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    わたなべ

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    わたなべ

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    絶i対にBLになる世i界ネタで7⃣視点のお話
    ゆじは本当色んなフラiグ立てるよな…から生まれたギャグ?

    #七虎
    sevenTigers

    突然だが此処は絶対にBLになる世界である。
    BLが何の事だか分からない人はこの文章を読んでいる人の中には居ないだろう。なので敢えて説明は省かせて頂く。そして此処は殺伐とした呪術の世界では無い。主要人物が死ぬといった事が何らかの形で回避されるご都合世界だ。呪霊と戦う世界なのには変わりないが何故か命を落とす事が無い。否、仮に命を落としても何らかの力で生き返ったりする。
    それは何故か…
    冒頭で述べた通り、此処が絶対にBLになる世界だからだ。

    私七海建人(27)はこの世界で一級呪術師として前線で戦っている。ご都合世界と言っても呪霊も呪いも存在する。勿論残業も発生する。ご都合世界と言うならこれらも都合良く消滅してくれればいいものを…と思わなくもないが、それはそれで今度は何らかのパロディが始まりそうな気がするので目を瞑る事にする。

    「ナナミン、眠いの?」

    ふと聞こえた声に思わず先程までこの世界の事を考えながら瞑っていた目を開くと目の前の少年へと視線を移す。
    虎杖悠仁(15)。奥二重気味の大きな目を此方に向けながら首を傾げる彼の姿に思わず溜息が漏れた。

    「…いえ、何でもありません」

    そう答えると彼は「ふーん?」と言って手に持っていたカフェオレのストローに口をつけた。その口をつける動作がどうしてか厭らしく見えてしまうのはこの世界のせいだと思いたい。少し覗いた赤い舌がストローに触れ、それから彼の口の中へとストローの先が消える光景を目にしては思わず喉を鳴らす。
    虎杖悠仁。彼は15歳にしてこの絶対にBLになる世界で様々なフラグと呼ばれる伏線を張る天才だ。
    私の先輩である五条さんに無邪気に抱き着いてはそれを受け止める五条さんの周りの空気が穏やかに和らぐ事も、級友である伏黒君の式神を嬉しそうに撫でる姿を見つめる時の伏黒君の少し嫉妬の滲んだ眼差しも私は知っている。この世界ではこういった彼等のやり取りや関係性を「五悠」「伏虎」というらしい。この世界だと五悠と伏虎の光景をよく目にするが、天才の彼の本領はこんなものでは無い。

    「そう言えばこないだ伏黒の父ちゃんを初めて見たんだけどすっげー体しててさ!」

    …来たか、甚虎。
    私はそう思うとサングラスのブリッジを押し上げては小さく息を吐いた。
    伏黒君の父親の伏黒甚爾。到底親とは思えない程のクズっぷりで色んな女性の所を転々としていると以前五条さんに聞いた事がある。伏黒君を呪術高専に入学させるにあたってとんでもない金額を提示されたと笑いながら話していた。尤も、笑えるくらいなのだから五条さんにとってはどうって事のない額だったのかもしれないが。
    しかしその話を聞いた私がそんな人物との接触を肯定出来る筈も無く、「見た目や言動に惑わされてはいけませんよ」と1つ忠告すると目の前の彼は再び首を傾げた。

    「いい人そうだったよ?」

    そう呟きストローを啜る彼と、ストローを通って彼の口内へと流れ込んでいるであろうカフェオレの影を眺めながら私は小さく舌打ちをした。全く…どこまで警戒心がないのか。自分が一級フラグ建築士だという自覚はどうやら彼には無いらしい。無意識に人を魅了し、天然で相手を落とす彼の能力は最早そういう術式なのでは?と最近思う。仮にそれが彼の術式だとしたら間違いなく特級レベルの術師だ。

