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    とろん

    光ミツばっかり描いてます~
    ミツバの方が絵は多め…

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    とろん

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    注意!
    以前少しだけTwitterで上げた話をまとめています。
    時系列はオペラ座の光ミツエンドからしばらく経った頃の話を書いています。
    本家オペラ座の花子くんでは、登場人物を役職名で呼んでおりましたが、それぞれの名前を使ってます。ミツバ、寧々、光など。
    呼び方も原作と違う事があります。
    ストーリーの関係上でそうさせて頂いてます。少し違和感があるかもしれませんがご了承ください。

    それではどうぞ!

    オペラ座~光ミツその後編~


    ここに来てどのくらいの日にちがたったんだっけ。

    あの日、源君に連れられて僕はここに来た。

    ここは何不自由ない環境だけど
    僕はまた歌いたいと思うんだ。

    あの広いステージで、脚光を浴びる。

    それを味わうことはもうできないのかな。

    源君にこの話を伝えてみた。

    ミ)源君、僕また歌いたいよ。

    光)おっ?いいぜ。
    今日は何聞かせてくれるんだ?

    ミ)えっと…そうじゃなくて

    光)…ミツバ?

    ミ)僕、またステージに立ちたい。
    沢山の人に歌を聴いて欲しい。

    そう言うと、源君は少し驚いたような顔でこちらを見た

    僕は続けた。

    ミ)僕、喉の調子もいいんだ。
    もうつかさくんもいないし

    光)あいつの名前を出すな!

    ミ)!!

    突然源君は大声を上げた

    ミ)…あっ…ごめん

    光)いや、悪かった。

    少し気まづい空気が流れる

    光)…いいんじゃねぇか?

    ミ)え?

    光)だから、ステージに立つの。

    ミ)いいの!?

    光)あのでっかいさすがにステージは無理だろうけど
    小さいステージなら用意することは出来ると思う
    ただ、あの場所に噂が伝わらないようにしないとな。信用してる場所があるんだ。
    そこでならお願いしてやってもいいぞ

    ミ)…!!ありがとう!源君!

    また歌えるんだ!と目をキラキラさせながら話すミツバ。

    ミ)よーし!そうと決まれば練習だ!
    何歌おっかなぁー?
    実はずっと源君だけに歌ってたからちょっと飽き飽きしてたんだよね!

    光)なっ!!

    ミ)こーんなに長い間僕の歌を独り占め出来てたんだから、感謝してよね!!源君!

    光)(ふっと笑う)わかったよ。

    数ヶ月後 本番当日
    築何十年たったかわからない、整備が行き届いていない建物の前に二人は立っていた。

    ミ)うわっボロっ僕ここで歌うの?

    光)仕方ねぇだろ!綺麗すぎても目立つし…

    ミ)あんなでかいところの後援者なんだから
    もー少しマシかと思ったけどね

    光)ぐっ

    ミ)でも、また歌える機会を作ってくれてありがと、まぁーこんな小さなとこでも?
    僕はスターになっちゃうからみててよね!

    ニコッと笑うミツバに光は少しだけほっとした表情を浮かべる

    …その頃観客席の奥の方に座る人影があった。



    本番直前、舞台袖から観客席を確認するミツバ

    ミ)…見たところ10人くらいかな…
    (あ、やばい。久しぶりすぎて緊張してきた…昔は何万人もの前で歌ってたのに…
    でもあれはつかさくんが…
    いや!今はこの舞台をしっかりやらなきゃ!
    何人でもいい!僕のめいいっぱいを出して楽しもう!)

    ブーーーー

    ブザーがなり、幕が上がる。
    拍手とともに舞台の中央まで行き、お辞儀をするミツバ
    歌い始めると、聞いていた人達はとても静かに心地よさそうに聞いている。


    ミ)•*¨*•.¸¸♬︎
    (これが今の僕のめいいっぱい…!)

