることが出来る。シールドは能力者本人かガイドにしか直せない。シールドが完全に壊れると廃人と化してしまう。
*野生化(やせいか)
パートナーが何かしらの危機的状況に陥った際にセンチネルやパーシャルがスピリットアニマルと一体化する現象のこと。一度野生化するとガイドにしか解消出来ず、強いメンタルケアが必要となる。最近はパートナーのいるセンチネルやパーシャルを無理やり野生化させるという事件が多発している。
*仮契約
本契約前の仮の契約。本契約(番)ほどの拘束力は無い。番とは違い契約を解消する事が出来る。所謂お試し期間のようなもの。但し基本的にガイドには選択権はなく、センチネル・パーシャルが許可した上での契約しかしてはいけないため、許可を得ずにした場合は犯罪になる可能性が非常に高い。
*本契約(番契約)
センチネル・パーシャルにとって一生に1度の契約。身体的拘束力も高く、1度番になるとセンチネル・パーシャルからは解消は出来ない。契約すると番の瞳や髪色等の番の色がお互いのスピリットアニマルに表れる。スピリットアニマルは番が居ない人はどの動物でも全身真っ白だが契約すると色が現れるため、見た目で分かるようになっている。
↓次の行から本文サンプルです!
全文載せてるものもありますし一部抜粋、冒頭部抜粋等色々〜です☺️
Kの独白より(全文)
進むべき道も、どうするべきかも、分からなかった。
でも守りたい、そう思ってしまった。
たとえ嫌われても、離れても、それでも、良い。二度と大切な人を失うぐらいなら。
——Kの独白——
ぷろろーぐより(全文)
——ぷろろーぐ——
『薫ちゃん』
『なぁに?お母さん』
『薫ちゃんはこれからきっと沢山大変な思いをするかもしれないわ。あなたのガイドの能力はとても…稀な力だから…』
お母さんの言っていることがよく分からなくて首を傾げてしまう。
『……こまる…?』
『ええ……ごめんね、薫ちゃん…。かわいいかわいい大事な薫…』
お母さんは頭をそっと撫でてくれた。その手は暖かくて優しかった。
『ねぇ…薫ちゃん。もし、貴方にとってたった一人の大切な人が出来たら』
綺麗な俺の『おもいで』
「羽風さ〜ん。すみません、お願いします」
白部屋の中から声をかけられて、俺はそれに返事をする。そして、その部屋の扉に向かった。
コンコンと足元から聞こえるローファーの音だけが廊下に響く。この時間はあまり好きじゃない。
真っ白の扉を開ける。こんにちはと声を出して
うん…今日もお仕事の時間だ。
-
奏汰っ!!奏汰お願いだ!俺のガイドを受け入れてくれっお願いだっ!!
深海先輩!深海殿!深海先輩!
頭が割れる。痛い。苦しい。音が多くて、痛い。
誰かに体を触られるのを振りほどいて、ぎゅうっと体を縮ませる。
「ぁあぁぁあああっ……ああぁ、いや…いたい…」
音が、声が、何もかも全部が近くて苦しくて。誰……誰か。いたい、いたいです。力が、力が制御できない
音がザーザーと沢山聞こえては破裂して、爆弾のようにぼくの体に降り注いでいく。
真っ黒な闇の中で稲妻のように痛みだけが襲ってくる。耐えられない、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いっ!!
突然辺りが光った。
チカチカと世界が照らされて、激痛にしかなりえなかった声が遠のいていく。ゆっくり、徐々に、痛みが遠のいていって。まるで何か大きな膜で守られてるような。
痛く…ない?
暗がりだった世界が明るくなっていって、何かを伸ばされる。ぼくは必死にそれを掴もうと
"奏汰くん!!"
