ゼウスの憂鬱「ひっ、ぁ……あぁッ、ん……！」
「っ、は……ぁ、茨……」
　どうしてこうなってしまったのだろう
　もう何度目かわからない自問を、茨は今日も繰り返している。勿論セックスの最中なので、胸の内で、だが。
「ぁっ、そこ、ばっか……んぁあ、ア……ッ！」
「ふふ、茨はここが好きだよね……とんとんしてあげると、私のに絡みついてくるよ」
「やぁっ、言わなくていい……ッあ！」
　何でもできる万能神。まさにその名を欲しいままにする凪砂は、色事においても優秀で完璧だった。最初こそインターネットや文献で見聞きしたものを真似て試している素振りはあったものの、すぐに茨の体の悦いところを覚え込んでしまったのだ。
　今では抵抗も逃げる事も許されず、毎度高みへと導かれてしまう。男同士のセックスなんていいものではないだろう、などとタカを括っていた自分を過去に戻れるならぶん殴ってやりたい程だ。

神さまのこどもたち　夜は窓ガラスの向こうにある。
　ベッドがふたつと窓辺にデスクがあるきりの、無機質な部屋は蛍光灯のあかりの下しらじらとしていた。空調は暖かくもなく寒くもなく、どこか乾いて清潔な匂いがする。
　ホテルの一室だった。
　エデンの四人で観光地案内をと、急遽はいった遠方の仕事だった。そのため手配が追いつかなかったらしい、駅前のビジネスホテルにようやく二部屋を確保したのがつい先ほどのこと、閣下と殿下におかれましてはいまひとたびのご辛抱をと茨はしきりに恐縮していた。
　日和とジュンは隣の部屋にいて、すでに寝入っているのかもの音ひとつしない。
　五時間以上のロケをこなしたうえに、お風呂が箱みたいだとかベッドに手足がおさまらないだとか、日和いわくの「発見」をするたびこちらに報告をしにきていたから、さすがに疲れたのかもしれなかった。

【凪茨】彩排日前夜“茨，我洗好了。”
七种茨闻言放下手里的工作，推了推眼镜。
阁下的头发真好，很顺滑，看来这个牌子的护发精油不错，下次多屯点。

“阁下，让鄙人为您吹干吧。”
“茨，明天就是Eden的演唱会彩排了，不要工作到太晚。”
七种茨小心的用梳子打理着乱凪砂的长发，无所谓的笑笑。
“还有很多邮件没有处理完，阁下等下先休息吧。”

“茨，”
他的手腕被长发男人握住。
“如果茨一定要工作到那么晚，我陪着茨好了。”
“阁下要保持充足的睡眠……”
“茨也要保持充足的睡眠。”

败下来了。

但是，不是说好要早点休息吗！那现在这种姿势算什么啊！
温热的唇含住了七种茨发烫的耳垂，乱凪砂的膝盖强硬的顶开他的双腿。
明天就是彩排日了，这种事今天不可以做啊！

“阁下……”

【凪茨】茨，你很漂亮“茨，你看。”

凪砂凑到正抱着电脑处理工作的恋人身边，举起手机屏幕给他看。

“阁下，现在鄙人正在忙，晚点再看可以吗？”

虽然是问句，但是茨的眼睛一刻也没离开过电脑屏幕，白光反射在他微微皱起的眉头上，刘海因为角度问题垂下来了几绺，挡住了大部分的钴蓝色眼瞳。

“茨，你看。”

凪砂没有放弃，固执的把手机挡在了屏幕前方，于是茨的视线里撞进了一片绿色。

也不能说全是绿色，只是绿色的衣服占了一大部分，再看看，屏幕上赫然是自己以前的女装照。

玫红色的长发垂落在肩头，黑色的无袖上衣，绿色的外搭，黑色的裤子……

该死，阁下从哪里找到的。

茨脸上又挂上了职业假笑。

“让阁下看见这种照片，真是……”

“茨，你可以再穿一次吗？”



？他没听错吧？他的阁下想让他再穿一次这种衣服？