俺はランス・クラウン。神覚者だ。
突然だが俺は今ある薬によって猫のしっぽと耳が生えている。
事の発端は思い出したくないので割愛するが、そういう状況だ。
暫くすれば元に戻るらしいので、今日1日これで過ごせと言われた。
何故俺だけこんな目に合わなければいけないんだ。
嘆いていても仕方がないので、俺は自室で1日過ごすことにした。
「眠い…」
猫化の影響か寝ても寝ても眠い。
まだ課題が終わっていないというのに。
少し仮眠するかとも思ったが、そう言って先程も仮眠を取ったばかりだ。
幸い提出期限は来週なので、もう今日は課題を諦めることにした。
外に出て気分転換でもしたいと思ったが、できるだけこの姿は人に見られたくない。
「ふぁ…」
それにまだ眠いんだ。
俺はベッドへ潜り込むと、そのまま眠ってしまった。
「ん…」
あれから数時間経った頃、俺は目覚めた。
まだ耳としっぽは現在だった。
辺りを見回すと、ドットが課題をしていた。
「帰ってたのか。」
「ん?おう。おはよ。」
軽く挨拶を交わし、俺は洗面所へ向かった。
顔を洗い戻ると、ドットは課題を終えティータイムを始めていた。
「てめぇの分もあるぜ」
「ああ。いただこう。」
紅茶のいい香りに惹かれ、俺はドットの目の前の椅子に座った。
「しかし…本当に猫になってるとはな。」
「…あまりジロジロ見るな。」
「なぁ、少し触ってみてもいいか?」
ドットは前のめりになり手を伸ばしてきた。
「嫌に決まってるだろ。」
俺はその手を振り払った。
「こんな事滅多に無いんだし、少しくらいいいだろ!」
「っ、おい!やめろ」
再びドットの手が伸びていき、猫の耳に触れられる。
「ケチケチすんなよ。おおーすげー。触り心地いいな。」
ビクッと身体が跳ねる。
「んっ、やめろ」
なんだこの感覚。ゾクゾクと背中を走るような…
ドットの手はそのまま俺の頬も撫でた。
「なんか本物の猫みたいで可愛いな。」
嘘だろ。撫でられてるだけなのに、すごく気持ちがいい。
ゴロゴロ…
「っ!?」
今の…俺から出た音なのか?
「ほーら気持ちいいんだろ?喉鳴ってんぞ。」
「ちが、やめろ!」
俺の口から出る言葉とは裏腹に、喉は鳴り止まず、挙句こいつの手に擦り寄ってしまっている。
「よしよし。気持ちいいな〜。」
こいつ…人の気も知らないで。
でも気持ちいいのは事実で、頭が混乱している。
ダメだ、気持ち良すぎて思考が。
「ん…」
いつの間にか俺はドットの腕の中にいて、耳やら頭やらを撫でられている。
抵抗出来ない。
「ど、と…んっ!」
上を見上げると同時にドットにキスをされた。
確かめるように舌を絡め取られる。
頭がふわふわしていた。
「んぁ…っ、ど…と」
「やっぱり。舌ザラザラしてんのな。」
ああ、いつもと感触が違ったのはそれか。
ボーッとした頭で結論にたどり着いた。
ドットはそのまま俺を抱き抱えると、ベッドに降ろされた。
「お前…何して」
「んー。せっかくだし、猫吸い。やってみたかったんだよな。」
猫吸い?
なんだそれは。
するとドットは俺のネクタイを緩め、首元に顔を埋めてきた。
「すーっ。はぁ…確かにこれは、堪んねぇな」
「っ、おい、…匂い嗅ぐな、ぁっ」
猫吸いってそういう事か。
抵抗しようとしたが、両手で頭と頬を撫でられれば、そんな気持ちもどこかへ消えた。
「んっ…どっと」
ビクビクと身体が震える。
急にドットは首元を舐めてきた。
「ひっ!ぁ…」
「可愛い」
「もう、…やっ…どっと」
気持ちいい。気持ちいい。
性感帯に全く触れられていないのに。
「すげートロトロになってんな」
「はぁ、…ぁ、や、だ…きもち、い…止まらなっ」
「っー!これ、やべぇ。えろすぎ」
ドットは俺から急に離れた。
嫌だ。止めないでくれ。
「あ、…んぅ」
俺はドットの腕にしっぽを絡ませた。
もっと、撫でて欲しい。
「お、おい…ランス」
「やめ、ないで…くれっ」
俺の脳はもう完全に気持ちいい事しか考えられなくなっていた。
「これも猫化の影響なのか?」
「どっと、おねが…」
ドットの手がまた俺を撫でる。気持ちいい。
ゴロゴロと喉が鳴るのが止まらない。
「んっ、…気持ちいい。」
「…ここが好きなのか」
頬の手が顎下へと移る。そこも気持ちがいい。
「すき…気持ちいい。どっと…」
「これ、生殺しすぎんだろ」
「んっ、ふぁ…んんっ」
ドットの顔が近付いてくると思ったらキスをされた。
やばい。気持ちいいのが止まらない。
「はっ、…」
ボタンが外されていく。
その間もずっと頭を撫でられていた。
ああ、…意識が。
俺はそのまま眠りについた。
翌朝
「やっと戻った…」
頭を触っても耳がない。
これでいつも通り過ごせる。
ベッドから起き上がると、すぐ隣でドットが寝ていた。
そう言えば昨日……
俺は昨日の記憶を思い出してしまった。
ハッキリと覚えている。
「っー!…オレは…なんて事…」
顔が真っ赤に染まるのが自分でも分かった。
最悪だ。
「ん……ランス?」
俺は隣のドットの方を向いた。
「…はーん。戻ったんだな。そして思い出したんだな。」
ドットはニヤニヤしながら俺を見てきた。
「いやー昨日のお前ほんとに可愛かったなぁー。普段もあのくらい可愛かったらいいのによ。」
俺はドットの頭を殴った。
「いってぇ!」
「忘れろ」
「はぁ?嫌だね」
とんだ醜態を、しかもこいつに晒してしまった。
「っ、忘れてくれ…」
「はぁー。じゃあオレのコレ、処理するの手伝え。」
ドットの下半身は膨れ上がっていた。
「何だそれは」
「何だじゃねぇ!てめぇのせいでお預け食らったんだよ!いいとこで寝やがって…」
そういえばシャツ脱がせようとしてたような?
「……はぁ、仕方ないな。…口で我慢しろ」
「え、口でやってくれんの?」
「まぁ、オレも…悪かった…し」
俺はドットのパンツに手をかけた。
「はー。相変わらず下手くそだな。でもそれがいい」
「喧嘩売ってんのか貴様」
「いや褒めてんだよ」
「どこがだ」