見てる叶汰の家族達に見送られ、春馬、エリフィナ、シュアンは、先日同様休校中の学校に向かっていた。空は晴れており、太陽が出ている。そして辺りでは何匹もの蝉が、今は夏だと言うことを伝えるかのように鳴いていた。ここ数日それほど暑くない日が続いていたため、久々に感じる真夏の暑さに慣れない。夏の暑さと共に、この世界に来る前のことを思い出す。そういえばここに来る前も、ちょうど同じような一番熱いであろう昼間に、叶汰と電話をしながら走って学校に向かっていた。それから学校で誰かが飛び降り自殺したって話を聞いて…。そんなことを思い返しているうちに、学校の校門に到着していた。
「じゃ…僕はたくみの代わりに来たから…離れすぎないくらいの…遠くに行く…。」
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