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    まちこ

    twst/ジャミ監が好き 幸せになれ

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    まちこ

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    明るめジャミ監

    「暑い・・・」



     制服のネクタイを緩めてぐったりとする彼女とグリムは元気にオアシスに向かうカリムの後ろ姿を見てため息をつく。気候になれた俺でも今日は暑いと思っているから、慣れてない二人にはさらにきつい環境だろう。オアシスまではまだ少し距離がある。気休めだが少しだけ水の魔法でも、とマジカルペンを取り出そうとした瞬間、さっきまで振り向く様子もなかったはずのカリムが笑顔で振り向いた。



    「暑いのか?」

    「こんなギラギラの太陽、暑いに決まってるんだゾ!!」

    「・・・よし!」



     指がパチンと鳴る。



    「オアシス・メイカー!」



     カリムが元気よく言ったあと、突然霧雨が降り出した。不快に思うほどじゃない量の雨は肌に浸透していき、暑さでぐったりしていた彼女とグリムは嬉しそうに空を見上げる。自分が出る前に彼女を笑顔にしたのがカリムだということに不満はあるものの彼女の笑顔には変えられない。文句を飲み込み、そっとポケットにマジカルペンを押し込んでゆっくりわずかな水を含んでいく自分の髪に指を通した。



    「気持ちいいー・・・」

    「カリム!もっと降らすんだゾ!」

    「ちょ、これ以上は・・・」

    「よーし、任せとけ!」



     俺の声をかき消して腹が立つ笑顔でカリムがまた指を鳴らした瞬間、霧雨だった雨が大きな粒に変わり突然土砂降りになった。雨粒は体中を叩きつけていろんな場所から悲鳴が上がるのに、グリムが喜んでいることがよほど嬉しかったのかカリムが雨を止ませる気配はない。



    「カリム!!」



     雨音に消されないように大声を上げながら視線は彼女へ向けた。彼女はさっきまではしゃいでいたのと打って変わって呆然と雨に打たれて、まるで亡霊のように手首をぶらんと下げている。



    「やりすぎだ!!」



     俺の怒鳴り声でやっとやりすぎに気づいたカリムはようやく雨を止ませた。足元はぐちゃぐちゃに濡れて歩きづらくなり全身から水が滴っている。



    「お前はいつもそうやって調子に乗って!」

    「ご、ごめん」

    「・・・はぁ・・・」



     とりあえず最初にやることは彼女の制服を乾かすことだ。カリムから彼女へ向き直すと、さっきまで呆然としていたはずの彼女は自分の上着を脱ぎながら楽しそうに声を上げて笑っていた。



    「涼しくなりましたね、ジャミル先輩」

    「・・・笑いごとか」



     マジカルペンを振って、誰も倒れない程度の強さの風の魔法を使う。大きくなびいた髪も、制服も、あっという間に乾いてしまって驚きと感動が混ざった声で彼女とグリムは自分の体を見ていた。さすがだな!とはしゃぐカリムの声にお前も習っているはずだぞ、と返すのはやめて無視することにする。

     乱れる彼女の髪を指先で整えながら濡れた頭を振っているカリムに声をかけた。



    「早くオアシスに行くぞ!足元が悪いんだ、いつもより時間がかかる」

    「おう!・・・みんな、行こう!」



     一斉に上がった声と再び始まる行進。世話の焼けるやつ、と彼女が目の前にいるにも関わらずこれでもかというほど大きなため息をついた。



    「ジャミル先輩、ジャミル先輩」

    「なんだ」

    「あっち、見て」



     苛立ち、呆れ、混ざる感情と悪い足元に増す疲れからぶっきらぼうに返事をしたら、上着を着ずに持ったままの彼女がまっすぐに指をさす。



    「虹だ!」



     今まで生きてきた中でたった数回しか見たことのない大きな虹がかかっている。思わず足を止めると並んで歩いていた彼女も一緒に立ち止まった。虹にはしゃぐ行進の列は止まらず進み、二人で取り残される。



