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    minamikyo

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    800字のやつチャレンジ一日目。ココイヌ未満。クリスマスのそのあと。
    まとまらなかったので多分続く。

     新年。東卍の周回に顔を出し、黒龍として東卍の傘下に降った九井たちはこそこそと話しあう一番隊員から距離を置いてそれを眺めていた。
    「な、いきなり話さなくてよかっただろ?」
     九井の言葉に、乾は小さく頷く。その横顔からは心情は計り知れないが、早く花垣と話したがっているのはわかっていた。

     九井が土地ごと所有している元S•S Motorsのソファに座った乾が徐に「東卍の一番隊に着くことにした」と言った時には九井は目を丸くした。だが乾の突拍子がないのはいつものことだった。気を取り直して続きを促す。
    「ほんとは十一代目の黒龍を花垣に継いでほしかったんだけど、マイキーに止められた」
     さらに突拍子のないことに、乾は黒龍の頭に花垣を据えたいと言い出した。
    「なんでか聞いてもいい?」
     大寿が引退となり、他の黒龍のメンバーも一旦は解散とした。九井の私兵は呼べば集められるだろうが、現在は九井と乾の二人である黒龍に、何故花垣を据えたいのか。
    「……花垣は初代に似てるんだ」
     どこか嬉しそうに乾はそう言葉にした。
     ほとんど本能のまま、やると決める前に行動を始めてしまう乾だが、その実自身の気持ちを言葉にすることはあまりない。九井がしていることだって、乾の数少ない言葉から推測して動いているだけで、本当にそれが乾のしたいことなのかは定かではない。
     黒龍を初代の頃のようなものとして復活させたい、というのがここ数年乾のしたいことだった。
    「……それだけ?」
     思考を巡らせながら乾の次の言葉を待っていたが、一向に続きはなく、終に九井は聞いてしまった。
     九井の問いに、乾はそれ以外何か?と言わんばかりに頷く。
    「あーじゃあさ、しばらくはその話はしない方がいいぜ」
     物事には順序がある。昨日まで敵だった人間が急に仲間に、それもトップになってくれ、などと言っても信じる人間の方が少ないだろう。
    「なんでだ?」
    「いきなり総長になってくれって言ったって怪しまれるだけだろ? まずは傘下のチームとして信用を得ないと」
    「そういうもんか」
    「そういうもんだよ」
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