とある小さなほしのこの話 1「………」
とある小さなほしのこが目を覚ます。薄暗い雲から光が差し込んでいた。
「………?」
なぜか体が上手く動かせない。ぎこちなくも体を起こしてみる。
(ここは……?)
どうやら紫と黄色のとても綺麗な花が咲く花畑にいるようだ。ふと後ろを振り返ると綺麗な装飾がされた朽ちた大きな舟があった。
ここがどこなのかよく思い出せない。そもそもどうやってここに来たのだろうか。
周りをもっと見てみようと立ち上がろうとした時、手に何かが触れた。
萎れてしまっているが、白い花だった。
「……………っっ!!!!」
頭が痛い、痛い痛い。いたいいたいいたい。
「うっ……っ……!!」
目の前が暗くぼやけてくる。朦朧とした意識の中でぼんやりと誰かの顔が頭に浮かぶ。
「り……ら………?」
誰かも分からない誰かの名前を呟いて小さなほしのこは意識を手放した。
「………」
とある小さなほしのこが目を覚ます。薄暗い雲から光が差し込んでいた。
「……っ」
頭がまだズキズキと痛む。
「り…ら……」
意識を手放す前にふと浮かんだ名前。
りらって誰だろう。
でも大切な人な気がする。会いたい。
(りらを探そう…!)
小さなほしのこは慣れない体でりらというほしのこを探す旅を始めることにした。