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    Hgrs172

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    Hgrs172

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    恥を晒していくスタイルです。左右決めてないのでお好きな方に変換してください。

    プロポーズの日今日はプロポーズの日だと、sns上でトレンドに上がるほど様々な人が湧き上がっていた。

    ”プロポーズ”

    己には一生縁のない事かもしれないと思っていたソレも今となっては少し気にしてしまうような、そんな相手がいる。
    可愛らしい子うさぎな己の愛おしい恋人も、今日の日の事を知っているのだろうか?いや、彼のことならばきっと知ってはいるのだろう。彼は割とsnsなどを頻繁に見るタイプの人なのだから。
    知ってはいるが、行動するつもりは無い。という事なのだろう。そういう事はあまりしたがらない恥ずかしがり屋な一面が彼にはあるのだと彼と過ごした日々の中で理解していた。

    「お疲れ様です、日々樹先輩」

    彼の同室相手で私と同じ事務所のアイドルのバースデーイベントの終わり、彼が話しかけてきた。
    「えぇ、お疲れ様です。友也くん」
    彼から話しかけてくれた事を嬉しく思いながらもいつも通りを心がけて言葉を返す。
    彼はそんな私をじっと見つめたかと思うと、ふらふらとあちこちに視線を泳がせ、細々とこの後時間はあるかと問うてきた。あると答えながらも頭の中では朝に考えていたプロポーズの日の事をふと思い出した。彼が行動するわけが無いと思っていたがいざ行動を起こされるとビックリしてしまう。いや、それと決まった訳では無いのだが。彼の表情と仕草を見ればきっとその事であっているのだろうな、と思いながらも先行く彼の後ろをついていった。

    着いたのは人っ子一人いない空中庭園。小さな星々が瞬く夜空を隣並んで2人で眺めていると、意を決したように彼がこちらをじっと見つめ

    「今日、何の日か知ってますか?」

    と言う。
    もちろん知っている。朝から何度もsnsやニュースなどで見かけていたし、彼に声をかけられた時も今日という日のことを思い出し少し期待してしまったのだから。

    「もちろん!この日々樹渉に知らないことなどありません!!」

    いつものように薔薇の花を出しながらそう答えると、頭を抱えるようにして、あんたの事だもんな…そうだよな…とブツブツと漏らす彼を見ながら、彼のことだから私が今日のことを知っていようがいまいが何か伝えようと思っていたのだろう。推測だが。こんな風に呼び出して何もしないなんて事は彼はしないだろう。
    頭を抱えたままだった彼が立ち直ったのか気恥しそうに頭をかきながら、そういう事なので…なんて言いながら4本の薔薇を差し出した。薔薇の花束には本数によって意味が変わるというのを昔に話したことを覚えていてくれたのだろう。差し出された真っ赤な薔薇に負けず劣らず顔を赤くしている彼に、少しのイタズラの気持ちを込めて問う。

    「4本だけでいいんですか?」

    はぁ?!なんて声を荒らげて抗議するかと思ったが、彼は静かに私を見て、

    「あんたはきっと、そういう名前の付けられるような関係性って苦手というか怖がってる?…っぽいので、これで十分です」

    なんて言う。

    あぁ!

    あぁ!あぁ!なんという事でしょう!!日々樹渉ですらも気づかなかったこの私の小さな恐怖心を彼は見抜いたと言うのだ!!ジワジワと胸に広がっていく彼の気持ちが心地好く温かかった。
    貰った4本の薔薇をそっと胸元に閉じ込め、彼を見る。
    彼は先程と変わらずにじっと私を見つめていた。
    きっとこの先、私が分からない感情も彼が知っていてくれるのだろう。
    薔薇の花束の意味のように、この先もずっと。
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