七月某日、都内某所。
辺りには屋台、川沿いには多くの人がレジャーシートを敷き、今か今かとその時を待っていた。その雑踏から少し離れた神社の階段で、七海と五条は段違いで座っていた。
七海の斜め上に座っている五条は、目の前の雑踏をよそに夏油宛であろうメールを携帯電話で打ち込んでいた。
──花火大会会場範囲内に発生した低級呪霊を祓除。それが今回の任務内容だった。
出向いたのは夏油、五条、七海、灰原の4人で、四手に別れて個々で対応を進めることとしていた。
ただ、いつもこなしている任務よりも簡単なものらしく、昨年同任務を経験した夏油と五条はまるで休日の予定を決めるような雰囲気だった。
「何食うかは当日決めるとして…浴衣どうする?傑」
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