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    羣咲カナメ

    長髪系のキャラが好みのオタクです

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    羣咲カナメ

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    (メインシナリオのネタバレ注意)
    創作救い主まひろの相棒である
    オリジナル妖怪の『ホムスビ』が
    暇潰しに八岐大蛇さんの所に
    突撃訪問するお話です。
    八岐大蛇さんの口調がおかしかったら
    ごめんなさい!

    ホムスビ、暇潰しに八岐大蛇に会いに行く「……八岐大蛇、
     暇だから少し付き合え。」

    「……貴様、そのためだけに結界を
     突き破って来たのか。」

    地獄の奥深く。
    八岐大蛇が封じられている結界を
    空を翔る流星の如く突き破り、侵入した
    救い主まひろの兄弟であり武器である
    堕天妖怪ホムスビ。

    「敵襲かと思い、飛び起きたが……
     暇潰しのためだけにこんな地獄の
     奥深くに来たのか?
     救い主の護衛はどうした?」
     
    「……まひろは真紀奈と閻魔王と
     茶会を開いている。

     護衛は狂骨や火車がいるから
     必要ないようで特にやることも
     無いし、他に話し相手も居なくて
     同世代のお前の所にきた。」

    「獄卒がいるだろう。」

    「……奴らは仕事中だ。
     それに、地獄生まれの奴らに
     とって神性が含まれている
     おれの炎は毒同じようなもので
     無闇に近付けられない。」

    「……それで、我の所に来た、と?」

    「……そうだ。」

    ホムスビのあっけらかんとした答えに
    八岐大蛇は頭を抱えた。

    「だからと言って結界を破る
     やつがあるか。
     閻魔王にどやされても知らんぞ」

    「……破ったのと同時に修復した。」

    「そういう問題では……もう良い。
     それで、暇だから付き合えと言ったが
     具体的には何をするんだ?」

    「………そうだな。
     では、世間話でもしよう。」

    「世間話…現在の幻妖界の話しか?」

    「……正確には、まひろとイヅナ達の
     旅の話だ。
     興味が無いのなら別のことにする。」

    「いや、それで良い。
     今の幻妖界がどのように変わった
     のか、貴様と救い主が幻妖界で
     何を見たか聞かせてほしい。」

    ホムスビは八岐大蛇に
    幻妖界で見てきたことを話した。

    大蛇ノ國の戦いの後、
    どのように変わったか。

    多くの妖怪の悩みを聞き、救ったこと。

    八つの國を渡り歩き、多くの文化に
    触れ、知ったこと。

    トラブルに巻き込まれることも
    多々あったこと。

    人間界よりも幻妖界での生活が
    心地よいこと。

    幻妖界に来てからまひろが笑顔で
    過ごす時間が増えたこと。

    幸せそうな表情を浮かべ、まひろや
    幻妖界での出来事を話す
    ホムスビを見て、八岐大蛇は頷く。

    「それで、バレンタインの時期に
     大蛇ノ國で遠呂智姫が緑色に光る
     チョコレートをまひろに
     渡した時に……」

    「…………緑色に光る?」

    ……時々、頓痴気な出来事や
    まひろの将来が心配になる
    話も出てきたが、
    八岐大蛇はしっかりと聞いた。

    「……そうか、救い主も遠呂智姫も
     息災で何よりだ。
     貴様と救い主が来てから、
     幻妖界は少しずつ変わってきている
     ようだな。」

    「……最初は勝手に喚び出したくせに
     戦いとは無縁だったまひろを
     救世主扱いして戦いに巻き込む
     妖怪達に憤りを感じていたが、

     今は、元の世界で何処にも居場所が
     無かったおれとまひろを優しく
     受け入れてくれた妖怪達に
     感謝をしている。」

    「……何処にも居場所が無かった、か。」

    ホムスビの言葉を聞き、
    彼の出自を知っている
    八岐大蛇は苦悶の表情を浮かべる。

    ホムスビ__火神『迦具土』は、
    故意では無かったとはいえ母を殺し、
    怒り狂った父に首をはねられ死んだ。

    その血と肉体から16人の神が誕生し、
    残された迦具土の魂は行き場も無く
    永い年月の間現世を彷徨い続け、
    妖怪に転生した。

    だが、妖怪になっても濃い神性を持つ
    異質な彼は妖怪や人間からも恐れられ、
    誰にも愛されず、
    誰にも必要とされず、
    何処にも居場所が無かった彼は
    幻妖界にも行かず、人間界で1000年間
    孤独に過ごしていた。

    そして、まひろと出会い、
    彼は愛を知った。

    「おれは、まひろがずっと側に
     居てくれればそれだけで良いと
     思っていた。

     ……だが、今は違う。
     おれを受け入れてくれたあいつらも、
     おれにとって大切な家族だ。

     ……心から幻妖界に来て良かったと
     思ったんだ。」




    ___数刻後、

    ホムスビは八岐大蛇に暇潰しに
    付き合ってくれたことに感謝を告げ、
    再び結界を突き破り、瞬時に修復して
    まひろのもとへ帰った。

    最後に八岐大蛇に
    「家族を大切にするんだぞ」と
    言われ、ホムスビは「勿論だ」と
    返した。


    ………しかし、八岐大蛇の結界を
    突き破って侵入したことは既に
    閻魔王の耳に入っており、
    帰ってきたホムスビは閻魔王に
    こっぴどく叱られた。
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