ごはんを食べよう25二人、席に着いて手を合わせる。
「いただきます」
「いただきます」
シチューのジャガイモは半分くらいが煮崩れ、とろけていた。見た目にこだわるなら別で茹でたものを入れるべきだったかもと思いつつ、イソップはジャガイモを口に含んだ。
ジャガイモがルーと混じり合って甘く感じる。
にんじんも、ベーコンも、玉ねぎも、それぞれがお互いを引き立てていて、噛み締めるほどに少ししょっぱい甘さが口中に広がった。
「このくらいとろとろのジャガイモ、好きだな」
焼いた食パンをさくりと齧り、シチューを飲んでイライはにっこりと笑う。
イソップへのフォローなのかと一瞬思ったが、その食べっぷりは本当に美味しく思っている人のそれだ。
イソップはほっとして、自分も食パンをちぎって食べた。
「美味しいね、イソップくん」
「はい、とっても」
サラダはドレッシングをかけただけなのに絶妙な味で舌を楽しませてくれる。ごまドレッシングはここに来てから特にイライが好んでいるドレッシングだ。
甘くて美味しい。
サラダを食べ終わり、シチューを飲む。イライはおかわりをして二杯目をよそった。
席についたイライに、イソップは「イライ」と話を切り出した。