オクバデSS①「…ッ、ん…」
はぁ…はぁ…と果てた余韻で上下するバデーニの胸をオクジーの舌がねろりと舐める。
そのまま首の筋をなぞるように上へ行き、火照った耳に唇が触れる。柔らかい耳たぶを軽く食まれ、擽ったさに緩く手を挙げ抗議の意味を込めて肩を押した――つもりだったが
、オクジーの隆々とした筋を撫でただけでぱたりと寝具の上に落ちる。
その手を中世の騎士がするように恭しく支えると、バデーニのよりも少し厚い唇が爪に口づけを落とした。情事の口づけで柔らく水気を含んだ唇が中指をなぞり、手の甲に触れ、ぬるく濡れた感触が皮膚の感触を楽しむ様にゆっくりと腕の上を進む。
「ぁ…こら…やめろ…」
最初は温かいのに通った後は冷たい舌の感触をぼんやりと追っていたバデーニの腕を柔く掴むと、オクジーはその長い鼻を埋める様にバデーニの脇を舐めた。淡い毛がざらりと舐められれ、薄い皮膚がびくりと粟立った。
猫が他の猫を舐めるような、一方的で献身的な動物的愛撫。そしてそれは捕えた獲物を自分の物だとマーキングをしてゆっくりと味わう様子にも思えて、獲物である己がこの大きな獣のような頑健な男に力でねじ伏せられ骨の髄まで貪られる妄想にジクりとまたバデーニの中心に熱が集まっていく。
「…ぁ…っ…オクジー、くん…」
ジワジワと淫心を高められていくもどかしさに吐息混じりで名前を呼び、両腕で首を掻き抱きぶら下がように引き寄せると唇をぶつけ合わせた。
自分の肌の味のする唇に舌を這わせると迎える様にオクジーの口が開き深く合わさった。はぁ、ぁ…ふ…くちゅ…ん…どちらの吐息か分からないほど密着していると堪らなく幸福で、同時に雄の味を教え込まれた最奥が戦慄いて切ない。
「ぁッ…は、ぁ…ン」
無意識に揺れた腰の淡い刺激に甘える猫の様に喉を鳴らしたバデーニの様子に、オクジーの目にゆらりと情念の火がまた灯るのが見えた。
「ッ、バデーニさん…」
オクジーの優しさや理性が、本能に寝食されていく様を見るのがバデーニは好きだ。その最後の均衡を崩すために、両手を伸ばしてオクジーを求めた。
ーー精々、旨そうに見えているといいが
食まれた首筋の甘美な痛みに、バデーニはうっとりと三日月の様に目を細めた。