-do neither harm nor good- 供養セリフ集1、千秋+奏汰
スコルピオの話をする千秋と奏汰
2、薫+奏汰
被験者たちが家族と再会した時にどうなったかを話す奏汰とそれを聞く薫
3.千秋+薫
スコルピオの今後の話をする千秋とそれ聞く薫
1、前編挿入予定だったシーン
「ちあき〜♪おつかれさまです」
「奏汰!事務所を任せっきりですまない!」
千秋ぼくの方に向かって歩いてくる
「それはぼくの"せりふ"ですよ。ぼくがほんとうはうごくべきなのですけどね。ごめんなさいね、ちあき、ありがとうございます」
ぼくがそうやって言うと、千秋は腰に手を当ててニカっと笑う
「いや!構わないぞ!適材適所というものだ!」
「それにスコルピオの相手は正直お前しかできないからなぁ……俺たちだと口すら聞いて貰えないし…」
困ったように笑いながら話す千秋
「そうですねぇ…ちあきたちとはおはなししてくれませんね?」
スコルピオさんはぼく以外とはお話をしない。
以前、忍や鉄虎に少しの間見てもらっていた時に話しかけたら話しかけないでくれる?っと返されたらしく、2人がしょんぼりとしていたのだ
「まあ…お前の事を多少は信用して話してくれているのならそれでいいんだがな…。誰にも何も話さないとなるよりはいい。それでスコルピオの様子はどうだ?」
「からだは"なおって"はきていますよ」
「そうか!それは良かった。経過観察と言う名の報告は高峯から聞いてはいるのだがな!実際に関わっているのは奏汰だけだからなぁ…」
高峯も話しかけても返事が返ってこないと言っていたし…と千秋も話す
「うーんでもからだだけですね〜…こころのほうは、なかなかむずかしいですね……」
「そうか…」
「はい〜…というよりも…あれはひとがこわい…がちかいでしょうね…。ねているときいつもうなされています。いたい、やめろ、おれはしらないと。ぼく、みていられなくて…すこるぴおさんをおこしてしまうときがあります…ほんとうにくるしそうで…」
スコルピオがそんな事を…と千秋は言っていた
「じかんがかかるとはおもいます…ぼくも、はなしたくないというきもちもわかるので…。
ただ、そのあいだに、すこしでもかれの"てがかり"をさがせるといいのですけどね…」
「うむ!そっちに関しては俺に任せていて欲しい。ただ、探す量が膨大でな、仙石や南雲、高峯と協力して探しているのだが……中々に手がかりが見つからない」
「てとらとしのぶ、みどりまで…みどりにはちりょうまでおねがいしているのに…。
ぼくこじんのきもちにつきあわせちゃってごめんなさい…」
「気にするな、奏汰。奏汰も気が気じゃ無いのだろう?自分と同じ思いをしてるかもしれないスコルピオを見捨てられない…そうだろ?」
「俺も、罪のない人を裁きたくは無い。スコルピオに、奏汰と、お前と同じ可能性がある以上、調べられる所までは調べる」
「ちあき、ありがとう…。ちあきはたのもしい"あいぼう"ですね…。よろしくおねがいします、ちあき」
「勿論だ!うむ…しかし、せめて名前さえ解ればもう少し範囲を絞れるのだが…。奏汰名前は聞けそうか?」
「う〜ん…なまえ……ああ……そういえば、すこるぴおさんのなまえかはわからないのですけど…すこるぴおさんがもっていたぺんだんとのうらに、K.Hとかいていて…手がかりになりそうですか…?」
「K.H…イニシャル…か?うむ…」
「すこるぴおさんのもの、とはかぎらないので、もしかしたらちがうかもしれませんが…
ただ、かれのもちもののなかにあったものでなまえらしいものはそれしかなかったので…」
「うむ…!わかった。行方不明者の中にK.Hのイニシャルの人がいないかもう一度調べよう。情報をありがとう奏汰!」
「こちらこそ。たいへんなことをまかせっきりで…」
「気にするな!お前にはスコルピオの世話を頼んでいるしな!
