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    LEON_OHKA3

    @LEON_OHKA3
    最近マッシュルにハマりました。🪐‪右が好き。

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    LEON_OHKA3

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    ランスが媚薬10本飲まないと出られない部屋に入れられた話3 オタラン⏳🪐

    あの後オーターさんの家で俺は2日間眠ったままだったらしい。
    今は寮に戻って、いつもと変わらない日々を過ごしている。
    過ごしているが……
    「なんでお前は俺の後を付いてくる」
    ドットが俺の視界から消える事が無くなった。
    「別にぃ〜。たまたま行く方向が同じなだけだろ。つうか部屋一緒なんだから仕方ねぇだろ」
    部屋や授業は仕方ないとしてもだ、昼飯を食う時も、休憩時間も、こいつはずっと俺のそばに居る。
    特につっかかってきたりはしないが、気になって仕方がない。
    「ふん。俺は部屋に戻る」
    「俺も戻るわ〜」
    はぁ。もうこいつの事は空気だと思う事にしよう。
    何か癇に障ることしたら即沈めてやる。
    俺は自室へ向け歩みを進めた。
    最近オーターさんは忙しくしているらしく、会いに行こうとしてもなかなか都合がつかないようだった。
    先日の事、直接会って礼を言いたいのに。
    「……会いたい」
    「あ?なんか言ったか?」
    「お前にじゃない。煩い」
    ドアを開けそのままベッドに倒れ込む。
    俺……嫌われたかな。
    結局あの日目が覚めた時も、朝食を用意してくれた後すぐ出かけてしまって、ろくに話も出来なかった。
    ……ダメだ。しっかりしろ。まだ直接言われた訳じゃない。
    俺はベッドから飛び起き、身支度をした。
    「おいドット。魔法局にいるオーターさんに会いに行く。」
    「おお、急だな。」
    「どうせお前も来るんだろう」
    「お供させて頂きますよ」
    俺たちは寮を後にして、魔法局へ向かった。
    ちゃんと話さなきゃダメだ。あの部屋の事も。そして伝えるんだ。
    俺はオーターさんが大好きだと。

    その後
    無事に時間を作ることができ、ランスはオーターに事情を全て話した。
    それを聞いた更に数日後、犯人はライオの手によって捕まった。

    オーター自宅
    「オーターさん。改めて礼を言う。本当に迷惑をかけた。ありがとう」
    「気にするな。当然のことをしたまでだ」
    カチャリとメガネに手を当てオーターさんは俺を向く。
    「……1つ、確認したい事がある」
    「なんだ」
    どうしてもこれは聞かなければならない。
    だが、言葉にするのが恥ずかしい。でも、聞かないと俺はずっとモヤモヤしたままだ。
    意を決して言葉を紡ぐ。
    「オーターさんは、その…俺を抱く、気は…なかった……のか」
    「……」
    あの時の俺どうかしてるだろ。顔が赤くなっていくのが自分でも分かった。
    「いや、やっぱりいい。聞かなかったことにしてくれ」
    慌てて俺は顔を逸らした。
    「まだ」
    「え?」
    「お前がまだ子供だから、あの時は抱かなかった。」
    「……俺はガキじゃない」
    子供扱いされることは今に始まったことじゃない。
    でも俺も自立してるし、ガキだって言われるほど低レベルでもないと思っている。
    まぁ、この人からしたら7つも離れてるわけだし、年下なのは変えようのない事実だが。
    「それに、薬の力でお前に媚びられても嬉しくなかったのは事実だからな。」
    「なっ」
    「素の時にやられたら、抱いていたかもしれない」
    「っ…あんた狡いよ」
    オーターさんはからかうように俺に言った。
    そんなのまだ恥ずかし過ぎて言えるわけないだろ。
    「顔、赤いぞ。」
    「うるさい。」
    俺はガキみたいに拗ねた顔で、オーターさんを見た。
    「ランス」
    「ん?」
    「ちゃんと、お前の事は好きだ。安心しろ」
    「っ!?は、はぁ?なっ」
    「私からこの言葉が聞きたかったのだろう」
    なんでこの人こんな無表情で恥ずかしい事言ってんだ。
    そしてそれが事実なんだから俺は何も言い返せない。
    悔しくなって、俺はオーターさんのネクタイを引っ張ってキスをした。
    「……」
    「……」
    「可愛い事するんだな」
    「俺も」
    「…」
    「俺も、オーターさんが好きだ」
    「知っている」
    オーターさんは俺を抱き締めてくれた。
    ああ、好きだ。
    俺が勝手に最悪の事を想像していただけだと。そう確信できた。
    安堵して俺はオーターさんの腕の中に身を預けた。

    END


    おまけ
    ランスが睡眠薬で寝た後の事

    「……眠ったか。」
    ランスの規則正しい寝息がオーターの心を落ち着かせていく。
    正直あのままランスに煽られていれば危なかっただろう。ギリギリの理性で何とか耐え、ランスを眠らせる事が出来た。
    平静を装ってはいたが、内心ランスが可愛すぎて目を合わせることが出来なかったのだ。
    そのため、普段より冷たくあしらってしまったかもしれない。
    そう思い、オーターは深いため息を吐いた。
    「……ライオか。私だ。至急媚薬の解毒薬を私の家に届けてくれ。持ってこれるだろう。事情は家で話す。」
    オーターは魔法局に居るライオに連絡を取り、解毒薬を持ってくるよう依頼した。
    眠っている間に解毒薬で症状を治せば、目が覚めた頃には身体も元に戻っているだろう。
    「しかし、一体誰がどうやってランスを」
    あのランスがこんな状態まで追い込まれたのだ。とてつもなく厄介な案件だとオーターは思考を巡らせた。
    「オーター、持ってきたぞ」
    ライオがオーターの家に到着し、解毒薬を渡した。
    「助かった。礼を言う」
    オーターは注射器でランスに解毒薬を注入する。
    「しかし、まさかランスくんが被害にあっているなんてな」
    「あぁ、私も驚いている。」
    オーターは自分の知る限りの事をライオに説明した。
    「成程。俺の方でも調査してみるよ。ランスくんにボディーガード付けた方がいいんじゃないか?」
    「ランスには暫くドットを付ける。あからさま過ぎるとあいつは嫌がるだろうしな。」
    「確かに。彼ならランスくんの友達だし、同室だから都合がいい」
    「ドットなら私も安心して任せられる」
    「じゃあ俺は戻るよ」
    「ランスが目覚めたら私も魔法局に戻る」
    ライオが家から出た後、オーターはランスの眠るベッドの横に腰をかける。
    「……まだ子供なんだ。お前は。……すまない」
    オーターは眠るランスに向かってポツリと呟く。
    静まりかえる部屋の隅、小さな明かりの下で、本を読みながら、愛しの恋人が目覚めるのを待った。
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