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    視力検査のC

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    視力検査のC

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    領主ジョナさんと教皇DIO様の話(ツイログ+α)②

    ①の続き。

    領主ジョナさんと教皇DIO様の話(ツイログ+α)②

    ①の続き。


    (その時僕は大都市の光景に目を奪われるばかりだったかな…大きな街に出かけるなんてそう滅多にあることではないし、初めて目にするものが沢山あって、馬車の窓に張り付きっぱなしだった。馬車が横に4台も通れるほどの広い道路で、何百もの人々が行き交い、道端のあちこちからは吟遊詩人が英雄譚を朗々と語る声が聞こえる…街の迎賓館に着いて馬車から降りた後も、僕は辺りをよく見回していた。迎賓館では地方の名士が他にも大勢集まっていて、父は彼らとの会談に出席したのだった…勉強のためにと父は僕をも招いてくれ、何人かの有力者たちに紹介してくれた。僕はたどたどしいながらも席の者皆に挨拶を済ませ、大人たちの小難しい会話を何とか理解しようと努めた。その時に僕は、上席の方に、とても若いが上等な身なりの青年が座っているのに気が付いた。彼は会談の最中に何度か意見を述べることもあり、他の有力者たちにも彼の言葉は重んじられているように思えた。僕はてっきり彼のことを誰それかのご子息なのだと思っていたから、仲間意識を感じて、会談の後に握手を求めに行った。大人たちの会話の中の、彼の名前を思い出しながら、確認するように尋ねたのだった…『あなたはディオ・ブランドー氏ですね?』と……その時に差し出した僕の手は、冷たい目をした彼によって振り払われてしまったのだけれど)

    「……もしやあなたがあの時に出席していた学生さんなのでしょうか」

    ジョナさんは訝しみながらも恐る恐るDIO様の方を見上げて問いかけるよ

    「もっと小ざっぱりとしていた気が痛たたたた」

    ジョナさんはうっかり余計な一言を付け加えてしまったために柔らかな頬がDIO様に抓られてしまうよ
    どうやら学生時代の教皇DIO様はディオ君寄りの外見だったみたいだぬ。DIO様はジョナさんのほっぺたを爪でぐりぐりと詰り続けるよ

    「あれから十年の時を経ているとはいえお前の記憶力はつくづく貧弱だな……このDIOの至上の美貌を覚えていられないものとはな」



    突然だけど、ちょっとこの話の世界観について注釈入れておきたいことが出てきたから解説パートに入るね  ここは別に読まなくても良い部分だよ
    この世界の教会のモデルは一応ローマ・カトリック教のものということにしてるんだけど、なんせ教会組織トップの教皇がDIO様なので教義はかなり独特の解釈が為されつつあるよ つまりキリスト教とは別モノの宗教になりつつあるよ
    その独自解釈のうち最も問題視されるのが教皇の地位についての項で、簡単に言えば、この話の教皇DIO様は御自身を限りなく神様に近い存在だと考えているよ 名実ともに当時のヨーロッパ世界における独裁的な権力を手に入れたことでその確信は強まっているみたいだぬ あっ一応この話のDIO様はまだ人間だよ
    ローマ・カトリックでは、公式では、聖書中の(初代教皇の)ペトロがイエスから天国の鍵を授かったとされる記述(マタイ,16:18-19)を教皇権の根拠としているんだけど(これは事実)、DIO様は「俺が法だ」を公言こそしないものの鉄槌と流血の裁きでもって積極的に実演しているよ(白目)
    つまりこの話のDIO様は一種の恐怖政治を行っているんだぬ…制度に少しずつ手を加え、表立って逆らう者は適当な理由を付けて処分、わずかな変化に疑惑を抱いた者も(意識的にせよ無意識のうちにせよ)閉口してしまう...そんな政治を行っているよ 息が詰まりそうだぬ
    アッアッ恐怖政治といってもあくまでDIO様が睨みを利かせられる範囲でだけどぬ もちろん教皇庁の内部でもDIO様の悪事の証拠を集めようと頑張ってる人はいるんだお 教会の外にもそこそこ力のある諸侯がDIO様を退位させようと秘密裏に動いているみたいだぬ
    しかし教皇DIO様はもちろんここでも純粋で真面目な人にはお優しいお 特に日々の祈りや執務に熱心に励むような人にはね だから教会の教えとDIO様を素直に信じて働いているような聖職者や信者にとってはすごく快適な宗教が作られつつあるんだお
    はい長ったらしい説明これでおわり!



