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    綾崎寝台

    @kopa382

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    綾崎寝台

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    新年あけましておめで📛🌻
    一言でいうとエベレストで初日の出見てイチャつくだけの二人です。

    📛は🌻と暮らしていくことで多少マシな🌻厨になっていく…はず。と思いながら書いてた。

    初日の願いはあ。



    晴れた闇の雲海の果てを見つめたナツメが、ふるりと身を震わせ細い息を零す。それが白く凍る間もなく、吹き荒ぶ風が小さな吐息を乱暴に攫っていった。

    僅かに明るくなっていく地平の光に照らされて、徐々に変化していく橙の髪の色を仔細に記録しながら、カブラギは声をかける。

    「…やはり上着がもう一枚必要だったな。それと、あまり崖に近付くな。落ちても知らんぞ」
    「大丈夫ですよーう!あと、これ以上厚着したら動きにくくなっちゃいますって!」

    平気です!、と耳を赤くしたナツメが昔のように元気に腕を振ってカブラギに答え、そしてまた空と地の向こうへと顔を向けた。

    やれやれと肩をすくめるカブラギは、当然だが万一の場合に備えてナツメがこの最高峰の山の強風に煽られて落ちたとしても、即座に助けることのできる距離と位置関係を維持している。
    …もしかしたら自分がそうしているのを解っていて、この娘はリスクをとっているのかもしれない。…だとしたらだいぶ甘やかし過ぎたか?

    思案していると、食い入るように雲の果てを眺めていたナツメが叫んだ。

    「組長っ!見て下さい!日の出です!初日の出ってやつですよ!」

    顔を向けてみると、確かに太陽が雲の海から顔を覗かせ始めた所だった。雲から陽光が溢れ、煌々とした光が雲海を刺す様は神秘というものを感じる光景なのだろう。
    特に、ここ数年前までデカダンス要塞の中から出る事ほぼなかったタンカーからしたら、心震える光景なのかもしれない。

    だがカブラギはそれを一瞥だけして、カブラギはナツメを見ていた。
    カブラギにとって、新しい年や初日の出とは、ただ日を表す数字が変わる区切りというだけの事象なのだ。

    生きる意味も、己の何もかもを塗り替えたナツメという人間こそが、それこそタンカーのいう太陽に等しい存在なのだ。
    単純であるが、カブラギという男はそれしか考えていないのだ。

    そんなカブラギの視界に映るナツメは酷く興奮しているようだった。
    日の出で感動して声を漏らす唇も、風の冷たさ故に赤くなった頬も、澄み渡る空の青を思わせる瞳を輝かせる様も、この娘の全てがカブラギの宝物だ。それを見逃すなんてとんでもない。

    そう思いつつ見ていると、視線に気が付いたナツメが不満げに漏らす。

    「………組長?ちゃんと日の出撮ってます?あとでアタシも見たいんですから、アタシばっかり見てたら怒りますよ?」
    「撮ってる。心配するな」

    嘘は言ってない。
    あくまでナツメのついでだが、視界に入れているので編集すればどうとでもなる。

    その返答に、カブラギに慣れたナツメは納得していなさそうに膨れていた。しかし、ふ…と表情筋を緩めたかと思うと、唐突にカブラギに飛びついてきた。

    「なっ…!?おわ…ッ!」

    いきなりの行動にどうにか雪に足を取られずに受け止める事に成功するカブラギを、きゅうと柔らかな熱が抱きしめた。

    「あけましておめでとうございます、組長!今年も、来年も、その次も!ずーっと、一緒に居て下さいね!!!」
    「…ああ、もちろんだ」

    耳元で本当に嬉しそうな声がして、カブラギも抱きしめ返す。

    カブラギはタンカーのいう神なんて概念は信じていない。
    だが願うのならば、腕の中の太陽と共に居たいと思う。そして事実、太陽もそう願ってくれている。

    事実に、極寒のはずの環境に関わらずじわりと温もりがコアに込み上げてくる。

    「…これが幸せ、ってやつか」
    「…組長がそう思うんなら、そういう事なんじゃないですか?」

    どこかで聞いた言葉で返してくる事すら愛おしくて、けれど適切な言葉が見つからなくて、カブラギはナツメの冷えた頬に手を添えて柔らかな唇に口付ける事しかできなかった。






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    綾崎寝台

    DONE去年のデイリーライトバグネタとうちの子達のお話。

    あんまりほっとくと(私が)忘れちゃうので頑張って書いた。閑話的にゆるっと読んでください𓆩✧𓆪

    あのバグ、SNSで見る限り嫌悪感のある人が多かったように感じたけど、キャラが操作できない以上に、小説内で語った感覚が強かったんじゃないかなーと思ってる。
    星に願うチクタクチクタク…

    体の中で昨日の光が巡ってく。
    不足過剰な流れは一定の量へ。
    余分な光は外側へと溢れてく。

    そうして、無害なエネルギーとして淡い発光の形をとる。

    その瞬間、自然と星の子は手を合わせる。



    デイリーライト更新、それは星の子に一日一度起こる、光の循環が校正される儀式だ。

    星の子は体内に貯蓄できる火種の量がある程度決まっている。上限自体は無いらしいが過剰に蓄積すると火種をキャンドルに変換する効率が悪くなる上、体の光の循環に影響が出て星の子自体の性能が落ちていく。これを一日毎に初期化する事で、あらゆるエネルギーの変換元であるキャンドルを効率良く精製し、星の子のパフォーマンスを維持しているのだとか。

    この更新が起こらない星の子は居ない。もし居るならば、火種の取り込みやキャンドル精製はおろか、体内の光が正常に働かなくなるだろう。そうすれば、飛ぶどころか歩く動作すらも、ままならなくなるのではないだろうか。
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    綾崎寝台

    DONEうちの星の子小説。ヂュリ助と師匠との出会い編。
    時系列的にはナギちゃん、トルク君のしばらく後、ネーヴと会うより前くらい。
    思ったより師匠成分薄くなったけど、とりあえずヨシ!

    小ネタとして、あんぽんたんはあほ太郎+反魂丹(古くからある漢方薬、不味い)から生まれた言葉遊びの悪口だそうです。
    願いを奏でる鳥の声跳ねて、鳴いて、飛び回るのが良い事だ。
    俯いて、泣いて、立ち止まるのは悪い事だ。
    そうありたいと思ったから、そうしよう。
    例えどう言われようと、そう決めたのだ。

    だって、立ち止まったら、動けなくなってしまうから。




    「う…わ、あぁー…すごい…!」

    書庫の崩れた壁の割れ目にあった結界を通り抜け、狭く暗い岩壁の隙間を恐る恐る抜けた先に、優しく星が光る青と紫の混じった夜の空を見た。

    ついこの前、自分は初めて『使命』を果たして地上に帰ってきたが、一度来た筈のあちこちに、見たことがない精霊たちの記憶が座り込んで居てとても驚いた。
    友達の花の冠をつけた星の子が言うには、一度転生すると見えるようになる以前の季節?とやらの精霊達らしい。なんのことだかさっぱりだが、精霊から学べる感情を覚えて損はないに違いない。あっちこちに居る彼らに触れる為、以前通れなかった結界を超えて冒険していたら、この優しい色の砂漠にたどり着いたのだ。
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