手を伸ばした所で意識が途切れた。
みせるということは、より。(冒頭抜粋)
夢ノ咲学院。アイドル養成学校。ここはそう呼ばる少し変わった高校。
そしてこの学校には、もうひとつの顔がある。
この世界には
——五感が全てが優れている『センチネル』——
——五感のうちの一つが優れている『パーシャル』——
——センチネルとパーシャルを導ける『ガイド』——
と呼ばれる人間たちが居る。
俺、『羽風薫』は一般的に言われるガイドと呼ばれる人間だ。
夢ノ咲学院はアイドル養成学校としても有名だけど、全国各地から特殊能力を持つ俺たちのような人を集め育成する、いわゆる別の顔を持っていた。
パーシャルもセンチネルも数が少なのだけど
この学校には何人かセンチネルの生徒が居て…
俺たちの学年だったらセンチネルは『朔間さん』『奏汰くん』『日々樹くん』の三奇人と呼ばれる三人と、A組だったら『三毛縞くん』や『斎宮くん』、B組だったら『月永くん』もそう。彼らはパーシャルと呼ばれる存在だ。
そのセンチネル達は厳重に管理、教育され、次世代を担う人物として排出される。
そして、センチネル達と同じぐらいに数の少ない俺たちガイドも『お仕事』と称して、数々のパーシャルやセンチネル達のガイドをした。
心を見せるガイドのガイディングは……常に自分を晒しているようで苦手だ。
そして、能力者たちも、俺は好きにはなれない。
これから先もきっと好きにはなれないだろう。でももし大切な人のためにこの力が使えるのなら俺はきっと……そんな風に淡い期待を描いていた。
自分勝手な気持ち、より(一部抜粋)
「どうして…?」
「『めいわく』でしょう…?それに『かおる』は…『がいど』のちからは『すき」じゃないと『いぜん』…」
奏汰くんは少しだけ目を逸らしてそう言うと、じっと自分の手の甲を見た。
この子は…自分じゃなくて俺の心配をしているのか。本当に…どこまでも『おひとよし』な人達だ。守沢くんも、奏汰くんも。
——薫ちゃん、ごめんね——
ベッドの上で、どんどん動かなくなる体を擦りながら申し訳なさそうに笑うお母さん。
そんなお母さんにすまないと謝り続ける父。
お母さんもお父さんもどちらも悪くない事を俺は分かってた。
泣き叫ぶお兄ちゃんと、お姉ちゃんも
まだ幼くて、母のために何も出来なかった俺自身の事も。
こんな優しい子に、あの人みたいな最後を?
また、あんな気持ちを味わえと?
「奏汰くんはさぁ……『センチネル』や『パーシャル』の力に飲み込まれた人の最後を知らないからそんな風に言えるんだよ」
「さいご…?」
「うん。センチネルやパーシャルの最後だよ」
奏汰くんの手を握りながら話す。みっともなく震えていたかもしれない。
「どうしようも出来なくなって、痛みさえ抑えられなくなって、ガイドの力も通らなくて…少しずつ、少しずつ、弱って、眠るように空に行くんだ」
「俺はそれを…知ってる」
奏汰くんは俺をまっすぐと見る。俺の言葉にぴんと来ないようで、俺を見て困ったように笑った。
Kの独唱より(全文抜粋)
あおい、あおい、ぼくのせかい
あおく、きれいな、ぼくのいばしょ
ひとりでずっと、まもってきた
ぼくのたいせつな、せかい
ぼくだけのたいせつな
——まりんぶるう——
きらきらと『せかい』がひかる
このいろは、だれのいろだろう?