    歌が終わり拍手が聞こえてくる
    それは、あのオペラ座の人気歌手の時代とは比べ物にならないくらい小さく、少ない拍手だった。


    ミ)楽しかった…楽しかったけど
    あぁ…やっぱりもっと大人数の前で…僕は…







    …舞台が終わり、楽屋に光とミツバでいる。





    光)舞台、よかったじゃねーか。
    見に来てくれた人達も全員良かったってまた聞きたいって話してたしな!

    ミ)うん、嬉しそうにしてくれてよかったよ
    …ただ…。

    コンコンコン
    ドアを叩く音がする

    光)ん?誰だ??

    ドアを開け、ノックした人を見る

    ?)光君!ミツバくん!

    光)…え!寧々さん!?

    そこにはあの日、人気歌手の代役を見事にこなした新米歌姫の姿があった。
    新人歌手は続ける。

    寧)わぁ~!久しぶり!
    光君たち全然戻ってこないんだもの!
    支配人さんにも話したけどどこに行ったのか教えて貰えなかったのよ?
    あ!ミツバ君、喉はもう大丈夫なの?
    あ…あんなに綺麗な歌声、聞いたらわかるのに…ごめんね。
    どうなったのか気になってて、つい…

    毒を飲み声が出なくなったミツバの事を思い出しながら、俯きがちに質問する

    ミ)綺麗だったでしょ?僕なら大丈夫!

    心配を吹き飛ばすように笑顔で応答する

    寧)そう…
    それならよかった
    それにしても酷いことしたわよね!
    あの怪人さん!大丈夫よ!
    私が強く言いつけておいたから!

    ミ)あ、えーっと…じー(ミツバが光を見る)

    毒を持ったのはこいつですと言いたげな目線で光を見る

    光)あ、ありがとうございます…

    ミツバの視線に耐えきれず、光が新米歌姫に感謝を述べる

    寧)それよりも、本当に2人とも元気そうでよかった
    それにミツバ君の歌声、前に聞いた時より活き活きしてた気がするの。
    すごい素敵だったよ

    ミ)前よりも…

    以前オペラ座の舞台で歌い、大きな拍手を貰った時のこと、数々の楽しい出来事が頭をよぎる。そして咄嗟に言葉を発した

    ミ)僕!またあの場所で歌いたい!

    光、寧)!!

    ミ)また、あの場所で、脚光を…もごもご

    光が慌ててミツバの口を手で抑える。

    寧)光君?今ミツバくん歌いたいって…

    光)あ、いやー今はあのオペラ座も色んなことがが変わっているだろうし、こいつはまだオレのところで預かる予定なんで

    ミ)なにすんのさ!もごもご

    必死に逃げようとするも、あっさり掴まってしまう

    寧)そう…
    私たちは何時でも光君達の帰りをまっているし、歓迎するわ。
    そうだ!お手紙を送りたいから住所だけでも

    光)あー、ごめんなさい。
    輝兄から誰にも伝えるなと言われているので…
    でも手紙は嬉しいです。
    輝兄に渡してもらえればどうにか届くと思います。

    寧)…支配人さんに、わかったわ。

    光)にしても寧々さんここをどうやって?

    寧)それは…あなたたちを知らない団員の子がたまたまここの話を小耳に挟んだみたいで、聞いたら2人の事みたいだったから飛んできてしまったの。突然押しかけたみたいになってしまってごめんなさい。

    光)そうでしたか。
    いえ。オレも会えて嬉しかったです。
    でも、出来たら今日のことは内緒にしていただきたいんです。

    寧)え?団員たちに無事を伝えたかったのだけど…

    光)寧々さんが知ってくれてればそれで十分です。だから、お願いします。

    寧)なにか事情があるのね…。わかったわ。
    伝えないでおきます。

    光)ありがとうございます。

    光)ほら、帰るぞ!ミツバ!

    ミ)もごもご…ぷはっ!
    源君!何勝手に話つけちゃってんのさ!

