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    erearutamaran

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    間違えて9/10にタイムスリップしてきてしまったすけべな21番ぴ

    9×21の筆おろし「おっ影山おかえりー!」
    「……あ?」
    9月10日、部活後に誰もいない家に帰ってきた俺を出迎えたのは、
    「ひな……デケェ…?」
    妙に色黒で体の幅が1.5倍くらいありそうな、日向だった。


    この日はいつもと変わり映えのしない一日だった。
    いつも通り朝練をして、いつも通り授業中寝て、いつも通り部活をして。
    ひとつ違ったことといえば、谷地さんが「今日は変人コンビの日だね」と言ったことぐらいだ。
    変人コンビの日?なんだそりゃ?
    谷地さんいわく「9と10でしょ」とのことだが、さっぱり分からん。
    日向は分かったみたいで「じゃあ11月12日は月島と山口の日だ!」とか言ってたが意味がわからん。ただあいつが分かってて俺が分かってないのは癪に障るし分かってないことは黙っておいたが。
    そうして家に帰ってきたらこれだ。
    「今日って9月21日だろ?ある意味俺とお前の日じゃん?だから来てみた!」
    もう意味が分かんねえ。つーかお前は誰だ。日向だろうけど。俺の知ってる日向じゃねえ。
    とりあえず今確実に言えることは、
    「今日は21日じゃねーぞ」
    この一言だ。
    「え!?」
    「21日じゃねえ、10日だ」
    目ん玉まんまるにしてびっくりしてる日向に携帯の時計を見せて言う。
    「おら、10日だろうが」
    日向はじっと携帯を見て、それから盛大に頭を抱えて仰け反った。
    「マジかー!9番と10番の日に来ちゃったのかー!」
    「お前もそのわけわかんねえこと言うのか……あ?9番と10番…?」
    9番と10番の日、という言い方に、今日の谷地さんの話を思い出した。
    もしかしてそういうことか?
    「9月10日はさ〜俺らの日ってことでハッシュタグつけてファンの人が投稿してくれたりして結構お祭りみたいな感じなんだけどさ、俺としては21番も祝って欲しいわけ」
    は?っしゅ?たぐ?ファン?投稿?なんの話してんだこいつ…?
    「でも20と21じゃ日付にできないじゃん?だからしょうがないんだけどさ〜」
    いや、何言ってんのか全然わかんねえのに勝手に話進めてんじゃねえ…
    つーかだからお前誰だよニセ日向。
    「で、俺は気づいたわけ。9月21日ならできんじゃん!って」
    なんなんだお前と言おうとした時、ニセ日向が俺の前にずいっと顔を突き出してきた。
    日向より体の厚みがあると思ってたけど、身長も日向より高い。いつも俺の鎖骨あたりにある日向の頭が鼻先にある。
    やっぱニセ日向だ、と思うと同時に、
    「っ、ちけえ…!」
    そのデカい目玉と低い鼻、デカい口は、日向でしかなくて…
    思わず顔面を掴んで引き離した。
    そうするといつもは「痛い痛い」と騒ぐくせに、この日向は顔面を掴む俺の手を掴んで普通に剥がしてしまう。
    それどころか、その、掴んだ俺の手に…
    「ちゅーできそうな距離だな」
    こん時のお前となら背伸びしなくてもできそう、と言いながら、俺の手に、く、口を、つけ…
    「っ何してんだボゲェ!」
    慌てて手を引っ込める俺に、日向はキョトンとしてから「ああそっか!」と手を打った。
    「9月10日だからまだなんだな!」
    「何がだボゲ!」
    「俺らまだ付き合ってないんだろ!」
    そっかーそうだよなーまだ9月10日かー、と一人で納得した様子でうんうんと頷いている日向を前に、俺は日向の台詞を頭の中で繰り返していた。

    付き合って…?

    「いやーでも俺もこの時はまさか影山が俺のこと好きとか思いもしてなかったからさー」
    待て、ちょっと待て、なんで知ってんだ、一生隠すつもりだったのに、なんで。
    「だから告られた時びっくりしたなー最初呼び止められた時怒られんのかと思ったしさ」
    いや、何言ってんだ、告られ…?は…?
    「でも嬉しかった」
    わけがわからず呆然としている俺の顔を覗き込むようにまた顔を近づけてきた日向が、そう言って。
    俺の手に、手を重ねる。
    「お前が俺のこと好きなんだって思ったら、すげー嬉しくて、胸がいっぱいになってさ」
    重なった手の、指が絡む。
    日向の顔が、近い。
    さっきの日向の言葉が脳裏によぎる。
    「はじめてのキス、ドキドキした」
    ふふ、と笑みを浮かべた日向の唇が、近づいてきた。

    むに

    と触れたその感触に、ポカンとする。
    今何が触れたんだ、俺の、口に。
    そう呆気に取られながら見下ろすと、いつもの日向より少し大人びて、いつもの日向より少し距離が近くて、でも、いつもの日向と同じ瞳が俺を見上げていた。
    「……っ!?」
    途端、意味が分かって自分の顔が真っ赤になったのが分かった。いや、顔どころか首まで真っ赤かもしれない。
    今自分の口に触れたものの正体を、その触れることの意味を、理解して。
    頭の中がパニック状態だ。
    そんな俺を見上げながら日向は得意げな顔で言う。
    「初心で不器用な高校生の影山クンに俺が色々教えてあげる」
    どうせ十日後にはこっちの俺とするんだし、と付け加えた日向に、なんの話だ、と脳内で返すのが精一杯だった。


    「んー…すっご…」
    「っおい、ひな…っ」
    「痛い?」
    見上げて問いかけてくるその顔に、思わず目を逸らして「いっ…たくは、ねえ…」と呟いた。
    くそ、マジで意味がわかんねえ。
    なんなんだ、いきなり現れた謎の日向に、なんか色々されて、あっという間に…
    あっという間に、下半身を剥き出しにされているのは…
    「ドーテー高校生の我慢汁すっご」
    「うっ…せ…!」
    ぶっとばすぞ、と言いたいぐらいムカつくのに、自分の反応は真っ赤になって目を逸らしながらも剥き出しのソコを握られて擦られながらビクビクいちいち反応して汁を垂らしているんだから、童貞高校生以外の何者でもない。
    くそ、わけわかんねえけど、意味不明だけど、どうやらこの日向は未来の日向で、俺とデキている日向らしい。
    本当は21日に来るつもりだったのは、21日なら俺らはもう「経験済み」だからいい感じに3P(ってなんだ)できると思っていたからなんだと。
    でも間違って10日に来てしまったらしい。
    間違って来ちゃったけどまあそれはそれでいっか、などと言いながら日向がにっこりと笑顔で俺のジャージのウエストを掴んだ時には、もうすでに遅かった。
    「童貞ちんぽ食っていい?」
    なんだって?と聞き返すのも忘れるぐらいの台詞を吐いた日向にジャージとパンツをずり下ろされて、今この状態ってわけだ。


    【今日はここまで…9/10】
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