あおいっしょくの『せかい』のなかの、『きらきら』はふりそそいできえていく。
このいろ、ぼくすきです。
とてもきれいで『あたたかい』
あたたかいゆりかごに、まかせてゆれて、きえていく。このひかりはぼくのたいせつな…
——Kの独唱——
親愛なるMへ、より(一部抜粋)
※暴力表現あります
「俺ある意味、君には叶わないかも」
「なんだ藪から棒に……」
「なーんにも。うん…ありがと、守沢くん」
奏汰くんの事を守沢くんと話していると、ガラッと大きな音が聞こえた
「あっ三毛縞さん!今日は来て…」
「薫さん」
三毛縞くんは話しかける守沢くんを気にも止めず俺の所まで歩いてくる。
「なに…?」
三毛縞くんは俺の座っている椅子の前まで来てそのまま俺の事を上から見続ける。
突然腕が伸びてきて胸ぐらを掴まれそのまま持ち上げられた。
「ぐっ…」
「三毛縞さん?!なにを!」
椅子から身体を持ち上げられてそのまま首元付近を締められる。
「みけっ…じまくん。離してくれ…ないかな?」
「ははは!君は奏汰さんになにをしたんだあ?」
「パートナー…契約をした」
「本当だったのかあ…」
話す度に首元が閉まっていく。シャツ1枚で全体重を支えているから、首元が痛い。徐々に息が吸いにくくなっていく。
「奏汰さんから経緯は聞いた。薫さん。君がガイドならその行動がどういう事かわかっているのだろう?なら俺が怒る意味も分かっているはずだぞお?」
「そう…だね。解ってる。解ってるよ」
三毛縞くんの握る手の付近を強く手で叩く。
「手を離して…」
三毛縞くんは俺から手を離して俺は椅子の上に落ちる。落ちた衝撃と首元を締められていたせいで何度か激しく咳を繰り返していると守沢くんが背中を何度か摩ってくれた。
「羽風大丈夫か?!」
「げほっ……はっ…だい…じょうぶ…」
「三毛縞さん!いくら何でもやりすぎだ!」
「やりすぎなのはそこにいる薫さんだろう?」
「それは……」
「けほっ……いいよ守沢くん…無理に庇わなくて…」
・・・中略・・・
ガラっと保健室のドアが開く
「奏汰さん」
「みけじま」
みけじまがドアの前に立ったままこっちには入ってこない。後ろには『あかおに』さんと『おてらのひと』が立っていた。あの人たち…ぼくが自分で探すと言ったのに。はぁ…とため息がおもわず出る。
「なかに『はいって』きたらどうですか?」
「三毛縞。行けよ」
『あかおに』さんに言われたあと、みけじまは静かな足取りでぼくの方に向かって歩いてきて、そのままぼくの隣に置いてある簡素な椅子に座る。ぼくの方を見ずにかおるを見ていた。
目を閉じてベットで休むかおるを見たみけじまは少しだけほっとしたような顔をして、かおるのふわふわとした髪を少しだけ撫でた。
「みけじま」
奏汰は三毛縞の方を向いておもむろに手を上げる。
「奏汰さん。どんな罰でも受けよう。俺は君のパートナーを」
斑の話を無視して奏汰は振り上げた手を勢いよく振り落とした。
ズドンッ
「いっ………っ〜っっ」
奏汰に勢いよく脳天にチョップをされた斑は頭を抱えて蹲る。後ろで見ていた佐賀美や蓮巳はうわっ…と小さな声でいい、鬼龍はやるじゃね〜かと笑いながら言っていた。
「いたいじゃないか…!奏汰さん何もいきなり……」
「かおるはもっと『いたかった』ですよ」
「っ……それは…すま」
「『あやまる』のはぼくにではありません。かおるに『あやまって』ください」
ここからES軸↓
夢みたいな時間、より(一部抜粋)
「かおる〜♪」
「奏汰くん。今日はお仕事?」
「はい〜♪いまかららじお『ばんぐみ』に『しゅつえん』してきます♪」
「あはは♪それは楽しみだね」
「かおるは?」
「俺?俺は……」
他愛もない話を奏汰くんと繰り返す。星奏館のリビングで話していた。今は朝の9時、時間としては少し遅い朝だろう。俺の予定を話終わると奏汰くんは少しだけ屈んだ。俺はそれに吸われるようにそっと手を頭の上に乗せた。しばらく撫でてあげたら、満足したようににっこりと笑った奏汰くんは俺の名前を呼ぶ。
