おじさんの恋人 店のチャイムが鳴る。夜のコンビニは煌々とした明かりを灯していた。
「いらっしゃいませ」
ヒュンケルは小さな声を上げる。コンビニのアルバイトは数日目だがまだ慣れなかった。元より接客に向く性格でないことはわかっている。だが親がいないヒュンケルを引き取って、一人で育ててくれている父を少しでも助けたくて、ヒュンケルはアルバイトを始めた。
ヒュンケルは棚の前に屈みながら、減っている商品を補充していく。すると客がレジへと向かうのが見えた。ヒュンケルは立ち上がって急足でレジへと向かう。ちょうど客がカウンターにカゴを置いたところだった。ヒュンケルはバーコードスキャナーを片手に持ち、カゴの商品を手に取る。
「ヒュンケル?」
1962