じゃあまた、何か分かったら連絡する」
「はい。お願いしますねちあき」
-後編より-
家族に再会した被験者たちがどうなるかをスコルピオに話す奏汰のシーン
(セリフは出てきませんが奏汰くんが零くんのお話をします)
「ぼくたちのなかでも、かぞくにさいかいできるひとは、ほんのひとにぎりです。ごきじんのみんなもかぞくとさいかいできたのはれいだけです。
それほどまでに、みつからないんです。ゆくえふめいしゃになまえがのってない"ばあい"だってあります」
「ただ、かぞくにあうのにはそれ"そうおう"のりすくがあります。
れい…には"おとうと"さんがいます。
れいは、ゆいいつ"にくしん"のおとうとさんにあったことがあるんです」
「ただ……そのときにれいは、おとうとさんをみたとたんさけんで、"たおれ"ました。うつろになきながらくるしそうに。やめてくれってなんどもさけんで、じぶんのからだをかきむしって。たおれたあと"いっかげつ"ほどめをさまさなかったれいは、めをさましたとおもったら、おとうとさんにあったことをわすれていました。」
「ぼくたち、ひけんしゃは…きおくをけすほどにくるしいじっけんをなんどもなんどもうけています。
たとえそれをぼくたちがおぼえていなくても…こころはおぼえています。
そして、そのじっけんのきおくがうすくなることでなんとか、じがをたもっている…そんなじょうたいなんです。
だから、かぞくにあうということはそのじっけんのひびよりまえのきおくをおもいだすことになって…そのきおくとともに、ぼくたちのうけたものもおもいだす…のでしょうね…」
「じっけんのきおくをおもいだして、こころがもたなくなる、かのうせいがあります。
れいは……おとうとさんにあったことをなかったことにすることでなんとか、たもちました。
ぼくたち、ひけんしゃはみなそれぐらいふあんていなんです」
「ブルーも同じようになるの?」
「ぼくは……ぼくはかこのことをはなそうとすると、むねがくるしくなって、いたくなって…おもいだしてはいけない、そんなきもちになります。
ぼくにはかぞくはいません。だかられいのきもちがすべてわかるわけではないですが…でもおもいだすのがくるしいきもちはわかります」
-後編-
今後の話をする千秋とスコルピオのシーン
(スコルピオに生きてくれと千秋が言った後に入れるつもりでした(さすかに長くなったので切ってしまった…)
「それから、お前の今後についてだが……
朔間、UNDEADの朔間から、能力的にもこちらに来た方が生きやすいのでは無いのかという話が出てな。
もしお前がこのまま流星隊にいるならそれでも構わない。奏汰もいる事だしな!
ただ、朔間の率いるUNDEADはお前と同じように組織の被害者が一定数所属している。お前と同じように街では生きにくい様な強い能力者も多い」
すこるぴおさんはきょとんとしている。
千秋もその様子に気がついて
「ああ…すまない、UNDEADをそもそも知らないか?
UNDEADは国にも民間にも属さない、ただそこに有るだけの組織だ。
俺たち流星隊のように市民のために動く訳でもなく、国のように統治する訳でもない。
ただそこにあるだけの組織」
「まあいわゆる中立組織という物だな。どこにも属さずどこの味方もせずだ。有事の際に頼まれれば動くが、基本的には動かず傍観する。そういう居場所だ。UNDEADには扱いにくい能力を持つ者も結構多くいてな。それらも考慮して能力を使う事を何かから求めてはならないという決まりがある。そして能力を使うことは本人の意思に任せるそういう約束を個人個人が国、そして朔間としている」
「お前は自身の能力が人を殺すような能力だと言ったんだろう?」
「それは……事実でしょ…」
「ああ、そうだろうな。お前がもし流星隊にいれば能力を使うことを求められるだろう。流星隊はそういう機関だからな。ここに居たら能力者として生きる事になる。
だがUNDEADは違う。何者にも求められず何者にも属さない。だからこそお前のように扱いにくい能力を持つものは過ごしやすいと思うぞ。
正にも悪にもならないからな。ただのお前として過ごせるはずだ」
「お前の力は正しく使わなければ人の害になる。けど正しく正確に使えば誰かを助けられる薬になるだろう。
薬は使用方法を間違えれば毒になる。なら、毒も正しく使えば薬になる。
使い方さえ学べば、お前の力になってくれるはずだ。そしてその力は誰かを守れる…かもしれない」
「なにそれ……すっごい屁理屈…」
「ははっ屁理屈で結構だぞ!
直ぐに前向きになれとは言わない、だが考え方を少しずつ変えてみればいい。お前の力は誰かを傷つける、それだけのためにある訳じゃない。
お前のその力でお前が誰かのヒーローになる日が来るかもしれないからな!」
「レッドあんたさぁ……馬鹿じゃないの本当……」
「バカで結構だぞ!
それで誰かが笑ってくれるなら構わない!」
するとスコルピオさんはそんな千秋をみて笑って
「お前がそんな顔をしているのは初めて見た気がするがそうか……そんなふうに笑うんだな」
「………うるさい…」
照れくさそうに返事をしていた