The one and only gift for Christmas 傑は昔、悟に見合いをするよう促したことがある。あれは確か、悟が高専の教師になってまだ間もない頃で、二人はまだ一応、親友と呼べる間柄だった。
キスをしたことはあったけれど、それはまだ学生だった時の一度だけだ。後輩たちも交え、応援している方のサッカーチームが負けたらキスというくだらない賭けで負けたのだ。悟は「ッエーー」とわざとらしく顔を歪めていた。傑はというと「ファーストキスだったのかい? まさかそこまでお子様だとは思わなかったよ」なんて強がっていたのだが、実は傑もファーストキスだった。
兎にも角にも、罰ゲームとはいえキスした後の反応があれでは、片思いは確定だった。傑は、ファーストキスを甘酸っぱい初恋の思い出にするのをやめた。あれは他にも数多くある、親友との馬鹿なやらかしの一つだと、自分に言い聞かせ続けるしかなかった。
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