リナリアやっと来られた。思い出の片隅に鮮やかに残り続けた門から見える赤い橋と、現実に見える風景との一致に胸がぐっと熱くなる。
時間はかかってしまったがカムラにもう一度来る目標があった自分には些細なものだ。
もうすぐ。もうすぐ約束が果たせる。
知らず握っていた手を広げ、ロイはふうっと息を吐き出すと門をくぐるべく大きく一歩踏み出した。
「カムラの里へようこそ。とはいっても諸手を挙げてとはできない状況ではありますが…それでも、良く来てくださいました。」
深々とお辞儀をするヒノエにロイも見様見真似で返す。確かこれは相手に対する思いを示すジェスチャーだったはずだ。
「原因は解明しつつありますが、未だ百竜夜行は収束の目処も立っておりません…。里のハンターもいるのですがこの異常な程のモンスター発生を彼一人で対処させてしまうと休息もとれずで倒れてしまいそうで…。来ていただいた早々申し訳ないのですがモンスターの討伐を何件かお願いすることとなるかと。観光名所も多々あるのにご紹介もできないなんて…」
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