良い旅を「いいですか虎杖君。聞かれたことには正直に、そして簡潔に。そうすればすぐに終わります」
「でも俺、やっぱ英語とかわからん…」
日本から遠く離れたデンマークのコペンハーゲン空港、入国審査を待つ人々の列に七海と虎杖の姿はあった。
「大丈夫、私とのレッスン通りに──ok?」
「オ、オッケー…」
はじめての海外旅行にそわそわと落ち着きのない虎杖をよそに、七海は口元に笑みを浮かべ、虎杖の肩に手を置くと「Good boy.」と悪戯に耳元で囁いた。
虎杖はちりりと焦げつくように熱くなった耳を押さえ、七海を振り返ると「ナナミン絶対おもしろがってるだろ」と言ってじっと睨んだ。
「おもしろがってるというよりは"楽しんでいる"という感覚が正しいです」
「それってなにが違うん?」
「そのままの意味です。今この状況が楽しくてたまらない。──何事も経験です。虎杖君も楽しんで。ほら、次はもう君の番ですよ」
七海がそう言うと「Next!(次の方)」と、恰幅のいい入国審査官の男がカウンター越しに手を挙げ虎杖を呼んだ。
虎杖は「うっ…」と言いながら七海を振り返る。
「大丈夫、すぐに私も行きますから」
優しくなだめる声音に頷くと、虎杖は意を決して一歩踏み出した。かと思いきや「やっぱりナナミン先にお手本みせて」と涙声で言い、踏み出した一歩を戻し、二歩下がった。
「お手本なら他の方のをずっと見ていたでしょう」
七海が言うが虎杖は首を左右に横に振り、動こうとはしない。
「Next!」
先ほどよりも強い審査官の声に、七海は一度息を吐くと「では、きちんと見ていてくださいね」と虎杖の目をみて言った。虎杖は今度は首を縦に振り何度も何度も頷いた。さながら赤べこのようだ。
七海は虎杖と順番を変わるとカウンターへ行き「Passport please.(パスポートを見せて)」という男へ、慣れた様子でパスポートを手渡しサングラスを外す。監査官はパスポートの写真と目の前にいる七海の顔を交互に見比べ、肉付きのいい手で赤毛の顎髭をさすりながら質問をはじめた。
「What’s the purpose of your visit?(訪問目的は?)」
「honeymoon.(新婚旅行です)」
淀みなく簡潔に言い切った七海へ、男が色素の薄いヘーゼルの瞳を向けて「honeymoon?」と言葉を繰り返して問う。
「Uh huh…Are you with anyone?(相手は?)」
男の探るような視線に、七海はすっと流し目を虎杖へ向けた。
「Is he?(彼かい?)」
「Yes.(そうです)」
七海の視線を追った男の問いかけに七海は静かに頷く。男は何か考える素振りをしたが、質問を続ける。
「How long are you going to stay?(滞在日数は?)」
「5days.(5日間です)」
「Where will you stay?(滞在先は?)」
「In a house of my grandfather and grandmother.(祖父と祖母の家に)」
「I see.(なるほどね)」
七海の見目への合点がいったのか、男がわずかに警戒をといたのがわかった。そのまま審査は順調にいき簡単なボディチェックに移る。
_(-ω-`_)⌒)_
ここからですね…
「(なんだこの硬いブツは!出せ!)」みたいな感じで股間を触られ「penis」て言うナナミンが書きたかっただけです…
しょーもない…………
それで審査官が「omg…」て言いながら悠仁を心配そうに見つめてgood luck🤞完
英語も入国審査も未知すぎて没です。