    さてジョナさんは自分を見下ろすDIO様の目が笑っていないことに気付くよ DIO様はジョナさんが昔の出来事を思い出してくれてお慶びなのかと思えばどうやらそうではなかったご様子。静かな怒りと熱を湛えた目を見てしまい、ジョナさんは身の安全が再び危うくなっていると気付く

    「うっ……ブランドー卿、無礼をお詫び申し上げます……以前に面識がありましたとは気づかず、お恥ずかしい限りです(なんで僕が謝っているんだろう)」
    と形だけでも謝ろうとするよ そんな風に身を竦ませるジョナさんにDIO様はお気を良くされたのか、
    「謝罪するならそれなりの礼というものが」「なっなんで服の下をまさぐっているんですか!やめてください!」
    とジョナさんへのセクハラを諦めなかったよ ジョナさんはありもしないところに手なり指なりを突っ込まれて涙目になってしまう
    「ほ、本気なのか……よくもそんなところを触ろうだなんて」
    DIO様はその言葉には返答せず、淡々とジョナさんの服を脱がせて先に先にと愛撫を進めていく ジョナさんをうつ伏せにするなりして前の性器を弄りつついよいよ後孔を解しにかかるよ 尻臀を左右に割り開き、唾液で濡らした指でつつき始める もう片方の御手は時おり玉袋を転がしたり、筋肉の発達して柔らかなお尻を揉んだり そうしているうちになんやかんやで中指が第二関節まで入るようになったので、内壁を擦りながら拡張しようとするよ 別にここまで具体的に書かなくても良かったね
    「……ひッ...やめ……っ、舐めないでくれ!」
    ジョナさんは頑張って怒りの声を上げるけれどDIO様は鼻歌交じりで楽しそうに前立腺を探り当てようとするよ ジョナさんは理解不能な教皇の行動に訳が分からなくなってしまうよ ぞわぞわと背筋を這い上がって来る快楽と己への扱いのあまりの理不尽さとに、ジョナさんは漏れそうになる声を押し殺して蹲りながら耐えようとする
    「ウッ……酷い……どうしてこんなことを」
    DIO様だからだよ
    「あッ…ッー!」



    ……んで、えっとまぁ、こんな感じでジョナさんは謁見の間で散々にお体を暴かれた後もDIO様の寝室(御息所と書いた方が良いのかな)に担がれて美味しくいただかれたみたいだよ
    憔悴して目を赤く腫らしたジョナさんが謁見の間を出て別室で待機していたワゴンさんと会うと、頭を抱えながら一連の経緯をこんな風に説明し出したよ
    「君には本当に申し訳ないが、僕は、僕は、教皇を説き伏せることができなかった…!」
    「んなことよりジョースターさん!一体何があった!?」
    「正直なところ僕にも何が何だかさっぱり…よく分からないうちに弄ばれてしまったとしか…教皇は僕の想像を遥かに超える恐ろしい人物だということは身に染みて理解できた」
    目を伏せながらしみじみと述べるジョナさん。酷い目に遭ったはずなのにイマイチ深刻さに欠けるジョナさんに、ワゴンさんは青ざめるやら怒りで赤らむやらで忙しかった
    「そんなんで良いのかよジョースターさん!貧民街育ちの俺には一目で何があったかハッキリと分かったぜ!エンジン音だけ聞いてブルドーザーだと認識できるようにハッキリとよォ!」
    「この時代にブルドーザーはないよスピードワゴン」
    とジョナさんはワゴンさんにレイプ被害を報告するよ しばらく議論が白熱してしまい、ここがまだ教皇庁の内部であると気づいた後に、流石に他の者に話を聞かれては不味いと思い至る
    ジョナさんとワゴンさんは、ひとまず領地に戻ってこれからどうしたら良いか考えよう、と話を纏め、帰り支度を始めるよ

    さていよいよ馬車に乗ろうとした時、教皇の秘書の一人(きっと不幸な司教がパシリにされてしまったんだぬ)が青ざめた顔で2人に駆け寄ってきて、
    「無事間に合って良かった…!教皇からの玉簡です」
    半ば押し付けるように分厚い手紙を渡すよ 彼はぜぇぜぇと息を整えながら、
    「必読、とのことです。一字一句漏らさず拝読せよ、とも仰せられていました。んああどうか謝絶なさらないで!私はまだ晒し首になりたくありませんから」
    と懸命にジョナさんに懇願するのでジョナさんはしぶしぶDIO様からのお手紙を受け取るよ

    司教はジョナさんが受け取ってくれたことにひどく安心したような笑みを見せたので、ジョナさんも苦々しげではあるけれどにこりと微笑んで馬車に乗り込むよ ゆらゆらと手を振りながら見送る司教を背に、ジョナさんとワゴンさんは馬車に揺られながらラテラノ宮殿を後にする

    「(晒し首か…只の比喩であれば良いのだけれど)」ガタンゴトンと振動音を聞きながら、ジョナさんは窓の外にちらりと目を遣り、活発に街を行き交う市井の人々を見てから、教皇からいただいた分厚いお手紙に目を落とす

    程よく乾いて晴れた天気とは裏腹に、ジョナさんの心中にはもちろん暗雲が立ち込めていた。書簡を緩慢な手つきで持ち上げては膝に下ろす動作を繰り返していると、「何も今すぐ読むこたあねェのに。馬車酔いしちまいますぜ」とからかい気味のワゴンさんのお咎めが横から飛んでくる。

