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    LEON_OHKA3

    @LEON_OHKA3
    最近マッシュルにハマりました。🪐‪右が好き。

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    LEON_OHKA3

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    オタラン⏳🪐
    ランスがおつかれのオーターさんを寝かしつける話

    「ランスくん。ほんとにごめんね。君にしか頼めない事があるんだ」
    俺は今カルドさんに呼ばれ、魔法局にいる。
    どうやら連日徹夜続きでまともに寝てないオーターさんを寝かせてあげて欲しいとの事だ。
    カルドさんや他の神覚者が何度声を掛けても、言うことを聞かないという。
    「作業効率も悪いだろうし、何より危なっかしくてね。今日だってあちこちの柱にぶつかっているんだ。」
    あのオーターさんが…
    「君ならオーターのお気に入りだし、僕達歳上から言われるより、素直に聞いてくれるかなって思ってね。」
    「…俺が言ってもダメかもしれないが」
    「まぁ、最終手段はあいつを気絶させるって事になるかな」
    「はぁ。」
    「でもさすがにこの手段は取りたくないからさ、頼んだよ。ランスくん」
    俺はカルドさんの依頼を引き受けることにした。

    カルドさんに案内され、俺は食事を持ってオーターさんの居る書斎に来た。
    「オーターさん、ランスだ。食事を持ってきた」
    「ランス?…入れ」
    オーターさんから入室の許可をもらい、部屋に入る。
    机には山積みの書類。部屋も少し薄暗い。
    オーターさんの顔を見ると、確かにクマがある。
    心做しかやつれても見える。
    俺が入っても書類から目を離すことはなく、淡々と手を動かしていた。
    「…ここに置いておく。」
    俺はソファーの前にあるテーブルに食事を置いた。
    「ああ」
    相変わらず返事だけで、こっちを見向きもしない。
    俺はソファーに座ってどうしたものかと考える。
    「…何か用か」
    オーターさんは書類を見つめたままそう言った。
    「俺昼飯まだなんだ。一緒に食べないか」
    そうだ。何か口にすれば自然と眠気もやってくるかもしれない。俺も食事はまだで、ついでに持ってきた。これならいけるんじゃないか。
    「今手が離せない」
    即答。無理だ。この人机から動こうとしない。くそ。こうなったら…
    俺はオーターさんを見る。
    「…俺が…あんたの為に作ったんだ。…食べて、くれないのか」
    先程ここに来る前に、「君の手料理なら絶対食べるから」とカルドさんに言われ、厨房を借りて作ってきたのだ。
    食事もろくに取ってないだろうと、カルドさんは言っていた。
    ピクリとオーターさんは俺の言葉に反応し、こっちを向いてくれた。
    カタン
    机からオーターさんはソファーへと向かってくる。
    俺の隣に腰を下ろすと、食事に手を伸ばしてくれた。
    「…うまい」
    オーターさんはそう言って、暫く食事を楽しんでいる。
    良かった。俺も安心し、一緒に昼飯を食べた。

    食事を全て平らげてくれたオーターさんは、コーヒーを飲んだ後また机へと戻っていく。
    俺はすかさずこの人のシャツの裾を掴んだ。
    「…まだ何かあるのか」
    どうする。放っておけばこの人はまた寝ずに仕事を始めるだろう。
    というか、腹が満たされたんだから少しは眠気とか来るだろ普通。
    しかしカルドさんから頼まれた以上やるしかない。
    俺は1度掴んだシャツを離し、両手を広げた。
    「…」
    「オーターさん」
    俺はまっすぐにこの人を見る。
    すごく恥ずかしい。が、今更手を引っ込める訳にも行かない。
    「どうした」
    「眠い」
    「そこで寝ていても構わないぞ」
    「…一緒に添い寝…してくれないか」
    羞恥心に負けるな俺。
    カルドさん、これでダメだったら俺にはもうどうする事も出来ない。
    最後にもう一押し。
    「…だめか?」
    何かをお願いする時に、首をこてんと倒して上目遣いで見つめられれば、どんな奴も素直に頷く。
    と以前ドットから聞いていた事を思い出し、実戦してみた。
    ここまでやったんだ、これでダメなら流石に泣く。
    「っ…キリが良くなったら…添い寝してやる」
    それはいつなんだよ!くそっ、これは言いたく無かったが…最後の手段だ。意を決して口を開いた
    「オーターさんは、俺のお願いより…仕事の方が、大事なのか」
    めんどくさい彼女みたいな台詞だ。「これ言われたら流石のオーターも折れるよ」とカルドさんから受けたアドバイスを言ってしまった。
    これでオーターさんに嫌われたら一生あの人の事恨むぞ…
    オーターさんの眉毛がピクリと動く。
    「……」
    俺の方にオーターさんが近付いてくる。
    そのままスポッと俺の腕の中に、オーターさんが収まった。
    「…え」
    これは、成功したのか。
    俺はこの人を逃がさないように抱き締め、そのまま頭を撫でた。
    「少しだけだぞ」
    そう言ってメガネを外し、テーブルに置いた。
    良かった…何とか仮眠を取ってくれそうだ。
    暫く撫でていると、スーっとこの人の寝息が聞こえた。
    はぁ。安心したら俺も少し眠くなってきたな。
    オーターさんが俺に抱き着くように寝ているため、身動きが取れないし、このまま俺も少し寝よう。俺は目を閉じ、オーターさんの温もりを感じながら眠りについた。

    数週間後
    「ほんとにごめんね。また君に頼みたいことが」
    オーターさんの事で、俺がカルドさんから呼び出される回数が増えていた。

    END




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