未定(書くかどうかも未定)雨が降ったら御山(みやま)に入れぬ
天狐(てんこ)様が迎えに来るぞ
男子(おのこ)の頭を喰らいにくるぞ
女子(めのこ)の胎(はら)を攫ってゆくぞ
古くから村に伝わる歌を年寄りは黒い空に向かって歌った。
それは、もうすぐ雨が降ろうかとじとりと空気が纏わり付くような日の事だった。
「里長!大変です!」
いつも穏やかなヒノエの慌てた声がたたら場に響いた。
どうした、とフゲンが駆け付ければそこには体中に血の滲んだ包帯を巻いた一人の男。初めて見るその顔は恐怖に引き攣れ縋る様にフゲンのもとへ這って行く。
「お助けください!お助けください!
お狐様から村をどうか…」
男はフゲンの足元で祈るように身体を折ったまま気を失った。
っていう導入から始まる教官と愛弟子のファンタジーアドベンチャー(ホラーになりかねない)話