    ワゴンさんの気遣いを感じて「わかってるよ」とジョナさんは一度は頷くが、しかし、どうも膝の上に置いたままでは、ますます手紙の重さが増していくようにも感じられた。「この分量では領地に帰ってから読むのも辛いだろう」と、ジョナさんは意を決して羊皮紙の束をはらりと解く。

    ◆さてジョナさんが鉛製の印章付きの赤と黄色の絹紐を解くと、教皇DIO様からのお手紙にはこんな感じのことが書いてあったよ
    まずジョナさんたちが遠方よりはるばるバチカンへ赴いたことへの形式的な謝礼と労いとに始まり、一応の繋がりができたことを慶ぶ旨が記されていた
    そしてジョナさんの請願を即刻通してジョースター領の教会の悪質な税収を取りやめさせる旨も述べられていた。こうして正式な公文書で約束してくれたということは改革がきちんと実施されるということである
    ここまでの件を読み終えて、ジョナさんはホッと胸を撫で下ろす
    「(僕たちの旅は無駄ではなかった!どうやら教皇は何とか妥協してくれたようだ…)」ジョナさんは張り詰めた表情を少し和らげて、具体策の項目を読み進めていく。時折馬車の窓から入る冷たい風が汗を拭い去ってくれている。隣のワゴンさんも主人の安らいだ表情を見て外を眺める余裕ができた。
    そうしてジョナさんが教皇の達筆なラテン語を何とか読み解いていくうちに、ふと、ある妙な点に気付いてしまう。書簡文の最後にはDIO様からありがたい御言葉()として聖句を引用した謎めいた訓示がいくつか載せられていたのだけど、その中にこんな感じの詩が混ぜてあった。

    理より
    主の汝に告ぐる処
    我が蹄痕を身に帯びよ 我が霊魂を血に想え
    汝の適うること自明なり
    求めよ、さすれば与えられん

    主の権笏の遍き処 蒙昧なる眼開かるべし
    主の鉄槌の落つる処 浅薄なる唇固めるべし
    否まんとする鶏鳴の時 汝、咎人の枷給うべし
    祈らんとする明星の時 汝、聖人の徴見出さるべし
    地に栄光の満つるが故に

    されど迷える子羊よ、無垢であれ
    いと高き慈悲の示されん
    僕よ、恐るること勿れ
    汝の大海に死す前に 我が舟艇をば与えられん

    んで、まぁ、とにかくそんな感じのことが書いてあった(本当はこれよりもっとカッコイイ感じの文句が書いてあるはずなのでそちらを想像してほしい)
    で、この件でDIO様が伝えたかったことの大意は、
    「貴様さっきはよくもこの私を覚えていないと言ってくれたな?まぁそれはもう良いが(良くないが)、そのうち迎えを遣るからせいぜい首でも洗って待っておけ!地の果てに逃げようとも無駄無駄ァ(cv.子安)」といったところだろうか
    ここで皆さん方に思い出して頂きたいのは、この話の教皇DIO様は御自身を文字通りの「神の代理人」と考えており、自身をほぼ神と同一視していることである
    そのため、書簡の文章全体で、形式上「主」や「神」と記している部分についてはDIO様を示す「我」と読み替えて差し支えないのだった なんて傲慢なやつだろうか
    故にジョナさんはこれを読み終えて、意味はすぐには飲み込めずとも背筋に悪寒が走るのを感じた。

    「(もしかすると僕は…僕はとんでもない相手を敵に回してしまったのかもしれない…)」
    ジョナさんは頭を抱え込んでしまった。内容を理解することはできたのだが、意図がさっぱり掴めなかったのだ。
    ただ文面から伝わってきたのは、恩賜の皮を被ったまとわりつくような執着の気配だった。
    そのベール一枚を隔てた異常さがひたすら恐ろしかった。じわじわと見えない魔の手が這い寄ってくる光景が脳裏にちらついた。
    ジョナさんは束の間、固く目を閉じ、重々しく息を吐き、ゆっくりと文面を見下ろした。それから一刻は、難しい顔をしながら何やら物思いに耽っていた。
    ふと気が付けば、外を眺めていたはずのワゴンさんが、いつの間にか心配そうな顔になってこちらをじっと見つめていた。ジョナさんはいきなり驚いて、書簡を急いで巻き始めた。
    「スピードワゴン、君の言う通りだった。これは馬車酔いせざるをえないな。残りは屋敷で辞書を引きながら読むことにするよ」
    ジョナさんは努めて朗らかに振る舞うが、ワゴンさんは他に何か言いたげな顔をして「気分が悪いんなら無理をするんじゃあねーぜ、ジョースターさん」と主人の背中をさすった。友人の気遣いを感じ、気恥ずかしく笑みをこぼしたが、ジョナさんはやはり宙に目を留めずにはいられなかった。
    馬車は田園地帯に差し掛かり、太陽は西の山々の間に沈もうとしていたが、夕陽を半ば遮るようにして厚い雲がこちらへ向かっていた。雨が降りそうですね、とのワゴンさんの呟きに、そうだね、とだけジョナさんは返した。何だか無性に妻の抱擁が恋しくなり、そのことばかりを考えていた。

    おしまい
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