    光)いいから、いくぞ。

    そう言った光の顔は、少し曇っていた。

    帰宅後、家

    光)ミツバ。

    ミ)んー?

    光)あの、昼間は遮って悪かったな
    そんなに…あのステージで歌いたいのか?

    ミ)…うん。

    ミ)あ、でも今日のステージで歌えたことは本当に感謝してるよ。
    僕の今の精一杯も出せたし、楽しかった。
    でも最後の時に思ったんだ。
    大勢の人に僕の歌を聴いて欲しい。
    もっと、もっと!

    僕、歌うこと大好きなんだ。
    たくさんの人に囲まれていられるから。
    聞いてくれて、いいって言ってくれて
    生きがいだったんだなって気づいたんだよ。

    だからいつか。
    今じゃなくて全然構わないから。
    源君が僕に、大きな舞台を用意してくれるって期待しとくから。


    光)…あぁ。


    それから数ヶ月後

    家のチャイムがなる。
    光がドアの前に行く
    ドアを開けるとそこには支配人の姿があった


    輝)こーう。
    僕を郵便屋さんに転職させるつもりかい?

    光)輝兄!

    輝)寧々さんに言われて手紙、持ってきたよ

    可愛らしいピンクの封筒で表面には
    光くん、ミツバくんへと書かれていた。

    輝を家の中に招き入れ、お茶を出す。

    光)わざわざ輝兄じゃなくても良かったのに…

    輝)随分と光の顔を見てないから気になって。
    最近はどう?

    光)輝兄がここを用意してくれたおかげで、
    特に変わりなく元気にやってるよ
    そっちは?

    輝)あぁ、新米歌姫の寧々さんか今大活躍してくれててね。大盛況さ。

    光)そっ…か。寧々さんが…
    あの人ならそうなると思ってたよ。
    オペラ座へ支援はしてるけど状況は分からなかったから聞けてよかった。
    ありがとな!兄ちゃん!

    光の笑顔にほっとする輝。

    輝)元気な弟の顔が見れて良かったよ。
    また遊びに来るから。

    光)おう!

    その後、約束どうり大きな舞台の真ん中で
    とても楽しそうに歌うミツバと観客席で聞く光の姿があったのはまた別の話。

    END
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    とろん

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    時系列はオペラ座の光ミツエンドからしばらく経った頃の話を書いています。
    本家オペラ座の花子くんでは、登場人物を役職名で呼んでおりましたが、それぞれの名前を使ってます。ミツバ、寧々、光など。
    呼び方も原作と違う事があります。
    ストーリーの関係上でそうさせて頂いてます。少し違和感があるかもしれませんがご了承ください。

    それではどうぞ!
    オペラ座~光ミツその後編~


    ここに来てどのくらいの日にちがたったんだっけ。

    あの日、源君に連れられて僕はここに来た。

    ここは何不自由ない環境だけど
    僕はまた歌いたいと思うんだ。

    あの広いステージで、脚光を浴びる。

    それを味わうことはもうできないのかな。

    源君にこの話を伝えてみた。

    ミ)源君、僕また歌いたいよ。

    光)おっ?いいぜ。
    今日は何聞かせてくれるんだ?

    ミ)えっと…そうじゃなくて

    光)…ミツバ?

    ミ)僕、またステージに立ちたい。
    沢山の人に歌を聴いて欲しい。

    そう言うと、源君は少し驚いたような顔でこちらを見た

    僕は続けた。

    ミ)僕、喉の調子もいいんだ。
    もうつかさくんもいないし

    光)あいつの名前を出すな!

    ミ)!!

    突然源君は大声を上げた

    ミ)…あっ…ごめん

    光)いや、悪かった。

    少し気まづい空気が流れる

    光)…いいんじゃねぇか?

    ミ)え?

    光)だから、ステージに立つの。

    ミ)いいの!?

    光)あのでっかいさすがにステージは無理だろうけど
    小さいステージなら用意することは出来ると思う
    ただ、あの場所に噂が伝わらないようにしないとな 3514