    「君はまだ子供だから分からないかもしれませんが、大人が皆しっかりしているとは限りません。いい人に見えてもそれは裏の顔、という可能性もあります」

    「ふーん…?そういうもん?」

    イマイチ分からないといった反応を返す彼の様子に再び溜息を吐きそうになったが、彼の「あ!」という声に其れは阻止された。

    「夏油さんみたいな!?」

    彼の口から出た私のもう1人の先輩の名前に思わず私は口を引き結んだ。
    夏油傑。五条さんの親友で今は寺の住職として表向きはやっているが、裏では8のつく人達と繋がっている…らしい。らしいというのも噂程度にしか耳にした事が無いので、それが事実かどうか判断出来ないのだ。本人に聞くも上手くかわされて終了で、それ以上の問答はしないという彼の鋭い眼光に私は降参した。五条さんと違って尊敬出来る部分の多い人だが、同時に触れてはいけない部分を持つ人でもあった。

    「何故夏油さんを知ってるんです?」

    教職員でもない彼の存在を一体何処で知ったのか。私は腕組みをしながら問い掛けると彼はあっけらかんといった様子で、

    「こないだ五条先生と夏油さんが話してる時に偶然居合わせてさ!挨拶っつって頬っぺたにチューされて…いやーびっくりしたわ!」

    と言ったので私は思わず咳き込んだ。

    「ナナミン、大丈夫!?」

    咳き込んだ私に慌てて近寄ると彼は私の背中を優しく摩った。スーツの背広越しに彼の固く熱い手の感触が伝わってドクンと心臓が跳ねる。…これもきっとこの世界のせいだ。

    「すみません、大丈夫です」

    そう言うと俯きながら手で離れるようジェスチャーをする。
    しかし彼はキョトンとした表情で私の手を見つめた後、そっと私の掌に合わせるように自分の掌を重ねた。背広越しに感じた熱を直に肌で感じると私は思わず顔を上げて彼の方を向いた。

    「何して「やっぱりナナミン手大っきいね!」

    私の言葉に被せるようにしてはしゃぎ、無邪気な笑顔を向ける彼に私の心臓は再び跳ねた。
    ……可愛い。これはやはりこの世界のせいなのだろうか。彼の行動や仕草一つ一つにこうして心を揺さぶられる。他の誰にも感じない感情がぶわりと湧き上がってはそれを理性で押さえつけて余裕のある大人のフリをしてきたが…そろそろ限界だ。絶対にBLになる世界でここまで抗い続けている男はきっと私以外居ないだろう。

    (もう…いいのでは…?抗う必要は……)

    そう思った所でふと彼の着る学生服のボタンがキラリと反射した事で私は我に返った。
    己の頬を勢いよくパァンッと引っぱたくと先程までの考えを頭から振り払う。何を考えているんだ私は。相手は未成年だぞ。

    「えっ!?ちょ、何してんのナナミン!?」

    「蚊がいました」

    思い切り叩いた事で真っ赤になった頬はそのままに努めて冷静に述べた。
    危ない。危うく犯罪者になる所だった。…いや、この世界で犯罪者になるかは定かでは無いが。ひょっとしたら何らかの力が働いて未成年の彼に仮に手を出しても問題無い事にされるかもしれないが。…だがしかし大人としてそれはダメだろうという私の理性が思い留まらせた。ありがとう私の理性。
    目の前の彼はというと、動揺しながら私の頬を見て「え〜っ、ちょ…」と口ごもっていた。が、やがて閃いたように目を輝かせると手に持っていたカフェオレのカップの側面を私の頬に押し当ててきた。その冷たさと彼の行動に動揺してビクッと体を揺らすとそれを見た彼は楽しそうにケラケラ笑った。

    「冷たかった?」

    そう言って大きな口をニッと引き上げる彼を見て私は大きく溜息を吐いた。

    ……熱い。
    冷たい頬の感覚とは別に顔に集まる熱を感じながら空を仰ぎ見る。
    絶対にBLになる世界はクソだ。私の理性がどこまで持つのか試されているようだ。だがしかし大人として私はこの世界に抗い続けなくてはならない。それが私の責務でもあり…大人の私を慕う彼の為でもあるのだから。

    どうしたものかと眉間に皺を寄せては再び私は目を瞑った。
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