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    LEON_OHKA3

    @LEON_OHKA3
    最近マッシュルにハマりました。🪐‪右が好き。

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    LEON_OHKA3

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    オタラン⏳🪐
    ランスがオーターさんに看病される話

    今日は図書館に行き、その後オーターさんの家へ行く予定だった。
    オーターさんには予め図書館に寄ってから行くことを伝えていた。
    外は雪が降っていて、とても寒かった。
    「…寒い」
    寒さに弱い俺は、いつもより厚着をして寮を出た。

    こんな寒い日に外出する奴なんて居ないのだろう。図書館は静かで、殆ど人が居なかった。
    俺はいつもの隅で本を広げて、調べ物を始めた。
    暫くして…
    「…やばい、眠気が」
    連日調べ物でろくに寝れてなかったからか、ウトウトし始めてしまった。
    時刻は16時。オーターさんの家に行くのは18時の予定だ。
    あの人の家に行った後、また眠気に襲われるのは嫌だと思い、少し仮眠を摂ることにした。

    「ぅ…寒い」
    俺は寒くて目が覚める。はっと辺りを見回すと、照明が全て消され真っ暗だった。
    あれ、今何時だ。
    壁に掛けてある時計を目を凝らして見ると、もうすぐ19時になるところだった。
    あの後3時間もここで寝てしまっていたのか!
    すぐさま本を片付け図書館を出ようとするが
    「開かない?!」
    いつもならこんなに早く退官時間にならないはず。
    ふとカウンターを見ると、
    雪のため本日18時閉館
    と書かれてある。
    しまった。
    俺は扉を背にズルズルと崩れ落ちた。
    図書館に閉じ込められた。
    そもそも中に人がいるか確認してから閉めるだろ普通…
    どうする。
    無理やりドアを破壊するかと思ったが、こんな事で騒ぎにはしたくない。
    「っ…寒すぎ、る」
    暖房も既に切られていて、俺の身体は徐々に体温を失っていく。
    さっきから声も震えて、まともに魔法も唱えられない。
    誰か…
    オーターさんなら、時間になっても来ない俺の事を不思議に思って来てくれるかもしれない。
    「たの、む…」
    頭もぼーっとしてきた。この状況で寝るのはさすがにまずい。
    けど
    俺は気が付いたら意識を失っていた。

    次に目が覚めたのは、暖かい部屋のベッドの上だった。
    「…ここ、は」
    「私の部屋だ」
    声がする方を見ると、オーターさんが居た。
    あれ、俺は図書館に閉じ込められて…その後の記憶がない。なぜここに居るんだ。
    「俺…なんで」
    「お前は図書館で気を失っていたんだ」
    そう言ってオーターさんは事の成り行きを説明してくれた。
    俺が時間になっても来ないから、寮にいるドットに連絡をしたらしい。
    そしたら寮にも帰ってないと言われ、図書館にいる可能性が高いと今度はそこに電話をかけたら、誰も出なかった。
    それで直接図書館に行ったら鍵がかかっていて、中に人影が見えたからこの人は魔法で開けて俺を連れ出した。
    その後そのまま俺を連れて帰り、医者に来てもらったらしい。
    「かなり体温が下がっていたからな。」
    そう言ってオーターさんは俺の頬に触れる。
    「まだ、少し冷たいか」
    この人の手、暖かい。
    俺はオーターさんの手に頬を擦り寄せる。
    「暖かくて、気持ちいい…」
    心の声がつい口に出てしまった。俺の頭はまだぼーっとしていて、正常に働いていないらしい。
    「っ、…ホットミルク…飲めるか」
    そう言ってそっぽを向いてしまったオーターさんは、テーブルに置いてあったミルクを俺に差し出した。
    「…ああ。」
    俺は上体を起こし、カップを受け取り飲んだ。
    「美味しい」
    「そうか」
    久しぶりに体調管理を疎かにしてしまった…不甲斐ない。
    オーターさんにも迷惑をかけてしまった。
    「ん…けほっ」
    喉も少し痛い。
    「今日はもう休め。」
    「でも、俺…寮に、帰らないと」
    とっくに門限は過ぎていたが、あいつらに迷惑をかける訳にはいかない。
    俺はベッドから起き上がろうとしたが、オーターさんに止められた。
    「レインに連絡を入れた。心配はない。それに、ドットにも風邪が移れば面倒になるだろう」
    何から何までこの人に世話になりっぱなしだ。
    長男としてだらしがないな俺は。
    「ありがとう。オーターさんは平気なのか」
    そこまで大した風邪ではないと思うが、この人に移してしまったらそれこそ申し訳なくなる。
    「私はそんなにやわじゃない」
    そう突っぱねられたが、オーターさんは俺の頭を撫でるのを止めなかった。
    「…迷惑をかけた」
    「そうだな。…冷たくなったお前を抱いたとき、冷や汗をかいた」
    「……」
    「ランス、お前は自分の事を後回しにする癖がある。クマがあったから元々寝不足だったのだろう。」
    「…」
    図星だ。この人にはなんでもお見通しなんだな…
    「もう少し自分を大事にしろ。」
    「…はい」
    「分かればいい。もう寝ろ。」
    そう言って、オーターさんの手が俺の瞼を閉じる。
    「うん。オーターさん。」
    「なんだ」
    「おやすみ」
    「…おやすみ」

    END
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