「えっ翔ちゃんまた落第したの!?」
イズミンの驚く顔見るのもだんだん居た堪れなくなってきた。
だってもう同期で卒業資格もらえてないのおれだけなんだもん…
「翔ちゃんほんとに運が悪かったよね…まさか士官学校始まって以来の天才が教官になっちゃうなんてさ…」
おれってほんとに運が悪いと思う。ほんとによりによって…
「みんな即落ちするって言われてる教官試験でも涼しい顔しててイかずの影山って呼ばれてたんでしょ?そんな人が相手じゃいつまで経っても卒業できないんじゃないかな…」
よりによって、射精管理の王様が教官になるなんてー!!
おれ、日向翔陽。種族はサキュバス。
立派なサキュバスになるための訓練学校に通ってるんだ。
訓練学校で精液の摂取の勉強をして、実習を重ねて単位を取得したら卒業、晴れて一人前のサキュバスとして人間界に出られるってわけ。
みんな大体半年ぐらいで卒業するし、何回か落第する人でもまあ1年あれば卒業できるって言われてるのに…
おれだけ、もう2年目に突入しようとしてる。
この…
「おい日向ボゲ!実習の5分前には来いっつっただろうが!」
この何やってもイかない鬼教官影山のせいで!!
「じゃあ今日も基礎からだ」
「……」
「なんか文句あんのか」
「ないですー!分かってるからさっさとそこ座れよ!」
実習ってのは基本の「経口摂取」から始まる。
要するに、口で教官のちんこしゃぶって精液を飲むっていうのを効率良く行なって、数回の実習で合格点をためれば単位がもらえるってわけ。
おれは経口摂取すらまだ単位が取れてなくって…
でもそれっておれが下手とかじゃないと思う!
こいつが!
この、士官学校時代から射精管理の王様とか呼ばれてたらしい、イかずの影山が!!
一向にイかないせい!!
「んっ…」
「おいヘタクソ、口だけじゃなくて舌も使えって何回言わせんだ」
「んっんー!」
今やろうと思ってたとこです!!
こいつまじでちんこクソでかいしただでさえ舐めにくいのに何やっても一向にイかないのおかしいだろ!
いいかげん腹立って「お前射精障害だろ!」って言ったら思いっきりイラマされて喉の奥に精液ぶちこまれたけど!
あれはイラマだから実習の合格点にはならないとか言われたし飲まされ損!
「ん、ふ…っ」
くそ、相変わらず涼しい顔しやがって…
ちんこはバキバキに勃つくせに全然イかないのほんとなんなんだよ。
ムカついてちんこ咥えたまま睨んでるとこっちを見下ろした影山と目が合った。
「よく味わえ、舌先に意識を集中させれば唾液にフェロモンが集まりやすくなる」
腹立つけど言ってることはちゃんと教科書通りのこと言うんだよな…
「少し集中してきたか?」
言われる通りに舌先に意識を集中させると少し舌先が熱くなって、味がよく分かるようになってくる。
ほんのり甘いのはカリ首らへん。裏筋は味気ないけど、先っぽの穴は、とろけるような…甘さ…
「んん…」
その甘みを追いかけるように口で先っぽをちゅぷちゅぷと吸いながら穴のとこを舐め回すと、舌先から喉の奥まで甘い味が広がる感覚がした。
「サキュバスのフェロモンをうまく使ってもっと効率よく精子をおびき出せ」
「ぅ、ん…っ」
先っぽをしゃぶりながらちらりともう一度影山を見上げると、おれの顔が見やすいようにか、髪を撫でるようにしてそのまま頬に触って、顔の角度を上げさせてきた。
あ、やば…
おしり、むずむずしてきた…
「んあ…っ」
かぱ、と口を開けて、ちんこが口の中から出ていく。
相変わらずイく気配すらないのに、ビンビンに勃起してる、でっかくて甘いちんこ…
「おい、またか」
顔の上にちんこ乗せられて犬みたいにハアハアしてるおれに影山は呆れた顔をする。
うっせえ、お前が全然イかないから。
全然イかないから、おれが…
「くちじゃたりない…こっちがいい…」
おれが、我慢できなく、なっちゃうんだろ…!
「また今日も不合格だな」
仰向けになって下を脱ぐおれにくくっと嗤いながら影山がおれの膝の裏を抱えて股を開く。
サキュバスの基本は騎乗位。捕食相手に主導権を握られてはいけないから。
だけど、おれはこうやってするのが一番、美味しく感じるから…
「訓練校に飛び級システムはねえからこれは無効だぞ」
分かってるよ、おれのやってることは単位に繋がらないことぐらい。
でもしょうがないじゃん。
お前が全然イかないから。
だからおれは今日もお前のを延々舐めるハメになって。
それで甘くて美味しくてくらくらしちゃって。
口よりもっと美味しくて気持ちいいとこで欲しくなっちゃって。
「はやく…」
お前だってここになら出してくれるじゃん。単位にならないとか言っといて。
口みたいに涎を垂らすそこをくぱくぱさせながらねだると、影山は粘膜に吸わせるみたいに先っぽをぬりぬりと擦り付けてきた。
あっあっすごい、口の何倍も美味しくて気持ちいいのが全身に広がる…
中、もっと、中に…
「がっつくな、しっかり味わえよ」
おれの顔の横に手をついた影山が、ゆっくりと、おれの貪欲な下の口にごちそうを咥えさせていく。
「あっ、あっ…ああー…っ!」
ああ、また今日も不合格だ。