星を願うどうか、
どうか、戻して…
「疲れた~」
「はあぁ~」
二人の声が重なる。
ここはある洞天内の一角。そこにいるのはこの洞天の主である旅人・空と、茶髪で長身の男―タルタリヤだ。
「手合わせありがとう、相棒!」
「うん…はあ、疲れたー…」
空はまったく、とその場に寝転ぶ。
「依頼が終わってさあこれから夕飯を作ろうってなってから急に『手合わせしよう!』って訪問しないでよ…」
「まあまあ!」
タルタリヤは適当に返事をした後、少し真面目な表情をつくる。
「今日引き分けだったのってもしかして依頼で疲れてたから?」
空は普段タルタリヤに勝利していた。しかし今日は引き分けだった。いつもより空の技量が落ちているのを、タルタリヤは見逃していなかった。
16856