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    まちこ

    twst/ジャミ監が好き rkrn/di先生が熱い 好き勝手書き散らす場所にします みんな幸せになれ

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    まちこ

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    向こうの世界で成人していた監督生と17歳を炸裂させるジャミル先輩のジャミ監

    気づけばベッドに押し倒されていた。天井を背に私を見下ろす彼のいつもの涼しい表情は影を潜め、苦しそうで泣き出しそうな表情でいっぱいになっている。私に配慮なんてしないで力いっぱい手を握るから骨が軋んで、痛い。こんなに余裕がないジャミル先輩を見るのは初めてだ。


     異世界から来た私が面白かったのか、告白をされた。正直自分よりいくつも年下の学生にそう言われても困るだけで、曖昧に断ろうとしたけど、それは相手にとって許されることじゃなかったようで変な薬を飲まされそうになった所、ジャミル先輩に助けてもらった。相手に見事な右ストレートを食らわせて私の手を引っ張って走って逃げるジャミル先輩はまるでマンガの中の主人公みたいで、とてもかっこよくて、そして面白かった。



    「もっと危機感を持て!」



     普段あまり聞かない声で怒鳴られた。いきなり怒られたことに驚いて瞬きを繰り返せばジャミル先輩は大きくため息をついて首を振る。



    「君は魔法も使えない。それ以前に女だ、男に力で勝てるわけもないだろ」



     正論に口をつぐむ。



    「簡単に付いていくな。それが生徒だとしても」

    「ごめんなさい」

    「・・・まったく」



     一日前の出来事を思い出しながら手の痛みに顔をしかめる。それでも力が弱くなることはない。



    「簡単に付いていくなと言っただろ・・・」

    「だってジャミル先輩だから」

    「俺だって、男だ」



     私がジャミル先輩に危機感を持つなんて思ってないくせに、この人はなんてずるい言い方をするんだろう。



    「こうやって魔法なんか使わなくても、力だけで押し倒すことだってできるんだ」



     痛いだろ?自嘲を込めた笑いをこぼすジャミル先輩の方がよっぽど痛そうな顔をしていた。

     黙ったまま抵抗もしない私に苛立っているのか、大きくため息をついて自分の髪を乱す。このまま好きなようにすればいいのにしないのは優しさだけなんだろうか。



    「・・・惨めになる」



     やっと手を離してジャミル先輩はぽすん、と私の体の上に体を重ねた。沈んだベッドのスプリングがゆっくり体を押し返す。自由になった手を見てみると赤く手の跡が付いていた。

     濃いシャンプーの香り、首筋をくすぐるきれいな髪の毛、震える呼吸、私の頭に恐る恐る触れる大きな手。見えない表情はきっと崩れているだろう。私のために感情を乱すジャミル先輩は、ただの男の子にしか見えない。

     動かせる手で背中を撫でればぴくりと動いたけどそれ以外の反応はなかった。



    「ジャミル」



     あったな、こんな気持ち。



    「顔を見せてよ」



     愛しいっていうんだっけ。



    「・・・いやだ」



     言いながら身じろぎをしたジャミル先輩を抱きしめた私はきっと笑っていた。
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