    「さっきカリム先輩が雨を降らせたからですかね」



     七色の橋に目を奪われた。今にも消えそうな薄さなのに存在感はしっかりとあって不思議だ。



    「ジャミル先輩、知ってますか?」



     ぶら下げたままの手にするりと指が絡んでくる。突然の出来事に思わず固まってしまった。



    「虹の根っこには宝物が埋まってるんですよ」



     手を握ったまま俺の目の前に回り込んだ彼女は、虹を背に満面の笑みで言った。



    「二人で探しに行きましょうか!」

    「・・・ああ。それもいいかもな」



     予想していなかった返事だったのか、笑っていたはずの彼女の顔がほんのり赤くなる。かわいらしい反応に次は俺が笑う番だった。
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    まちこ

    PROGRESSジャミルが逆トリップする話/ジャミ監
    監督生が成人してる
    (本当に魔法が使えないとは)



     小さく光を反射したマジカルペンを振ってみるけど自分の髪は一房も持ち上がらない。花を思い浮かべても手元に一輪だって出てきやしない。向こうの世界にいたときに当たり前に感じていた魔力は実は世界の空気自体に含まれていたようで、こっちの世界じゃ微塵も魔力を感じられなかった。

     ピンクのシーツに包まれた枕に顔を埋める。ほのかな花の香りが、制服を着た彼女の後姿を瞼の裏に思い出させる。それは懐かしい光景だった。両隣にはいつも一年生のコンビが陣取っていて、足元にはグレーの猫がリボンを揺らしながら偉そうに歩いている。俺はいつも遠巻きにそれを眺めていた。

     カタカタと響くタイピング音。たまに聞こえる咳払い、遠くからは変な呼びかけをする男の声がする。曰く“サオダケ”というものを移動販売しているときに流れてくるものらしく、昔からあるもの、なんだそうだ。

     少し顔を上げると、紺色のカーディガンを羽織った背中が見えた。瞼の裏に浮かんだ制服を着た背中より大人になった彼女がいる。長く伸びた髪は乱雑にまとめられていて細かい毛束が白いうなじに垂れているのを見るとこっちがくすぐった 1230

    まちこ

    MOURNINGずっと我慢していた感情が大爆発した監督生と、その監督生にどう接していいか分からなくてやるせないジャミル先輩のジャミ監

    ジャミル先輩好きな人ほど慰めるの下手くそだといいな(願望)
    「魔法も使えないくせによくのうのうと学園で生活できるよな」

    「いろんな寮の寮長ともつながり持ってるらしいじゃん」

    「いいよなあ、俺も異世界から来ました!とかふざけたこと言っていろいろ免除してもらいたいわ」



     聞くつもりなんてないのに、毎日嫌でも聞こえる彼女の悪口。異世界から来たから、魔法が使えないから、女だから、イレギュラーをつまんでは面白おかしくこねくり回して下品に笑う生徒を見るのは不快だった。不快に思うようになったのは、彼女の人となりを知ってしまったからだろう。必死で足掻いてる彼女を見ていたら、少なくとも俺は馬鹿らしく悪口で時間を過ごす気にはなれない。



    「酷いことはやめろよー、こいつ俺たちと違ってこんなちっぽけな魔法さえ使えないんだぜ?」

    「そうだった!あの狸みたいなモンスターより何にも出来ないんだったな!」



     部活終わり、夕飯のメニューを考えていた頭に流れ込んできたのは馬鹿にしたような笑い声だった。会話にもならない暴言の内容ですぐに彼女が絡まれていることに気づいて辺りを見渡すと、大きな木の方に三人分の人影が見える。

     音を立てずにそっと近づいて行けば、は 1467

    まちこ

    MOURNING元の世界では成人していた監督生と振り回される17歳のジャミル先輩のジャミ監

    振り回されてる自覚もあるし悔しいのにどうしても相手に勝てないジャミル先輩かわいいよねって気持ちだけで書きなぐった。
    机に置いていたヘアオイルを手に取って一息つく。今日も今日とてカリムは他の寮の人間を招くもんだから仕事は忙しかった。だけどいつもよりイライラしなかったのはその中に例の寮の彼女もいたから。



