誠と由華の会話文誠「ほらこれ。由華、好きだったろ?」
由華「うん、好き。覚えててくれたんだ……」
誠「前、うまそうに食ってたからな」
由華「ありがと」
誠「学校、忙しそうだなー。目の下クマできてんぞ」
由華「え!?嘘……わぁ、ほんとだ。隠したはずなのになぁ。お兄ちゃん目敏い……」手鏡で確認する。
誠「そりゃ、可愛い妹の事だからな。すぐ気づくよ」
由華「……っ。もう!何それー、シスコンじゃん」
誠「あれ?知らなかったー?」
由華「はいはい。酔いが回るにはまだ早いわよ、お兄ちゃん」
────和やかに宅飲み中
由華「お兄ちゃん」
誠「ん?どした?」
由華「あのね、ずっと言えなかったんだけど……私、お兄ちゃんのこと──」
誠「──……あー、由華ごめん!タバコ切れそうだから買ってくるわー」
由華「え、あ……待って、まだ話は」
誠「由華。まだいるなら何かいるか?コンビニで売ってるやつで」
由華「そうじゃなくてっ!お兄ちゃん!私の話を」
誠「──今度でいいだろ?すぐ会えるんだしさ」
由華「お兄──……」
誠「もし帰る時は、いつものとこに鍵置いててな。おやすみ」部屋から出ていく。
由華「……っ…………どうして、いつも逃げるの?お願いだから、一度だけでいいから、私と向き合ってよ……」
由華が気持ちを伝えようとすると、こんな感じで誠は逃げる。
まあ、どうしてって逃げるやろこれ、とは思うけど……実の兄妹だし。
誠は由華の気持ちを聞いた上で、由華が吹っ切れるよう諭してやるほど善人じゃない。ただただ面倒臭い。
誠は由華についてはすぐに変化に気づく。身近で関わりが多い人間だから、その他大勢よりも情報を記憶するようにしてるし、気を回したりもする。この辺は計算というよりは本能的にやってる事。
あまり人のデータを覚えないのに、自分のことは覚えてくれてる。
周囲と軋轢でない範囲で、他者より特別感を持たせてくれる。
時に他者に対して酷薄な一面を見せるが、自分には優しい。
そういうのを幼い頃から享受させられた由華は、徐々に誠に惹かれてる。一種の洗脳だよね……やってる本人にその気はないけど。
でも根本はなんとも思ってないので、自分にとって面倒を起こしそうな場合はあっさり見限る。
由華が告白しようとしたところは、笑った表情も声の調子も変えずに、普通通りにしてる。でも、話は聞かない。遮る。
誠の着想は「ミステリという勿れ」の煙草森だけど、職業と、正常に見えて根本狂ってるぐらいしか要素残ってない。
たぶん、エモクロアのキャラシじゃなかったらこの性格はできてなかったと思う。感情を選ぶのが難しくて作りやすそうな怠惰にしたのでそっから練ってできた