「かおる〜♪」
「はいはい。奏汰くん、最近お互い忙しくてあまりガイド出来てないけど、しんどくなる前にちゃんと俺に言ってね?見かけたらするようにはしてるけど……」
「くすくす…♪ありがとうございます〜♪いまのところは『もんだい』なさそうです♪」
ぶいっ!と効果音を自分で言いながらニコニコと笑う奏汰くんをもう一度撫でてあげた。
「そっか♪奏汰くんは明日おやすみなんだっけ?ゆっくり休んでね」
「はい〜♪あしたは『いちにち』おやすみです〜♪あしたはずうっといきたかった『すいぞくかん』にいく『よてい』なんです♪」
・・・中略・・・
お決まりのポーズとセリフをする奏汰くん。小さな男の子とその子の手を持つお母さん。奏汰くんをみて小さな男の子がブルーだと大きな声で言う。そんな男の子に奏汰くんはしぃ〜っと言った後、きょうはおしのびなのですよ♪と言ったら、おしのび!と小さい子も一緒に言った。
「すみません…この子、奏汰くんが大好きで…」
「あらあら〜?『れっど』でも『ぶらっく』でもなく『ぶるー』のぼくですか?」
奏汰くんが問い掛けるとうん!と大きな声で言った後、男の子は首を盾にして振る。手を繋いでいたお母さんが少し照れくさそうにして笑って言った。
「私が流星隊の…ブラックのファンで…この子も良く流星隊の野外ショーやライブに連れて行ってあげていたんです。そしたら…」
「おれ…おれブルーが大好きなの!ブルーにあえてうれしい!」
なるほど、お母さんの影響か〜。
奏汰くんは小さなファンにハイタッチをしたり、手握ってあげたりしていた。そっか、流星隊小さなファンの子達も沢山いるんだ。
「ぶるー♪ぶるー♪ぷかぷか〜」
「あらあら〜ぼくの『くちぐせ』ですね〜」
奏汰くんはそんな男の子と一緒にぷかぷかと言っている。なんだろうこの空間、かわ…えっ…かわ…かわいい…。
混じる色、黄色と青の、より(一部抜粋)
——深海くん。薫くんにお主の気持ちはきちんと伝えておるのかえ?——
そんなふうに『れい』に言われた。直ぐに伝えてますよ、とも答えられなかった。あの日から当たり前に一緒に居たものだから、今更何も言わなかった。ぼくは伝えたつもりだったから。でも『かおる』は違うかったらしい。
——深海くん。言われぬと人は分からぬものじゃよ——
そう言った『れい』の顔は『しんけん』そのものだった。れいはそれ以上は何も言わなかったけど、『れい』は『かおる』から何かを聞いていたのだろうか?
「はぁっ……つ……はぁ……か…おる…」
「はっ…奏汰くん…」
かおるはぼくをぎゅうっと抱きしめた。表情が見えなくて戸惑って、手だけが空に惑う。
「かお…る?」
「ずっと、ずっと不安だった。だって、俺のエゴだったから、俺がただ奏汰くんに生きて欲しかった。ただそれだけだったから、俺の事を受け入れてもらおうなんて思ってもなかった。俺の勝手だから、だからいつか離れる時が来てもいいようにって、思わないようにしてたのに」
かおるの手は震えていた。ぼくの事を傷つけないように優しく、でも力強く抱きしめる。
消えた温かさ、より(冒頭抜粋)
キラキラとペンライトが光る。輝いて綺麗で、大好きな景色。隣を見渡せば、ちあき、みどり、てとらにしのぶ。自分にとって大好きで大切な人達がいる。あか、あお、きいろ、みどり、くろ、そしてむらさき。
ぼくたちの『いろ』が、ステージの上からも、客席からも降り注いでぼくたちを祝福する。
近くで歌っていた千秋がぼくの方にきて、肩を組む。ちあきの方を向いて笑うと客席から歓声が上がる。くるりと2人で振り向くと後方の画面にぼくたち2人が映っていた。
載せられるのこの辺までです〜!締切まで色々頑張ります!