     軽いノックの音。それだけで扉の向こうが寮生やカリムじゃないことが分かる。まあカリムならノックなんてせずに問答無用でずかずか入ってくるから論外か。

     扉を開けるとそこには貸した少しだけ大きいスカラビアの寮服を身に纏った彼女が笑顔で立っていた。



    「こんばんは」

    「どうした、こんな時間に」

    「会いたくなっちゃって」



     いたずらに笑う顔に胸が高鳴る。悔しいがドキドキしていることを誤魔化すために咳ばらいをすると彼女は口元に手を当ててくすくす笑っていた。



    「この年だったら、こんなかわいいこと言っても許されるんですね」

    「・・・笑うな」

    「入れてください、寒いので」



     腕に触れた小さな手は冷たくなっていて俺は慌てて彼女を部屋へと招き入れた。危機感のなさに落ち込みもするけど、喜びの方が勝ってるのがやっぱり悔しい。

     気づいたら好きになっていた彼女は、向こうの世界では成人してい 1504

    まちこ

    TRAININGくそでか激重感情をこじらせているジャミル先輩と、そんなジャミル先輩のくそでか激重感情には気づかず片思いをしていた監督生のジャミ監

    ある意味両片思い
    彼女のそばにいるといつも気を張って生きている自分が惨めになった。無邪気に誰にでも笑いかける顔に胸はかき乱されて、疑いもせず俺に接する姿に苦しくなる。悔しいことは、辛いことは、苦しいことは、悲しいことは、何も知らないような、純粋な瞳から捕らえるたびに、俺はたまらず死にたくなった。彼女が永遠に気づかないこの気持ちに付ける名前なんて見つけられなくて、ただひたすらもがくしかできない。喉をかきむしって歯を食いしばって、どうしてこんなことになったんだと、泣きたかった。



    「ジャミル先輩、好きです」



     誰もいない図書室、彼女は俺の隣に座って言った。いつもより少しだけ照れくさそうで、顔がわずかに赤く見える。彼女の言葉に嘘偽りないことは誰が見ても分かる表情だ。
     心臓が早鐘を打って気分が悪くなる。喉をかきむしりそうになった手を必死に抑え込んだ。


     彼女が気づいていない俺の気持ちには名前が付けられないのに、俺に向けられた彼女の気持ちには名前が付いている。


     何かに期待をしたような目をふさぎたかった。



    「何を言ってるんだ」



     必死になって流そうと言葉を振り絞るけど、そんな必死な 924

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    「いろんな寮の寮長ともつながり持ってるらしいじゃん」

    「いいよなあ、俺も異世界から来ました!とかふざけたこと言っていろいろ免除してもらいたいわ」



     聞くつもりなんてないのに、毎日嫌でも聞こえる彼女の悪口。異世界から来たから、魔法が使えないから、女だから、イレギュラーをつまんでは面白おかしくこねくり回して下品に笑う生徒を見るのは不快だった。不快に思うようになったのは、彼女の人となりを知ってしまったからだろう。必死で足掻いてる彼女を見ていたら、少なくとも俺は馬鹿らしく悪口で時間を過ごす気にはなれない。



    「酷いことはやめろよー、こいつ俺たちと違ってこんなちっぽけな魔法さえ使えないんだぜ?」

    「そうだった!あの狸みたいなモンスターより何にも出来ないんだったな!」



     部活終わり、夕飯のメニューを考えていた頭に流れ込んできたのは馬鹿にしたような笑い声だった。会話にもならない暴言の内容ですぐに彼女が絡まれていることに気づいて辺りを見渡すと、大きな木の方に三人分の人影が見える。

     音を立てずにそっと近づいて行けば、は 1467