鶯の作戦会議ある本丸のそれはそれはうつくしい鶯は春の訪れに
胸を躍らせ、足取りは軽やか、花のような笑みで喜びを囀ります。
その姿は、正しく恋する乙女!
ですが、戦神と見まがうばかりの鋭い太刀筋、流れるような采配、
凛々しくも爛々と輝く瞳も健在です。
さてさて、この鶯は恋を実らせることができるのでしょうか。
朝一番の戦場から、遡行軍の返り血を咲かせたままに
本丸の女王様は審神者のもとへ向かう。
昨日のお友達宣言の報告と、あとついでに任務報告へ。
鶯「今戻った。以上だ。」
主「お疲れ様~。うわぁ、今日も返り血の赤が鮮やか~タオルいる?」
鶯「そんなことより、大包平を落とすにはどうしたらいいと思う?」
主「え~?う~ん、まず返り血落とそっか。」
主「ていうか、ふられておしまいじゃなかったの?」
一「昨日の文面では、そのようだったかと。」
鶴「ふられてたな。」
鶯「会ったばかりではダメだというから、友人から初めてお互いを知ることになった。」
鶯「そのあとまた、告白するんだ。」
大「それは、遠回しにふられたのではないのか?」
鶯「違う。見ろ、今度ちゃんと会う約束をする。」
一「・・日程調整に入ってますな。」
鶴「まじでお友達から始める気か?何考えてるんだ。」
主「大包平、解説」
大「俺にわかるわけがないだろうっ!!!」
大「大方、このまま納得させるのは無理だと判断して長期戦に切り替えたんだろう。」
主「わかってんじゃん」
一「さすが、大包平殿ですな!」
鶴「まぁ、確かにLINEより会って話した方が早いなこりゃ」
鶯「そういうわけで、大包平を落とすにはどうしたらいいか考えてくれ。」
主「話聞いてた?」
鶯「あと、すまほの使い方を教えてくれ。」
鶴「そうだな、それからだな・・」
主(業務連絡の返事しかしない鶯がLINEしてる・・・)
鶴(返事だけ早いのは、予測変換ででるからか)
一「文字打ちが苦手ならスタンプという手がありますよ。このように、、」
鶯「すたんぷ」
大「こいつ、、!」
鶴「しれっと肩を抱くんじゃねぇよ!!!」
主「え~~、これうちじゃ手に負えないでしょ。担当ちゃん呼ぼ、担当ちゃん。」
『大包平』10:16
『(こんにちはのスタンプ)』10:16
『大包平のなまえがうてる』10:18
『(うれしいのスタンプ)』10:18
12:11【こんにちは。変換とスタンプを覚えたのか。】
12:11【向上に努めるのは、良いことだ。
俺の名前以外も徐々に変換できるようになるだろう。】
12:14【空いている日程だ。XX/OO、OO、OO
最初だからな、喫茶店で話をするぐらいでどうだろう。】
12:15【そちらの都合がつきそうな日を連絡してくれ。】
その日の午後、鶯丸は誉を独占し、帰城した足で顕現してから初めての有給を申請しにいった。
主(あ、返り血落としてある・・!)
主「え~~、これうちじゃ手に負えないでしょ。担当ちゃん呼ぼ、担当ちゃん。」
主「政府所属の大包平らしいけどなんか知らない?」
担「守秘義務がございますので。男士間の交友については、
特に制限はございませんとしか、、」
主「お役所仕事じゃん、、
担「ですが、個人的に恋バナは興味あります!」
主「さっすが担当ちゃ~~~ん!!」
担「セクハラです。」
主「そんなぁ・・!!!」
担「それで、鶯丸さんは何をお悩みですか?」
鶯「大包平を落としたい。」
担「もう少し具体的なものでお願いします。」
鶯「すまほで文字を打つの不慣れだ。まったく気持ちを伝えるに至らない。」
担「練習あるのみですね。スタンプ、はご存じのようですね。」
主「通話しちゃえば?」
鶯「通話、、」
主「え、もしかして、自分からかけたことない?」
鶯「ああ。教えてくれ。」
担「お手紙もいいかもしれませんね。」
鶯「手紙か!」
担「どちらもお相手に了承いただいてからのがいいかと思いますが。」
鶯「聞いてみよう!」
主「他には相談しておくことある?」
鶯「今度会うときまでに備えておくことはあるだろうか?」
担「そうですね、王道にお洒落はどうでしょうか」
主「お洒落!!!」
担「とっておきのコーディネイトを考えるとか、新しく揃えるなどですね。」
主「え~~~、鶯のおしゃれ見た~~い」
鶯「ふむ、取って来よう」
鶯「待たせたな」
鶴「よ!」
一「お邪魔いたします」
大「俺に荷物持ちをさせるとはな!」
主「いっぱいきたじゃん。え、荷物多っ、、」
担「衣装持ちなのですね。」
主「え、俺ジャージぐらいしか見たことないけど、うそじゃん・・」
鶯「たまに買い物に来ていくだけだな。」
一「おや?こちらは衣装だったのですか」
鶯「一期のそれは髪飾りだな。」
加「へ~、楽しそうなことやるらしいじゃん!」
乱「僕も混ぜて混ぜて!」
主「増えたな」
担「では、拝見いたしますね。」
鶯「頼む。」
鶴「え、そういう感じなのか、これ」
大「・・・」
加「わ、白ワンピかわいい!こういうの着るんだ」
乱「ネイビーの清楚系セットアップだ!僕とこれでお出かけしない?」
担「黒地に蝶の柄が素敵なお着物もありますね。」
主「・・意外に、いろいろ着るんだ。え、髪飾りやバックも豊富だ」
加「あ、これ俺がプレゼントしたネイル!」
乱「これ僕があげたシュシュだ」
主「ん?ん~~~?」
担「どうしました?」
主「担当ちゃん、ちょっと」
主「あのね、支払明細見ました。」
担「鶯丸さんはこまごまとした日用品程度しか、購入履歴がありませんでした。」
主「つまり、この衣装やら装飾品やらってさぁあ?」
鶯「全部もらったものだな。」
主「ど~~~~~いうこと??これ全部が?誰にもらったの?」
「「「いや、ちょっと落ち着こう」」」
鶯「白のフリフリしたのは鶴丸からだ」
鶴「いやぁぁーーーーー!!!!!!」
鶯「紺の楚々としたやつと、丈の短いのや光物がついてるのはだいたい一期だな」
一「あ”ーーーーーーーおやめください!おやめください!!!」
鶯「黒に蝶は大包平だったな?」
大「あ”ーーーーーーーーーーーー!!!!」
主「へぇ、、そういう趣味がね。」
加「少女趣味かぁ」
乱「これは前の主の影響じゃないよね~」
担「お姉さん系ですね」
「「「おわぁぁぁ-ーーー!!!」」」
その日、玉崎本丸規則に「過度な贈り物を禁ずる」が追加された。
加「他の男からのもらい物はよしといたほうがいいんじゃない?。」
鶯「そうか。」
乱「今回は無難なものを新しく買って、次回以降にそれとなく買い物に誘ってみたらどうかな?」
鶯「なるほど!」
担「最初は、お話から仲良くなるきっかっけを探すのがよろしいかと!」
主「頼もしい~~~~」
鶯「やはり、まずお互いを知る、からだな!」