1日1K暁②11
橙から濃紺へ変わる空を、隙間を開けた窓越しに眺める。手元からふわりと上がる白煙が外へ流れて消えた。夢を見ていたような気がする。KKと二人、なんてことない日々を過ごして夜を迎える、幸せの日常を。
吸えもしない煙草を小さくする赤い光をぼんやり見つめる。冷えた風が煙をたなびかせていた。
『幸せの終わり』
(白昼夢のような)
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通り雨に降られじっとりと湿ったTシャツを脱ぎ、洗面所の籠に放おる。お風呂先入る?と聞いてくるアイツに返事ができない。上裸でタオルを頭から被った暁人が首を傾げた。むき出しの肌に雫が伝い、胸から臍、その下へ流れ落ちていく。無意識に喉を鳴らすと、脱衣所に鍵をかけ暁人を浴室に押し込んだ。
『据え膳食わぬは男の恥、だし?』
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