そんな光景、エイリアン映画で見た。ベッドに座る二人の間には、ビニールに包まれた掌ほどの箱がある。表面には、軽妙し難いキャラクターが描かれている。
それを刑部はさっきからじっと見つめている。読みたくはないが、目に入る文字は“光る”とある。なにが光るって、ナニがだ。
「………晃」
「んだよ」
重々しい呼びかけに桐ケ谷は飄々としている。この箱を出した時からそうだった。
「色々言いたいことがあるが、まずこれはどこで手に入れた」
「ヤス…はいなかったな、ウロボロスのメンバーに貰った」
チームのリーダーになにしてるんだ、あいつらは。
眉間に皺が寄るのを自覚しながら、刑部は更に尋ねていく。
「で、なんでこれを今出すんだ」
「おもしろそうじゃん?てか今出さなくていつ出すんだよ」
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